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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-09(terrace)】エゴ-小さい二世帯住宅-

2020-10-26 19:16:43 | ministock-09(terrace)
正直に言うと、

建築家のエゴって

ありますよ。

そりゃ。

何十年と設計やってきて、

あれ良かったな。

あれやってみたいな。

って思うなんて、

むしろ人間らしいじゃないですか。

逆にそれがなかったら、

感情がない人間じゃないでしょうか。

それでは、

十分、下準備が整ったところで、

今日のエゴを。

改めて言う事でもないというか、

日頃からぼたぼたとこぼれているので、

何を今さらと思うかもしれませんが、

造作家具が好きなネイティブディメンションズ。

掃除を楽にするためにご提案してるんですけど、

どうせ作るなら、私にしか作れないものを

というエゴ。

今日の記事が改行の多いポエム調なのは、別にエゴではないんですが、

これは私にしかデザインできない突拍子もないものをというわけではなくて、

設計者である私だからこそ選ぶことができるという意味合いが強いです。

例えば、最初の画像の様に

フローリングの仕様をアンドウッドさんに選びに行った時に、

遠藤さんが提案してくれたフレンチヘリンボーンのフローリング。

Kさんも気に入ってくれて、「これの使いどころなんかないかなぁ」と相談があった時点でスイッチが入ります。←高価なのでむやみやたらに使えない事情。

①まずは、この廊下に敷き並べて

②ここにつながる階段に、目地がきっちり揃うように張ったら、めっちゃ格好良さそう(にやにや)

結果的にこれが、私の設計士の歴史の中で一番大工さんを泣かせた階段になるわけですが、

実際、格好良くないですか!

「使いどころない?」って相談されて1分くらいでこれが頭を駆け巡る私の頭の中は日頃からエゴが優先されているのでしょう。
でも、この踊り場だけで、作るのに一日くらいかかりました。


で、これで終わると、「ナンデココダケコンナコトシタンダ」って余計な心配をするんです。私が。

それが高価なだけにワンポイントなのか、ダサい設計なのかは紙一重で(私調べ)、

もう一か所使わないとバランスが取れないって思っちゃうんです。
そして、それをさらに、どこかの壁か床にぺろっと張るんじゃなくて、家具として使ってこそのバランスだと思うのが私の思考。
ミニストック-06なんかは分かりやすい過去事例です)

それを今回はキッチンに使いました。


脚のないキッチン。

壁からキッチンがにょきっと飛び出ていて、それがフレンチヘリンボーン
しかも、ステンレスの天板を極端に薄くしてフレンチヘリンボーンだけを目立たせるように設計。


キッチンにこのフレンチヘリンボーンを使いましょうと提案できるのは、フローリングとして採用した設計者だけ。

だって、ほぼ端材で作れるからコストが抑えられるし。

いやらしいでしょ。

結構な隅々まで考えているからこそ、エゴが出ちゃうんです。



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