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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-03(modern)】半年点検-現代版最小限住居-

2016-12-10 23:14:11 | ministock-03(modern)
今日はミニストック-03の半年点検に行ってきました。
お引渡しからもう6か月、早いものです。

住み心地を訪ねると、暖かく快適に過ごしているという事と、その暖かくなるスピードがあっという間で驚いたとの事でした。
建物の性能がある程度いいことを前提として、やはり建物が小さいと家の中が暖まるのが早いんです。
原則として暖房期は24時間運転ですから、暖まるスピードはそう何回も体験できるわけではないですが、11月は極端に寒かったり、比較的暖かかったりの日があったので、暖まるスピードを実感できたそうです。

小さいって素晴らしいですね。
狭く感じない工夫さえすれば、とても過ごしやすい空間になります。

さて、半年点検の状況ですが、わずかに引戸と枠に隙間が生じていたことと、塗装に細かなクラックが入っていたくらいで大きな問題はありませんでした。

艶感が好きでお勧めしている塗装壁ですが、ビニールクロスに比べると伸縮性が少ないので、下地材の乾燥収縮による動きについていけずクラックが入ります。
これは、想定内の出来事。

じゃぁ、何だと想定を外れるかと言うと、吹抜けなどの大きな空間の入隅にクラックが入っている場合。
これは木材の乾燥収縮の他に建物が大きく揺れていることも考えられてしまいます。
吹抜けは構造的に大きな弱点となる場所です。
安易に見た目だけで設計してはいけない場所。
耐震設計をしている建物において、風が吹いただけで建物が揺れてヒビが入ったなんてことになってしまうと、じゃぁ、地震が来たらどうなるのって話です。
先日発生した福島の地震の時も、新潟県内は揺れましたが、その経験も含めて吹抜けにはクラックが入っていませんでした。
まずは、木材の乾燥収縮によるクラックだけだと判断してよいでしょう。

もちろん木材は乾燥材を指定していますが、外部で保管されていた木材をある日突然気密断熱性の高い空間に閉じ込めるわけですから、木材表面の水分は一気に抜けることになります。また、石膏ボードもある程度の水分を含んでいることで成り立つ建材です。それも生活が始めれば水分が抜けて痩せてしまうのは当たり前の事。

つまり、塗装壁の場合、クラックは入ります。

それも含めて塗装の良さと思っていますし、修復についても塗装した色が廃盤になるわけでもないので、どのタイミングでも可能です。
新建材などの商材のように時代性があるものを使ってしまうと廃盤になっていることも多く修復は難しいですが、ネイティブディメンションズが提案する普遍的な材料で設計することのメリットは時間を経て感じていただけると思います。
しなきゃしないで「味」と思えることも大切ですね。

至急手直しする部分もなかったので、引き続き経過を見ることを打ち合わせして完了しました。
建物は1年、四季を経験することで落ち着き始めますので、それからの判断となります。






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