白熱教室 カズオ・イシグロ 文学完全版
https://www.youtube.com/watch?v=VMDQGDmbqF8
興味深いですね!前に英語バージョンをUPしたのですが、それが英語で解釈されています。分りいいですね。学生の前でイシグロさんが氏の文学理論を話しています。メモリー、真実と嘘の問題は大きいですね。意図的に嘘を許容する社会がある。記憶を意図的に歪めるのである。社会的記憶、何を忘れ、何を思い起こす(残す)のか?社会が何を記憶し、何が表面に現れるののか?全く消し去れる記憶もある。映画シカゴ、その舞台、1920年代、その映画は、現実には嘘だったかもしれない。黒人男性と白人女性のダンスがある。→未来志向?事実より過去をよく描こうとする。事実ではない物語への責任がある。事実に即すべきか、どこまで事実から離れるべきか?記憶の曖昧さ。裏側の事実に入り込めるか?嘘で塗り固められる歴史がどこにもあるということ、それが共同体にとって良かれと前に進む歴史がある。嘘と虚構がある。キャンペーンの問題がある。事実と虚構・嘘のスパイラルがかもす物語。
登場人物がどう考えていたか。日のなごり、イギリスの執事、二つのメタファー、誰もがもつ感情を表す恐れ、傷つくことを怖れる。政治権力への怖れ。ただ役割、貢献を生きる。プライドや尊厳を生きる。道徳的にも政治的にも私達の執事だと書いている。物語り全体がメタファーだ。
読者がそれを比喩だと気がつかないもの、人生に何か関係する隠喩だったからとわかったらいい。事実を伝えることでしょうか。嘘を伝えることでしょうか?嘘とは意図的に相手を惑わすこと。プロパガンダとか、感傷的で嘘は嫌い。事実ではない話は創られたもの。小説に価値があると思うのは、そこの真実があると思うからだ。何らかの真実が含まれている。真実とは何か?事実ではない。真実とは何か?
歴史を通じて、人々は物語を語ってきた。真実を伝える手段だからだ。問いかけること。この物語りに重要な真実が含まれているか?人間として感じるものである。小説では心情が語られる。気持ちが伝えられる。歴史書たジャーナリズムは事実は伝えることができる。しかし愛するものの苦しみは伝えられない。事実だけではなく、どう感じたかを伝えたい。感じられるもの。感性の在り処。ノンフイクションでは物足りないから小説を読むのだ。
なぜ小説か?価値は?単に娯楽以上の価値がある。心情を伝えることだ。議論ではない。とてつもなくおおきなもの、芸術に対して、人間としての感情を分かち合うことが大事だ。経済活動だけではない。感情の共有?心を分かち合うことが小説のエッセンス。