
(野外のピアニスト)
ブロックを下っていくとそこはすぐブロードウェイである。上へ歩くとセントラル公園。朝、アベニューを馬のひずめのパカパカが聞こえてきた。観光客がセントラル近くから馬車で街を巡回しているのだという。車の音に混じる馬のヒズメは何やらいいなーと思っていた。
研究テーマにとって、とても重要な劇場に向かった。AL Hirschfeld劇場の前で写真を撮り、中を見たいと思った。なんとラッシュチケットを買うために列ができている。以前「The Teahouse of the August Moon」を1027回も上演し、1950年代のアメリカでトニー賞やピュリッツア賞などを嘗め尽くした演劇の上演がなされた劇場である。上演はネットで調べたらないことになっていた。しかPreviws begin March 3と掲示されている。いいチャンスだった。安いチケットでもオーケストラの端の券が35ドルで買えた。+2$のチャージである。ラッキー。券を購入してニューヨーク大学の図書館に向かうがそこはワシントンスクェアーにある。
(劇場内部はとてもいい空間だった)
機内で見た映画August Rushの大事な舞台である。若いミュージーシャンの男女が運命的な愛を育む象徴的な場所。つまりフランスの凱旋門に似た門が立っている。
「その門をくぐりながら願い事をするとかなえられるそうよ」と、Rさんが言うので、一つだけ願った。
その広場はOCCUPY Wall・streetの運動が小さく分散し、その細胞が芽を吹きだしている広場だった。教育問題の提起がなされ、大学を卒業しても奨学金を払えない学生たちの手書きのメッセージが並べられたり、古いがグランドピアノを置いてそこで演奏し、自らのCDを売っている若者がいたり、(一枚10$で買った。彼のお勧めのバージョンを)またあらゆるBOOKLRETが置かれ、どうもチョムスキー系統の様々な自家製のミニ冊子がいっぱい並べられている。カンパも強制しないし、一緒に見ていた若者が「この本はいいよ」と紹介したのは「The Art of Revolution」だった。そのほかAgainst Militarism:The State, Exploitation and War, Listening to the landなど30冊ほどの冊子が並んでいた。その他200万人以上のアメリカ人が刑務所にいる。犯罪に対してもっと別の手段、コミュニティーの強化を主張したデスクがあったりもした。多様な主張がみなぎっている空間を目にした。
その広場の横のNY大学のギャラリーでとてもいい展示があった。詩人ギンズバーグGinsbergの写真展である。テープの録音やフィルムも紹介されていたが、じっくり聞いたり見たりするゆとりはなく、されどモノクロの写真とそれに添えられた彼の言葉をざーっと見た。大きな若いころの写真があり、その下に次の詩が添えられていた。全身裸の写真が三枚ほどあったかな?ゲーリー・スナイダーとかOn the Roadの彼とかとの交流などが伝わってきた。直筆の原稿や手紙類も。(写真と散文詩をまとめたいと思っているので、何やら啓示的に思えた)
Without even intending it, there is that little shiver of a moment in time preserved in the crystal cabinet of the mind. A little shiber or eternal space. There what I was looking for. (Allen Ginsberg, 1979)(一部ミスがあるかな?)
図書館はスキャンのサービスまでありそれをメモリーに入れて持ち帰れる仕組みである。感謝!
さて私立大学は高い。ギャラリー横では大学の奨学金の説明会が親子参加でなされていた。テキサスのダラスから来た親子がいた。どちらかというと黒人系やヒスパニア系の顔が多いと感じたがー。
午後の劇場の舞台はとても面白かった。Kinky Bootsだ。ドラッグクイーンの物語のミュージカルとシューズ工場の若い跡取り息子の物語だが、超面白かった。(んん、性やジェンダーの問題提起でもある作品だね!歌唱力がすごい。聞かせる。笑わせる。パンチがきいている!拍手の洪水!)何より劇場内の写真が撮れたのがよかった。舞台ではなくーー。とてもいい劇場だ。1000人は有に入る劇場、ここがかつて今日のように笑に包まれていたのである。さてー。
(ワシントンスクェアの空)
それからハーレムへ。そのいきさつはまた後で。写真を少しUPしておきます。明日はグランドゼロへ行き、Wall ST、Theatre art center、そして、どうしても研究上見なければならない資料を見る。(ちょっと秘密)
MoMAにも行きたい。ニューヨーク大ART & PoliticsでMA Projectに取り組んでいる素敵なTさんもご一緒にハーレムの繁華街を歩き、素敵な空間を持った。謝!