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志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

55st & 8Avenue から冷たい風を切ってAL Hirschfeld劇場、NY大学、ハーレムへ

2013-03-24 14:17:12 | 「八月十五夜の茶屋」科研研究課題

              (野外のピアニスト)

ブロックを下っていくとそこはすぐブロードウェイである。上へ歩くとセントラル公園。朝、アベニューを馬のひずめのパカパカが聞こえてきた。観光客がセントラル近くから馬車で街を巡回しているのだという。車の音に混じる馬のヒズメは何やらいいなーと思っていた。

研究テーマにとって、とても重要な劇場に向かった。AL Hirschfeld劇場の前で写真を撮り、中を見たいと思った。なんとラッシュチケットを買うために列ができている。以前「The Teahouse of the August Moon」を1027回も上演し、1950年代のアメリカでトニー賞やピュリッツア賞などを嘗め尽くした演劇の上演がなされた劇場である。上演はネットで調べたらないことになっていた。しかPreviws begin March 3と掲示されている。いいチャンスだった。安いチケットでもオーケストラの端の券が35ドルで買えた。+2$のチャージである。ラッキー。券を購入してニューヨーク大学の図書館に向かうがそこはワシントンスクェアーにある。

(劇場内部はとてもいい空間だった)

機内で見た映画August Rushの大事な舞台である。若いミュージーシャンの男女が運命的な愛を育む象徴的な場所。つまりフランスの凱旋門に似た門が立っている。

「その門をくぐりながら願い事をするとかなえられるそうよ」と、Rさんが言うので、一つだけ願った。

その広場はOCCUPY Wall・streetの運動が小さく分散し、その細胞が芽を吹きだしている広場だった。教育問題の提起がなされ、大学を卒業しても奨学金を払えない学生たちの手書きのメッセージが並べられたり、古いがグランドピアノを置いてそこで演奏し、自らのCDを売っている若者がいたり、(一枚10$で買った。彼のお勧めのバージョンを)またあらゆるBOOKLRETが置かれ、どうもチョムスキー系統の様々な自家製のミニ冊子がいっぱい並べられている。カンパも強制しないし、一緒に見ていた若者が「この本はいいよ」と紹介したのは「The Art of Revolution」だった。そのほかAgainst Militarism:The State, Exploitation and War, Listening to the landなど30冊ほどの冊子が並んでいた。その他200万人以上のアメリカ人が刑務所にいる。犯罪に対してもっと別の手段、コミュニティーの強化を主張したデスクがあったりもした。多様な主張がみなぎっている空間を目にした。

その広場の横のNY大学のギャラリーでとてもいい展示があった。詩人ギンズバーグGinsbergの写真展である。テープの録音やフィルムも紹介されていたが、じっくり聞いたり見たりするゆとりはなく、されどモノクロの写真とそれに添えられた彼の言葉をざーっと見た。大きな若いころの写真があり、その下に次の詩が添えられていた。全身裸の写真が三枚ほどあったかな?ゲーリー・スナイダーとかOn the Roadの彼とかとの交流などが伝わってきた。直筆の原稿や手紙類も。(写真と散文詩をまとめたいと思っているので、何やら啓示的に思えた)

Without even intending it, there is that little shiver of a moment in time preserved in the crystal cabinet of the mind. A little shiber or eternal space. There what I was looking for.  (Allen Ginsberg, 1979)(一部ミスがあるかな?)

図書館はスキャンのサービスまでありそれをメモリーに入れて持ち帰れる仕組みである。感謝!

さて私立大学は高い。ギャラリー横では大学の奨学金の説明会が親子参加でなされていた。テキサスのダラスから来た親子がいた。どちらかというと黒人系やヒスパニア系の顔が多いと感じたがー。

午後の劇場の舞台はとても面白かった。Kinky Bootsだ。ドラッグクイーンの物語のミュージカルとシューズ工場の若い跡取り息子の物語だが、超面白かった。(んん、性やジェンダーの問題提起でもある作品だね!歌唱力がすごい。聞かせる。笑わせる。パンチがきいている!拍手の洪水!)何より劇場内の写真が撮れたのがよかった。舞台ではなくーー。とてもいい劇場だ。1000人は有に入る劇場、ここがかつて今日のように笑に包まれていたのである。さてー。

(ワシントンスクェアの空)

それからハーレムへ。そのいきさつはまた後で。写真を少しUPしておきます。明日はグランドゼロへ行き、Wall ST、Theatre art center、そして、どうしても研究上見なければならない資料を見る。(ちょっと秘密)

MoMAにも行きたい。ニューヨーク大ART & PoliticsでMA Projectに取り組んでいる素敵なTさんもご一緒にハーレムの繁華街を歩き、素敵な空間を持った。謝!


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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グールドの椅子を探して (participate)
2013-03-28 22:55:12
 おそらくは耽溺しているのであろうピアニストのスナップショットは、私をしてかのグレン・グールドを彷彿とさせました。与那覇先生のブログに掲載された「野外のピアニスト」の写真を見てほどなく、私は脳裏にかつてのグールドを去来させていたのです。グールドは私の大好きなピアニストの一人です。そして言わずもがな、最初に琴線を粉々にした彼の演奏は、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」(1955年モノラル録音)でした。ことほどさように彼のバッハはつとに有名ですが、彼が醸し出す数々の至高のバッハ演奏は、もはや自明の理として、とりわけ私がグールドの門扉を開く契機となった一番の押しは、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15(ゴルシュマン指揮/コロンビア交響楽団)」でした。ベートーヴェン28歳の年のこの作品は、ベートーヴェンの若さのほとばしりが、駿馬と見まごうほどにすがすがしくも軽快で、メロディアスあふれる楽想と化して随所に艶々しく若々しい息吹が惜しみなく散りばめられてもいて、年を重ねた今もなお、何度きいてもつねに新鮮の極みで飽きることがありません。はたして私だけなのでしょうか、「野外のピアニスト」の中に住む陶酔の演奏者が腰掛ける低い椅子から、グレン・グールドを喚起せずにいられなかったのは。低い椅子にうずくまるようにして背を丸め、バッハやモーツァルトやベートーヴェンを世に産み落とした生前のグールド。ブログの写真は野外の演奏ですから、思うにきっとまわりに聴衆が佇んでもいたことでしょう。ある時期を境に演奏会と聴衆を忌避しつつ、優れた録音をのみ後世に残して黄泉の国へ旅立った孤高のグールドは、私の中でしかし今なおたゆまず醸成を繰り返してもいるのです。
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グレン・グールドはいいですね! (nasaki)
2013-04-08 02:04:05
Youtube でご紹介されたグールドの「ゴルドベルク変奏曲」や「月光」Beethoven Moonlight Sonataと聴いた。グールドの演奏ではないが、改めてベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第一番ハ長調作品15」を今聞いている。低い椅子、少年の取りつかれた風情でピアノに向かう姿、んん、いいね。学生の頃国際通りにあった1882年だったか音楽喫茶の闇の中で小さなライトをつけて読みふけった(?)時代を思いだす。闇の中でのバッハやモーツアルトだった。『試行』という吉本隆明が出していた雑誌などを読んでいた時代だったかな。時代は巡ってくるような気もする。あれから、それほど、演奏家に注意を向けてはいなかった。モーツアルトは好んで聞いてきたが、演奏家の取りつかれたような音色はいいね。「月光」は胸をかきむしる音色!激しい、悲しい満たされない恋心のような音色、愛の飢餓!
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