4/1 LUNA SEAのライブで福岡サンパレスへ。2012年の降臨ツアーでZepp Fukuoka以来約6年振りでした。
LUNA SEAは2010年の再始動から追いかけていて、STORMやTONIGHT、gravityなんかをリアルタイムで僕は通っていた世代だったから、一度解散して、再結成して、子供の頃行けるはずがないと思っていたものを、年月を超えて生で体感できる歓びを与えてくれたバンドでした。
このライブはニューアルバム「LUV」に伴うツアーの福岡公演。実は2daysで両日ともにチケットを確保していたのですが、紆余曲折あって1日目が参加できず2日目のみとなりました。まあ、フィッシュライフのライブが3/30だからもし行ってたら3daysになってたんで、それはそれで大変だったかもね。休みがない。
サンパレスは3Fの後ろから4番目位の列の下手にいました。というのもSLAVEではない僕はオフィシャル先行も申し込みを逃して普通にeplusの先着で購入しました。元々サンパレスでやるようなアーティストは大抵ファンクラブや熱心なファンの方が多くて大半はそこで売り切れます。過去のGacktもしかり。だからかサンパレスは3Fということが多いのですが、今回は過去よりも列が前の方だったので良かったです。実際会場は上から見下ろす形なので視界が良くないですが、それでもDIRで行ったロームシアター京都ほど角度が急ではないので、比較的後方までステージは見ることができました。そういうストレスはありませんでしたね。
開演時刻の16時を10分ほど過ぎて暗転。ただ客席は開演時刻と同時に手拍子が沸き上がりあっという間に会場中に広がりました。誰もがLUNA SEAの登場を待ち望んでいる。その光景にバンドとファンの強固な絆を感じました。
1.The LUV
2.Dejavu
3.G
4.Sweetest Coma Again
5.Thousand Years
6.Miss Moonlight
7.absorb
8.IN SILENCE
9.piece of a broken heart
10.MARIA-Acoustic-
11.Ride the Beat,Ride the Dream~Bass Soro
12.Be Awake
13.STORM
14.BELIEVE
15.ROSIER
16.BLACK AND BLUE
ENCOLE
17.Hold Your Down
18.TONIGHT
19.WISH
愛がテーマという今回のアルバムは初めて聞いた時に凄く人間的な温かみを感じました。INORANが言う所の「ピュアでオーガニック」なカタチがパッケージされていて、A WILLの悲壮感、緊張感、スリリングさを孕んだダークな雰囲気ではなく、その対極にある光のようなイメージでした。さらに加えると自然体。ただ、ラブ=愛と言っても様々で、「アイ」という言葉に愛、哀、逢、相、曖と色んな言葉があるように、正と負、ポジティブさとネガティブさ、その表裏一体さがアルバムには渦巻いているように聞こえました。
実際、この日のライブは「The LUV」というアルバムの中でもプログレかつハードロックなタイトル曲で幕を開け、定番チューン「Dejavu」へ続く激しい展開でした。「人は絶望抱いた数だけそう優しくなれるの」「あなたさえ あなたまで 心を無くした」と刹那な歌詞世界と相まって冒頭からヒリヒリとした緊張感。続けて「G」「Sweetest Coma Again」と重厚なロックをぶつけつつ、「Thousand Years」では一転して抱擁感に満ちた空気を作り出し、「Miss Moonlight」とその聞き手の背中を支えるような言葉が並んだ曲へと続きます。この「G」からのブロックは全部ラブソングになっていて、二人称での「僕」と「君」の歌詞世界、何かを導こうとするメッセージになっていました。
中盤にかけてはバラードセクション。「absorb」「piece of a broken heart」さらにINORANのアコースティックギターとSUGIZOのバイオリン、RYUICHIのボーカルだけというアコースティック形態の「MARIA」と表情を変えながらも「愛」を歌い上げていきます。惜しみないその想いを紡ぐRYUICHIの歌を聞いている中で、このライブのキモ的なセクションだったんじゃないかと感じました。
「LUV」の楽曲がライブの中で如何なく個性を発揮しており、それが過去の曲と交わることで、それまでになかった空気感を作り出していて、ライブで表現する音世界がさらに広がっていました。雰囲気が明るいとか温かいはもちろんですが、根本的にバンドが次のステージに足をかけた事実そのものでした。
さらにクライマックスに向けてライブはうねりをつけていきました。静かな世界から一転して真矢のドラムソロと映像が融合した「Ride the Beat,Ride the Dream」、Jのベースソロへ続き、「SUGIZOがダウンしてなけりゃ、ここが最後の会場になるはずだっただろうが!!」と煽っていました。他のメンバーも全員登場し「Be Awake」「STORM」「BELIEVE」「ROSIER」と立て続けに代表曲のオンパレードで盛り上っていきました。圧巻だったのはラストの「BLACK AND BLUE」でした。 SUGIZOがある映画でロックの衝動を受けた気持ちを曲に落とし込んだというこの曲は、このライブすべてを包括するような圧倒的な音の広がりをもって、会場中を惜しみない愛で包み込み、観客の左右に振りながらの大合唱と相まって、全てが眩い光の中で溶け合っていくような感覚を味わっていました。
アンコールでもメンバーの笑顔にあふれたMCから始まり「Hold Your Down」「TONIGHT」「WISH」と、終始何かを放出するようなエネルギーに溢れんばかりの楽曲を演奏し、その余韻を残したまま終演となりました。
メンバーはありったけのものをステージが投げ、最後の最期までステージに残り深々とお辞儀をして去っていったSUGIZOの姿が、ラストシーンでした。
LUVというアルバムをライブで自分は好きになれるだろうかと危惧していたのですが、そんな心配はなくむしろアルバムの世界により深く入ることが出来ました。間違いなく今のバンドのモードそのものがストレートに音に出たアルバムだと思います。こんな壮大な音楽を奏でられるバンドも殆ど無いだろうし、LUNA SEAがLUNA SEAであるが由縁、アリーナクラスのモンスターバンドのステージ、全てにおいてレベルが違うことをまざまざと見せつけられた夜でした。ありがとう。