~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

司馬遼太郎さんの「梟の城」

2015-12-21 07:21:27 | 小説・本
私(おじさん)の読書日記です。

久しぶりに司馬遼太郎さんの「梟の城」を取り出して読みました。
この「梟の城」は第42回(昭和34年度下半期)直木賞を受賞した司馬遼太郎さんの出世作です。

梟の城 (新潮文庫)

この「梟の城」は忍者の世界を壮烈な戦いと共に人間の心情といった内面の戦いも描いています。

伊賀の生き残りとして伊賀の里を壊滅的な状態にした織田信長の代わりとして豊臣秀吉を暗殺しようとする主人公の伊賀忍者 葛篭重蔵(つづらじゅうぞう)。
忍者の生き方を嫌い、仲間を売って武士として生きようとする風間五平。
対照的な忍者二人と、これまた対照的な”木さる”と”小萩”の二人の女性忍者。

いずれも忍者の立場でありながら、人間らしさに、そして愛に悩む姿が、戦国時代末期を背景に描かれています。


ハラハラドキドキの展開で、一気に読めてしまいます。
でも、今回は楽しみながら一章ごとにゆっくり読みました。

本当に面白いです!
小萩の苦悩も想像がつきますし・・・

物語の最後の方で、司馬遼太郎さんが書きたかったという石川五右衛門の話が出てきます。
それはそれで面白いのですが、さすがに”それはどうかな?”と感じてしまうことは否めませんが。

それより、本当に最後の最後に葛篭重蔵と小萩の話が出てきます。
あっさり語られているので物足りない感じもしますが、”ああ、よかった!”と思いながら読み終えることが出来ます。

司馬遼太郎さんの「梟の城」、読み応えのあるなかなか素敵な小説です。