Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

止まった時間

2010年05月30日 | 東京
 今年も音工場OMORI発表会が、昨日、羽根木公園のプレーパークで無事に開催された。寒い日にもかかわらず満員大盛況。毎年恒例、日本最大(級)のバリ・ガムランフェスタは無事に閉幕。休憩時間なしの3時間以上ぶっ通し、いったい延べ何人出演したのだろう。すでに回数も15回目、最初にあの舞台を観た小学生の子供たちはもう成人しているわけだ。
 今年も、多くの曲に参加させてもらった。講座生でもないし、今はもう講師でもない。しかしたくさんの仲間たちが私を暖かく迎えてくれる。久しぶりに大家族に会う気分。会うたびに家族が増えているような気がする。バリ・ガムランの和、大きく、広がる。
 私は音工場でコンスタントに毎週教える講師としての役目をもう10年も前に終えている。沖縄からでは教えていけないもの。だからなのかもしれないが、私の心の時間は10年前でぴったり止まっている。もちろん、それからだって今まで音工場といっしょにたくさんの活動を行ってきた。でも「講座」の時間は10年前のまま。だから、ここにきて以前教えた講座生に会い、小さな舞台で演奏するとき、まだぼくがあなたたちの「仲間」だった頃の、あの頃の気持ちに戻れるんだ。
 楽しかった時間が終わって、一人で井の頭線にのって帰途に就いたとき、なぜだか急にさびしさがこみあげてきた。そう、ぼくは遠くに行ってしまった転校生なのだもの。ちょっとだけ昔の仲間に会えて、でもぼくはまた自分の住みかへと戻る。そんな私をいつも迎えてくれる皆にぼくは、本当に心から感謝。また来年も会おうね。来年ここにくれば、ぼくは11年前の自分に会えるのだもの。