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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

『時代はかわるーーフォークとゲリラの思想』

2010年05月27日 | 
 「フォークとゲリラの思想」という刺激的なサブタイトルのついた1969年に刊行された本を古書店で買う。出版社は日本社会党の機関紙を出していた社会新報社で、この時点で、本が左派系の内容であることがわかるというもの。
 1969年といえば、まさに大学紛争真盛りのころで、フォーク・ミュージックが、体制批判などと関わっていた時期。フォークは「かくあるべき」という主張が、本全体から漂ってくるような内容である。「フォークはどこへいくのか」という娯楽化しつつあるフォークへの不安も見え隠れし、当時の左派系の人々がフォークミュージックをどのようにとらえていたのか興味深い。
 ところで、この本の巻末に「付 みんなでうたってほしいうた」という二十数頁があり、そこに楽譜付で入っている歌がこれまたすごい。ほとんど当時は放送ではかからなかった岡林信康、中川五郎、高石友也、南大阪べ兵連、東京フォークゲリラなんていう方々が作ったり、歌ったりしたもので、とりわけ放送にはのりにくい歌ばかりで驚きである。ちなみにわが方の愛する高田渡もちょくちょく本に登場する。