Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

羊の話

2010年05月12日 | 那覇、沖縄
 羊の話といえば、まず頭に浮かぶのは村上春樹の『羊をめぐる冒険』。羊と地理的にはぴったりな北海道が舞台で、ドルフィンホテル、羊博士、羊男とかかわる本の内容が次々と蘇ってくる。最初にこの本を読んだとき、なぜ北海道なのに「いるか」なんだろう、と不思議に思ったものだった。
 さて本日の沖縄は、その「いるか」が泳ぐ海に浮かぶ沖縄での羊の話。昨晩、大学に勤める男性四人で、那覇にある北海道出身の方が経営するジンギスカンの店で食事をした。一人は北海道、私は東京、あとの二人は沖縄。なんと沖縄出身の二人とも「羊」を食べるのが昨晩が初めてだといっていた。ヤギを食べるが、羊は食べない沖縄。バリも同じ。考えてみれば羊は毛がモコモコだし、暑い土地には向かない動物だ。
 子どものころ、母がたまに「マトン」を買って来て、野菜と炒めて食べさせてくれた。独特の肉の香りがたまらなく好きだった。昨晩でかけた店の店主によれば、私がマトンを東京で食べていた約40年前は、本土にもマトンがふつうに出回っていて、肉に臭みがあったゆえに高価な肉ではなかったという。それが、ジンギスカンブームが始まってから、マトンやラムは希少な肉になってしまったそうだ。
 ところで、先月だったか東京の実家の最寄の鉄道の駅前にある肉屋に「マトンあります」という張り紙がしてあったことを思い出した。今度、実家に行った時は母にマトンを焼いてもらおうかな。ちょっぴりノスタルジーの香りが漂うだろうな……。