Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

きょうは「参加者」

2008年11月02日 | 大学
 毎年恒例の大学芸術祭が始まる。普通の教員はこうした行事にかかわる場合は管理者側となり、参加者にとっての「嫌われ役」になることが多いが、私の場合は常にガムランの参加者である。学生の祭典に教員が参加するのはどんなものだろう、なんて言ってくる者もいるが、バリではこれが当たり前である。演奏者である以上、教員も学生も関係ない。
 ところで、芸術祭に関わる学生のタイプには二通りある。一つにはとにかく芸術祭が楽しみで、必ず何らかの形で参加するタイプ。このタイプの学生の一部は、普段、一限目の授業に起きられなくても、芸術祭準備には朝早く真っ先に参加する。もう一つのタイプは、芸術祭には全く関わらず、この期間は旅行にでかけるなど、完璧に「秋休み」と勘違いしている輩である。
 教員になった以上、どちらがいいとは一概に言えないし、学生個人の性格だって関係する。私自身、ガムランを演奏するのは好きだが、芸術祭全体を心から楽しんでいるのかと問われると答えにつまる。正直、にぎやかな空間にはうまく溶け込めない。
 実は明日、私は昼はガムラン演奏者として「参加者」になり、夜は、見回り役として「管理者」となる。後者こそ、学生時代、一番「憎たらしい」と思った役柄。せっかく楽しんでいるのに「もう片付けなさい」とか「早く帰りなさい」なんて言う教員は学生の敵だった。敵にはなりたくないので、そんなこと言わせる前にみなさん、テキパキ片付けましょうね。ワイロ、袖の下は一切受け取りません!

花束 (西宮編11)

2008年11月02日 | 
 ガムランの演奏を終えて花束をもらうことなんてまずありません。そりゃ、20年も演奏していれば一度や二度、花束をもらったこともあったと思いますが、記憶にないほど昔のことです。ガムランの奏者には花束より「食い気」だと思われているんでしょうね。
 でもね。食べ物でなくてもいいんですよ。私、花束大好きです。ちなみに今日と明日、芸術祭で演奏するんだけどなあ・・・。

再び渡航準備 (西宮編10)

2008年11月02日 | 
 本番が終了して再び渡航準備。さすがに片付けは早い。演奏終了直後、まだ演奏会が終わっていないうちから太鼓を二つ梱包し、他の楽器もこのように片付け。この日のうちに楽器はまた海を渡ります。今日の演奏を無事に終えたことを楽器に感謝。

TUTUPのはずが・・・(西宮編9)

2008年11月02日 | 
 それぞれミュージシャンは自分の楽譜に自分でわかるようにいろいろな注意書きをするものです。写真の楽譜の書き込みは私のもの。TUTUPはイタリア語の楽語ではなく、インドネシア語の「止める」の意味。ようするにたたいた鍵板の音をこの部分でミュートするように、という自分のための指示です。
 こんなしっかり書き込んで演奏したのに・・・グスン。最初に出てくるこの場所で、私は音を残してしまって、向かい合っている演奏者に止めてもらいました。というよりも、その様子に動揺した私は、あせって右手の掌で鍵盤をおさえました。このとき、私は観客には背を向けていたので見られずにすみましたが、正面の演奏家さんにばっちり私の動揺の姿を見られました。弱みを握られてしまった・・・。

鏡の国 (西宮編8)

2008年11月02日 | 
 ところでぼくらの楽屋、細長くて奥行きが見渡す限りあるんです。すごいでしょう。鏡の国の人がひょっこりやってきてきたので、そんなカノジョの写真を撮影しようとしたら、カノジョがボクを撮影して、添付ファイルで送ってきてくれたのです。向こうの壁がずっとずっと彼方にあるように見えます。なんだか、あのとき、そんな見果てぬ壁まで走っていきたい衝動にかられました。でもカノジョはボクに向かって静かにこう言いました。
「そんな壁まで行ったら、本番までに帰ってこれないどころか、もうこの世界は戻って来れないもの。行ってはだめ。鏡の国には・・・。」
 

図書館?(西宮編7)

2008年11月02日 | 
 なんだか図書館の閲覧室のようです。皆、机に向かって読書か勉強をしているみように見えます。何やってるかって?そりゃ、本番前に楽譜とにらめっこしているんです。でも、もっと前からできてたんじゃない?っていうか、自分もそうでした。この後、演奏者たちは口で旋律を歌いだし、最後には机をたたいてました。なんだかそれをやっているうちに、バスの中でブラス音楽を口で歌っていたファンファーレ・チォカリーアの映画「炎のジプシーブラス」の一番好きな場面を思い出しました。まあ、あの映画の方が百倍格好よかったけどね。

今日はバリだぞ (西宮編6)

2008年11月02日 | 
  リハーサルが終わった後、作曲者とともにいったんホテルのある三ノ宮に戻る。三ノ宮駅について高架下を歩いていたとき、看板を発見!なんと茶房、立体音響「ジャヴァ」。驚いたのは「ジャヴァ」というカタカナ表記。普通日本人は、JAVAという綴りを「ジャワ」とカタカナ表記するするものだが、この看板はマニアックに「ワ」ではなく、「ヴァ」になっている。これにまずは感心。
 次には看板の左隅のデザイン。ジャヴァという店名にぴったりのヤシの木と海。すっきりしていてやさしいデザインである。
 最後に・・・立体音響ってのはなんだろう?これは昔の「4チャンネルステレオ」ってことだろうか?それとも昔はステレオのことをこのように表記したのだろうか。それにしても「立体音響」とは実に絶妙な四字熟語である。
 ちなみに、今日の私の演奏はジャヴァではなくバリである。この看板が「バリ」だったらもっとよかったのにな。まあインドネシアだし、島も隣だし、本番前にいい出会いがあったということで。

リハーサル (西宮編 5)

2008年11月02日 | 
 舞台でのリハーサル。舞台により響きは異なります。またどこに楽器を置くか、どのように置くかだけでも変わるもの。1時間のリハーサルの間でもベストなシチュエーションを探っていきます。
 ヴァイオリンにとって重要なホールの残響も、ガムランにとっては有効であるばかりではありません。ガムランの演奏者同士で奏でる音が聞こえにくいことも多々あるのです。ただ今回のメンバーは、そんなホールごとに異なる状況で右往左往するようなメンバーたちではありません。
 しっかり調整してリハーサル。「本番はまだなんだから、抑えて、抑えて」という心境で演奏中。ちなみに撮影は作曲者によるもの。すみません。お使い立てしまして。

楽屋のお菓子 (西宮編4)

2008年11月02日 | 
 主催者の方が楽屋にお菓子を持ってきて下さいました。楽屋でちょっとつまんだりするのに最適なものばかりです。とても嬉しい心配り。自分が主催するとき、わかっていてもこういう心配りを忘れてしまいます。
 ちなみに、このお菓子と飲み物が入れられていた器、東南アジア、あるいはインドネシアで製作されたかごのようでした。なんだか、これまで心配りだとすれば、もう三重の「はなまる」だと思います。

ユニフォーム (西宮編3)

2008年11月02日 | 
 今回のガムラン演奏者用のユニフォームです。女性はクバヤというインドネシアの伝統的な服のデザイン。男性はクバヤの色に合わせた衣装で、メンバーの一人のデザインです。ちなみに、男性の衣装に縫い付けられているエンジ色のテープを選んだのは、この「わ・た・し」です。いい感じでしょう?
 実は前回10月の舞台で最初に着用しましたが、「やっぱり地味じゃない?」とメンバーにいじめられてちょっといじけてました。いいじゃないですか。考えてもみれば、今回のような厳かなるコンサート会場で、真っ赤なユニフォームを着て演奏するのはちょっと・・・。
 どの服もアイロンがばちっとかかっていて、もういつでも出陣OK。