Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

おみやげについて考える

2007年08月14日 | 
 おみやげは大きくその種類を二つに分類できる。一つはその地域独特の「特産品」である。沖縄でいえば、紅型、琉球漆器、壺屋焼きなどがあるだろう。その一方で、どこにでもあるようなおみやげもまた存在する。たとえばキーホルダー、ストラップ、絵葉書、一昔前はペナントや通行手形などもそうしたお土産ものだった。
 さて奈良や京都といった古都を歩くと、やはり沖縄と同様に、特産品とはいえないようなお土産が、お土産屋の軒先を占領していることに驚く。キャラクターものを登場させるこの種のおみやげは、「琉球リカちゃん」のように、その土地独自の「何か」を一つ用いることで、地域限定の付加価値をつける。リカちゃん人形は、ジャパン・グローバルだが、エイサーの格好をして,パーランクーをたたくリカちゃんは「沖縄限定」である。
 それはそれで地域色がないわけではない。わかりやすいキャラクターであるからこそ、ディープな伝統工芸品よりは、若者のお土産としては的を得ているのかもしれない。しかも、大量生産で値段が安い。地域限定とはいえ、たぶん作られている場所はどれも同じであろう。
 さて京都で私が気になったのは、キャラクターにどんな付加価値をつけて「京都らしさ」を表象しようとしたかである。この写真が語るように「舞妓」、「弁慶」、「牛若丸」、「生八橋」、「新撰組」、「抹茶団子」などなど。確かにどれも京都と無関係ではなさそうだ。しかしこれらを買う若者たちは、弁慶と牛若丸、新撰組については京都との関係を正確に説明できないだろう。「京の五条の橋の上・・・」なんて歌えないだろうし、池田屋といっても、インテリアのIKEAと勘違いするかもしれない。
 しかし、目玉おやじが新撰組の袢纏をきたストラップを携帯につけて、毎日それを眺めながら京都に行ったときのことを思い出すならば、それでいい。お土産をもらった人が、くれた人が京都から買ってきてくれたのだと思いだせるならばそれでいい。