院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

空海と真言密教(2)(インドにおける密教の発生)

2014-02-04 05:46:30 | 歴史
 紀元前3世紀に初めてインド全土を統一したのはアショカ王である。彼は暴君だったとの伝説もあるが、少なくともインド中に仏教を広めた。

 その後、インド北西部のアーリア人がインドに進出してきた。アーリア人はヒンドゥー教をインドに持ち込んだ。カースト制はヒンドゥー教の基本的な前提であり、その貴賤を区別する思想はインドの各地域を支配していた豪族に受け入れられやすく、インドにおける仏教はヒンドゥー教によって撲滅または変容させられた。

 仏教がヒンドゥー教化されたものが密教に他ならない。!!

 アーリア人はコーカソイド(白人の系列)である。彼らはインド原住民(モンゴロイド、黄色人種の系列)を制圧してカーストの最下層に置き、階級制度を固定化させた。

 近現代まで行われている白人による有色人種への抑圧が、すでにこのころに始まっていたとは驚く。中世以来の欧米諸国のアフリカ、南米、アジアでの植民地支配、つい3年前の英仏軍による(カダフィ支配下の)リビア爆撃も同じ構図である。

 余談だが現在、インド人の半数がカーストの最上位バラモンを名乗っている。一方で、不可触といわれる人々が1億2千万人以上いる。不可触はカーストにさえ入らない最下層被差別民である。彼らは強姦されても殺されても、その事実さえ表には出なかった。

 インドは1950年、憲法でカースト制を禁止したが、カースト制をなくすことはイコール、ヒンドゥー教をなくすことで、インド憲法がカースト制については有名無実であることは周知である。

 ところで、古代インドですでにヒンドゥー教化されてしまった仏教が、飛鳥奈良平安時代のわが国から見た仏教である。次回はそれが日本に伝わってからどのように振る舞ったか、その様子を見てみよう。