院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

レゴブロックと箱庭療法

2014-02-20 04:50:12 | 教育
 レゴブロックで遊んだことがある人は、レゴでは曲面や球面が作れない、もし作ろうとすれば大量のブロックを使わなくてはならないことに物足りなさを感じたことがあるだろう。

 ここ10年ほど、レゴの会社(または関連会社の Nintendo?)は直方体のブロックにこだわるのをやめ、顔や手足というパーツを作り出した。これにより、町や村での生活風景をレゴ空間に納めることができるようになった。

(amazon より引用。)

 レゴはこれらのセットを学校教材として売り込もうとしている。子供たちが協力してレゴで町なり森なりを作って、それを iPad で撮影して説明の文字を付けて他の子供たちにプレゼンするのだ。

 これは、なかなかよい教材になると思う。なぜなら、レゴによる風景作りは箱庭療法と同じだからだ。箱庭療法は、人間や車や家や木のミニチュアを大量に用意しておき、それらを子供に箱の中の砂の上に配置させる方法である。

(創元社刊。)

 河合隼雄によって日本に導入されたこの療法は、子供の精神科治療になくてはならないものとなっている。作用機序は分かっていないが、子供の神経症などに効果がある。

 このたびのレゴの試みは、iPad の普及によって箱庭療法の商業化が可能になったとみることができる。箱庭療法が金を産むようになったのだ。いつでもどこでも知恵者はいるものである。