院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ヨーロッパ出身選手の英会話力

2014-02-22 05:32:06 | 文化
毎日新聞・ソチ五輪より引用。)

 このたびのソチ・オリンピックで、ヨーロッパ出身の選手たちがみな流暢な英語を話しているのに驚いた。

 この選手たちが生まれる前の30数年前、私は小さな学会に出席するために旧西ドイツに行った。学会後のレセプションで、われわれ日本人は「極東の国からよくおいでくださった」と歓迎された。小規模な学会だったからこその歓迎だった。ヨーロッパ人同士はドイツ語で、われわれに対しては英語で会話が行われた。英語を話すのは知識人だけで、街の平均的な人々には英語は通じなかった。

 だから、現在のヨーロッパの若い選手たちが、英語がペラペラなのに驚いたのだ。ドイツ語と英語は互いに方言のようなものだから、日本人が英語を学ぶよりはよほど簡単だろうが、それにしてもこの30数年間にこうも変わってしまったのだ。

 学会発表を私はドイツ語で行った。これは先輩が書いてくれたドイツ語原稿をそのまま棒読みにしただけだから、質問があったら困るなぁと思っていた。でも、やはり挙手があった。ままよと聴いていたら、どうも彼は私の発表にかこつけて自論を展開しているらしいと分かった。彼が「演説」を終えたら、私は何も言わずに(言えずに)「ダンケ」とだけ述べて、演壇から降りることができた。

 若かったからこそできた無謀な体験だった。でも、やっておいてよかったと、今にして思う。