院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

あきれた市長

2011-11-28 00:02:07 | Weblog
 市立病院と言えば市長が形式的にはオーナーである。ある時、A市立病院で市長が訓示にくるという。そのため各科の診療部長が集まった。私も他の部長もみんな忙しい中を時間をやりくりした。

 市長なら市立病院で診療部長を集めて訓辞をする権利はあるだろう。市長はなごやかに訓話を始めた。そこまでは、よかった。

 そのうちに市長はこう言ったのである。「みなさん、K療法をやりましょう。K療法はいいですよ」と。みな唖然とした。私はこの市長は莫迦かと思った。莫迦と言って悪ければ、とんでもない勘違い野郎だと思った。

 K療法が悪いというのではない。素人の市長が、錚々たる部長連を前にして、彼らの臨床行為に口を出したから莫迦かと思ったのだ。

 オーナーだからといって、何を言ってもかまわないということはない。この一言で、市長は医者たちの信頼を失った。私のA市立病院在任中に市長は何人か代わったが、訓示に来たのは、この市長だけだった。他の市長と較べても格落ちだったと、未だに思う。