院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

中日新聞社説にPTSD登場

2011-05-19 17:57:29 | Weblog
 今朝の中日新聞愛知県版の社説にPTSDに触れている箇所があった。今後、被災地にうつ病やPTSDが出てくる恐れががあるから、気をつけましょうという主旨だが、こうしてPTSDは単一疾患でないにも関わらず、災害関連疾患として静かに広まっていくのだろう。

 週刊朝日の取材に対して、東京都総合医学研究所の飛鳥井望医師が、PTSDは災害で生じるのは9%で、レイプによる50%より圧倒的に低いと述べて、週刊朝日に冷水を浴びさせたのは良かった。

 この欄で、PTSDは人工的な概念であることを何度も言ってきたけれども、素人さんにはくだくだしいかも知れないので、いっそPTSDは確立した概念としてしまって、飛鳥井医師のように%で答えたほうが良いかもしれない。

 同じ中日新聞に、愛知教育大学の心理学科の先生の意見として、トラウマは恐怖にさらされたときの正常反応である、というのがあった。

 このような意見も、災害とPTSDを結び付けようとする力に抵抗する役割をするだろう。とにかく、なんでもかんでも災害を原因と看做そうとするマスコミはもうっちょっと冷静になってくれ。