【ストーリー】
芸者の小梅は失恋を苦に川へ身投げするが、偶然通りかかった上州一の大親分・大前田英五郎に助けられた。
大前田英五郎は上州絹の織り子を集めるために江戸に来ており、それには八州廻りの高森源次郎や口入屋の三ノ輪屋重兵衛も協力していた。
一方、回復した小梅は芸者をやめたいとおせいに相談してきたので、おせいは小梅に織り子の仕事を紹介する。
しかし英五郎たちの真の目的は女たちを女郎として売り飛ばすことであり、正八が知り合った百姓の茂作からも200両で英五郎の仕置の依頼が入る。
小梅は売られることを拒みついに殺されてしまうが、新次は英五郎が偽物ではないかと疑い、自ら国定忠治に変装し三ノ輪屋の寮に乗り込む。
【知ってるゲスト】
戸浦六宏、御木本伸介、永野達雄
【名シーン】
①このお客さんは?
↑珍しく八ちゃんが台詞ありの目立つ役で登場!
②国定忠治(偽者)vs大前田英五郎(偽者)
別れの挨拶をする新次。
英五郎「親分、どうかお達者で」
新次「お前さんもくれぐれも体に気を付けて」
英五郎「へえ、ありがとうござんす」
英五郎が頭を下げた瞬間、新次は手の甲に隠した櫛を英五郎の首に突きたてる。
↑仁義を切る新次。手の甲に隠した櫛を隠すには最適なポーズ。
③主水殺しシーン
橋の上を歩く高森に主水が声をかける。
主水「高森さん!高森さん!」
高森「なんだ、中村か」
主水「あの~、大前田英五郎ってなぁ偽者だったそうですね」
高森「ああ?」
主水「高森さん、あんたもひょっとしたら偽者じゃねえかな」
高森「なにぃ?」
主水「いや~、本物は娘買いなんてあこぎなことするわけありませんもんねぇ」
高森「中村…それ以上言うなよ。ほら…」
高森は懐から小判を取り出し放り投げる。
高森は小判を拾おうとする主水に斬りかかるが、主水はそれを素早く受け止める。
主水「あたしゃね、偽者が大嫌いでね」
斬り合いが始まる。
高森の攻撃をかわし主水は二度斬り付ける。崩れ落ちる高森。
先ほどの小判をちゃっかり拾って帰る主水。
↑偽物は大嫌いだけど、小判は大好きな主水さん。
④本物?の大前田英五郎登場
正八「とっつあん!どうしたの、その恰好!?」
茂作「正八っあん、改めて名乗らしてもれえやす。
あっしは大前田の英五郎。正真正銘の英五郎にござんす」
正八「またぁ、悪い冗談やめなよ」
茂作「訳あって素性を隠しておりやした。どうか堪忍してやっておくんなせえ」
商売人に仕事を頼むいきさつを話す本物の大前田英五郎。
約束の200両については今持ち合わせがないからと、50両分の駒札だけ残し英五郎は去って行った。
正八は駒札を金に換えようとするが、結局交換できずに発狂して終わり。
↑戸浦さんは様々な役周りが多いゲストの一人。
↑駒札を貰う正八。これは…嫌な予感しかしねぇ(笑)
↑結局、大前田英五郎は本物だったのか、偽者だったのか??
タイトル通り何が本当なのか謎のままで終わり。
【ストーリー】
正八は母親に死なれ伊豆から江戸へ父親探しに来た少年・紺平と知り合う。
一方その頃、おせいや新次と懇意にしていた半玉(芸者の見習い)の静香が、旗本の養子・水島弥之助と心中した。
結果水島家はお取り潰しとなったが、おせいと新次は二人の心中に疑念を抱く。
【知ってるゲスト】
島田順司、田畑猛雄、仁和令子、松田明
【名シーン】
①とんでもないことを言う秀英尼
正八の灯台を訪ねてきた秀英尼が一両差し出す。
秀英尼「お礼を申し上げに参りました」
正八「何ですか、これ?」
秀英尼「紺平さんが先ほど父御(ててご)に引き取られていきました」
正八「父御に引き取られた!?」
秀英尼「名前は申されませんでしたが、色々と面倒かけたと、なんと五両も下さったのです。
ですから正八さんにもお礼をと思いまして」
秀英尼は正八に近づき耳打ちする。
秀英尼「またお金持ちの子供がいたら、さらってくださいね…」
正八「えぇ~っ!?」
秀英尼「シー!いいんですよ、分かっていますから。あなたに御仏のご加護がありますように」
↑なんつー尼さんだ、こいつは!
【感想】
内容がちょっと難しいです。まとめると…
伊豆の鹿ヶ谷は水島家の所領で、そこは温泉が出る。
現在の水島家はみのと養子の弥之助だけ。
みのは武家の暮らしに飽きていたし、しかも札差の越後屋とできていたため、水島家を潰そうと画策(ただし水島家が潰れれば所領は御上に没収される)。
水島家を潰す=弥之助を消すために、みのは色仕掛けで伊平を騙し、弥之助と静香を心中に見せかけて殺害させる。
水島家はお取り潰しになるが所領の没収を避けるため、侍の井本を通じ、鹿ヶ谷が越後屋に払い下げになるように手配する。
井本は邪魔になった伊平と、ついでに父親探しに来た紺平を消す。
ややこしすぎて、今回はあまり面白くありませんでした。
↑静香役の女優さんがちょっぴり綾瀬はるかに似ているなと思いました。
【ストーリー】
南町奉行・榊原は、役人と業者の癒着を防ぐためという名目で再三に渡って役所内の配置換えを行い、その度に問屋筋から冥加金を巻き上げ私腹を肥やしていた。
榊原の配下で筆頭与力の秋月は、これに乗じて廻船問屋・三州屋の身代を乗っ取ろうと画策し、ついに三州屋夫婦を自害に追い込む。
これを恨んだ三州屋の娘・おくみは湯女風呂に身売りして金を作り、新次に仇討ちを依頼する。
【知ってるゲスト】
織本順吉、須賀不二男、宮部昭夫、石川えり子
【名シーン】
①民謡チャンチャカチャン
冒頭の宴会シーンで歌われる歌。
なかなか耳に残る愉快な歌だなぁと思ったら「演歌チャンチャカチャン」という当時けっこうヒットした歌のアレンジみたいで、歌っているご本人も現代パート、江戸パート両方で登場しています。
という具合に今回は正八がしらけ鳥を口ずさんだり、空桶(カラオケ)、御駕籠札(タクシーチケット)など必殺ならではの現代ネタもたくさん登場します。
↑私しっちゃかめっちゃかだ~♪
②新次のモテ設定
おせいの元で稽古を終えたおくみが新次と出くわす。
おくみ「あら、新さん!」
新次「おくみちゃん、今日はもう終わったのかい?」
おくみ「うん。ねえ、新さん、一緒に弁天様行かない?」
新次「ダメダメ、俺忙しいんだ」
おくみ「照れちゃって、ねえ行こうよ」
新次「またこん次にしよう」
おくみ「あたし今が食べごろなんだからさぁ!」
おせい「おくみちゃん!」
おくみ「は~い、じゃあ新さん、今度ね」
おせい「はぁ、もう全く近頃の若い子と来た日にゃもう…末恐ろしい!」
↑この当時の梅宮さんは40歳。
メタボの普通のおっさんにしか見えないが、なぜか若い娘にモテる設定…。
③秀英尼のお金の使い道
正八は募金活動をしている秀英尼に尋ねる。
正八「ねえ、俺前から聞こうと思ってたんだけどさ、この集まった金これ一体何に使うの?」
秀英尼「この収益金は恵まれない人々のためと、私の生活費に充てられます」
正八「なるほど。それじゃさ、あの~食う物と生活の面倒見たら俺にすがってみる気ある?」
ジャ~ン!女の子がドラを打つ。
秀英尼「さようなら」
正八「はい、さようなら…」
↑生活費ってあんた(笑)
④主水、仕事を嫌がる
奉行と与力の殺しに躊躇する主水は金を受け取ろうとしない。
金を受け取ったおせいと新次は帰り道で話し合う。
新次「おい、もしあの八丁堀が…」
おせい「その時は…」
二人の前に正八が現れ、後ろを示す。
後ろに現れた主水の手には一両が…揃った商売人たちは仕置へ向かう。
↑大好きな小判を目の前に、布団をかぶりジャミラ状態になる主水さん。
↑どうせ仕事するんだから、さっさと受け取りなさい!
⑤お奉行の栄転
厠で用を足す奉行の口をふさぎ、主水が言う。
主水「お奉行、オランダへの栄転が決まりました」
主水は奉行を当身で気絶させ、便座を通して正八へ。
正八は奉行を箱に詰めると、それを南蛮船の荷物としてオランダへ送ってしまう。
↑この頃にしては珍しい殺さず罰を与えるパターン。
この後お奉行はどうなったのだろう?