必殺シリーズ 備忘録

主に各回の名シーンまとめ
※『新仕舞人』『仕置屋稼業』をまとめ中!

第14作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第14話「凱風快晴」【最終回】

2016年05月03日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
旅先でお艶は「江戸に戻り父親の北斎を殺してくれ」と書き記したおえいの手紙を受け取る。
偶然にもお艶一行が殺し屋だと知った浪人・赤星に付きまとわれていた一行であったが、とにかく手紙の内容を確かめるべく急ぎ江戸に戻る。
江戸で北斎親子に再会するお艶-その頃、北斎は次々にやってくる絵の催促や借金取りに嫌気が差しており、彼らから逃げ気楽に絵を描く生活に戻るためにお艶に狂言殺人を依頼したのだという。
ほっとしたお艶は北斎親子、版元の梅屋と一芝居打ち、無事北斎の殺害に成功する。
晴れて自由の身になった北斎親子は上方に旅立つが、北斎は道中知り合った役者を描いた時に役者絵に開眼。
江戸に舞い戻った北斎は梅屋の庇護の元で役者絵を描くが、梅屋はそれを「東洲斎写楽」の名で売り出そうとしたため、怒った北斎は梅屋を飛び出す。
実は梅屋は北斎の死後、その絵が高騰することを見越しており、守山藩の重役と結託し北斎の絵を買い占めていたのだ。
北斎を生かしておくことはできない梅屋は、用心棒として雇い入れた赤星に北斎の始末を命じるが、一方で梅屋は赤星の殺害も狙っていた。
それに気付いた赤星は北斎を逃がし、刺客である守山藩の侍たちと戦うが、その頃北斎は夢中になって戦いの絵を描いていた…。
赤星を殺した侍の凶刃はついに逃げ遅れた北斎の身にも及ぶ。

【知ってるゲスト】
清水紘治、西田良

【名シーン】
①凱風快晴

↑「凱風快晴」とはOPのこの絵のことだそうです。
 
②エロじじい北斎
おえい「この歳でまだ女が欲しいんです。自分の娘の布団の中にも潜り込んで来るんですから」
 お艶「まぁ…」
 北斎「女は形が面白れえんだよ、形だ。
    おらぁ六つの歳から絵描いてるが、この歳になってやっと物の形が見えてきたんだ。
    お艶さん、今度お前さんのアレを描く!女はアレの形が一番面白れえんだ、うん!」
 お艶「…」

↑「女性のアレ」と言われて3つほど候補を考え付きましたが、どれなんだろう?
 この助平顔からすると、まさか一番卑猥な観音様のことかもしれない(笑)

③北斎と梅屋

↑些細なことから悪事を見抜く洞察力があった北斎だったのに、梅屋の企みは見抜けなかったのか。

④北斎開眼!
北斎「おい!なんだお前、役者か!?」
歌八「中村歌八と申します。どうぞご贔屓に」
北斎「おお…いい顔だぁ!実に面白い顔だ!」

↑あ、西田良だ。なるほど確かに面白い顔だと思う(笑)
 この人東海道の最終回でも出てたよね、蘭兵衛の正体を暴く役だったかな。
 あの時もだったけど、今回も名を捨てた北斎を元の北斎に戻す重要な役だったりする。
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↑歌八を描いた絵がこちら。
 無知なので知らなかったんだけど、DVDブックレットによると「北斎=写楽」説というのがあって、
 今回のストーリーはそれを引用しているのだそうだ。
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    梅屋は「絵を描きたければ外へ出るな」と北斎に要求する。
おえい「どうする、おとっつあん?」
 北斎「ええい、どうだって構わねえ!俺は絵さえ描けりゃいいんだ!
    俺は北斎の名前を残してえんでえ!」

↑名前を後世に残すことにこだわった北斎。これが悲劇の始まりに。

⑤北斎の最期

↑逃げればいいものを、つい絵描きに夢中になった北斎。

↑最後は女を描くことにこだわった北斎。娘とからくり人たちに看取られてついに最期を迎える。

⑥今回の仕事は?
悪党たちが持っていた「従千住花街眺望ノ不二」の絵…偶然にもその絵が明かりで熱された。
すると、その中で描かれた守山藩出入りの人足たちが赤く染まる。

↑お、赤くなる仕掛けをちゃんと持ってきたんだ。
 でも北斎は守山藩のどんな悪事を知っていたんだろう?

⑦お艶殺しシーン
お艶「富嶽百景殺し旅…刷り納めは梅屋さん、あなたでございましたね…」


⑧ラスト
    再び江戸を立つお艶たち。うさぎは名残惜しそうな様子だ。
 お艶「うさぎ…」
うさぎ「え?」
 お艶「江戸に残りたけりゃ残ってもいいよ」

うさぎ「ううん、あたしお母さんについて行きます…どこまでも!」
    優しく微笑むお艶。
    再び歩き出す一行であったが、突然足が止まる…見上げた家の屋根の上で北斎が絵を描いている!
 お艶「北斎先生!」
 北斎「ああ、また出かけんのか!」
 お艶「先生!あなた昨夜死んだはず…」
 北斎「ええがな、ええがな、生きようが死のうがそんなことはどうでもええがな!ハハハ…!」
    呵々大笑していた北斎の姿はふっと消えてしまう。
 お艶(あれは現でしたか、それとも幻でしたか…
    その後北斎先生の絵は遠くヨーロッパはフランスの絵描き達にも大きな影響を与えたと聞きますが、
    それもまぁ、どうでもええことなのかもしれません)

↑悔いを残した最期に見えたけど、仏になってからはそうでもないようだ。

↑びっくりしたお艶さんも最後は微笑んで終わり。

【感想】
殺されたふりをしようとした北斎先生、本当に殺されてしまうという冗談みたいな最期を遂げます。
物語のもう一人の主役・北斎をメインに持ってきた話は、東海道の最終回と違っていかにも最終回らしくて楽しめました。
でも関係の深かった永寿堂(岡田英次)は一体どうしたんだろう?
全く姿を見せないのはちょっと残念だったかな。
まぁ北斎の言う通り「どうでもええがな!」の一言で全てを終わらせることができるのが、この最終回の強みなんだけどね。

そして「どうでもええがな!」と最後に発言したのは、死んだはずの北斎だったというオチ。
綺麗に言ってしまえばお艶の言うように「現か幻か」となるんだけど、現実的に言ってしまえばあれは幽霊だったのか?
まるで「うらごろし」のようなオチだな…と思ったけど、そっか、この次は「うらごろし」なんだ!
必殺視聴者を霊現象に慣れされるために、わざとこういうオチにしたのかな?と考えてしまうのは僕だけでしょうか^^;
「うらごろし」だと「死んだはずの絵描きが殺しの現場を描いた!」という具合にこれで一話作っちゃいそうですね。

そして主役であるからくり人たちはというと、唐十郎は特に別れを告げることもなく去っていき、お艶の一座も北斎の幻を見てそのまま終わります。
う~ん、やはりからくり人チーム自体は地味な印象のまま終わってしまったなぁという感じはありますね。
話自体は面白かったけど、唐十郎、うさぎ、鈴平にはもう少し特徴が欲しかったなと思います。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第13話「尾州不二見原」

2016年05月02日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
「尾州不二見原」の絵で赤く染まるのは巨大な樽。
その樽の場所には鈴平たちが道中知り合ったおりんという女もおり、彼女曰く、十年ぶりに江戸から戻ってきたらそこにあったはずの自分の村が消えてしまっているという。
村に住んでいた母と恋人・清吉を捜すおりんであったが行方は杳として知れず、おりんはお艶たちを頼って小屋を訪ねる。
そんなお艶一座を町から追い出そうとする町名主・尾張屋。
お艶は尾張屋を怪しみ鈴平に調べさせたところ、尾張屋の醤油樽の中に大量の朝鮮人参が隠されていることを知り、また、山奥の隠れ里で消えた村人たちによって朝鮮人参が栽培されていることを知る。
働かされている村人の中には清吉もおり、唐十郎は隠れ里に向かうとおりんに会いに来るようにと清吉に伝える。
やがて清吉は下山し、ついに再会する二人…だがすでに清吉は変心しており、清吉はおりんを殺すと彼女が二人で暮らそうと思い貯めてきた五十両を奪い取ってしまう。

【知ってるゲスト】
日高久

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑赤く染まる大きな樽、富士山はその向こうに小さく見える。

↑劇中で実際登場する樽。絵よりもさらにでかい!
 よく作ったなぁと思ったけど、よく見ると張りぼて?

②唐十郎とおりん
    母も清吉も見つけられず思い詰めたおりんは入水自殺を図る。
    それを唐十郎が止めに入る。
唐十郎「早まるんじゃねえ!」
おりん「離して!あたしの好きなようにさせてよ!」
唐十郎「死んでみろ!俺が見届けてやる!」
    唐十郎はおりんを突き飛ばす。
唐十郎「さあ、死んでみろ」
おりん「バカ!バカ!人に見られて死ねるか!畜生!」
    死ぬのを諦めるおりん。

↑沖さんは人(警備員)に見られていたのに飛んでしまったんだよね…。
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    一人泣きながら飲んだくれるおりんに酒を注いでやる唐十郎。
おりん「ありがとう」
  
↑こんな色男に命を救われ優しくされたら惚れてしまいそうだけど、それでも清吉への愛を貫くおりん。   
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唐十郎「清吉さんが来るか来ないか、五分と五分だ。
    十年という月日が長すぎなきゃいいがな」
おりん「たとえそうでも会いたいんですよ」
 鈴平「おりんさん、清吉さんが来たよ!」

    笑顔を見せるおりん、唐十郎。

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    清吉はおりんを誘い出すと、彼女を刺し金を奪った。
    逃げ去る清吉と入れ違いに、唐十郎が駆けつける。

おりん「あんたが言った通り、やっぱり十年ってのは長かった…でもどうしてこうみんな変わ…」
唐十郎「…」

↑悪い男と分かっていながら、なぜその愛を貫いたのか…。
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    清吉を仕置すべく現れる唐十郎。
    清吉は抵抗むなしく醤油樽の上に追いつめられる。
 清吉「やめてくれ!頼む、な!これ返すから!頼むよ!」
    怒りの表情を見せる唐十郎は釣竿で清吉を下に落とすと、恨みの一撃で葬り去る。

↑普段冷静な唐十郎の怒り顔も見どころ。

③ラスト
    結局最後まで一言も語ることもなく、樽作りに励む茂作。
    そんな茂作を見て唐十郎がぽつりと呟く。
唐十郎「結局流されて生きるのが一番利口なんですかね…」
 お艶「さあね、あたしには分からない…さあ、行こうかね」    

↑唐十郎を無視するのはまだしも、旧知のおりんまで無視し続けた茂作。
 気がふれていたのか、保身のため黙り続けたのか、最後まで分からず。
 どちらにしろ結果的に茂作は生きながらえることができた
 (途中で出てきた弥助は余計なことを喋ったから消された)。


↑茂作の行動は是か非か?お艶たちは答えを出せないまま旅立つ。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第12話「東海道金谷」

2016年05月01日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
金谷宿に着いたお艶が絵をあぶると本陣の陣旗が赤く染まった。
唐十郎は評判の良い富士見屋総介が主を務める本陣へ、宇蔵は道中奉行・宗方や川越人足の元締・川圧屋と仲が良い佐塚忠五郎が主を務める脇本陣へと、調査のため潜り込む。
ちょうどその頃、おふじという女も金谷宿に来ていた。
以前、おふじと娘・キヌは江戸へ旅をしていたが、ここ金谷でおふじは病にかかってしまったのだ。
医者に診てもらうためには次の島田宿へ行かなければならないが、金谷では川留めの真っ最中。
キヌはおふじを島田宿へ行かせるため、脇本陣の佐塚から十両を借りておふじだけを闇渡しで送り出し、自分は十両の返済のため脇本陣に残ることとした。
ようやく回復したおふじはキヌを迎えに金谷に戻って来たのであったが、なんとキヌは女郎屋に売られ、三日前に首を吊って死んだという。
気力をなくしたおふじは、キヌの供養のため脇本陣で働くことに。
一方、大井川では再び無駄な川留めが行われた結果、闇渡しが横行し、本陣の富士見屋は川圧屋に川留めをやめるように直談判するが、斬り殺されてしまう。
富士見屋は川庄屋、宗方、佐塚ら三人が川留めや闇渡しで金儲けを行っていることを知っていたため口封じに殺されたのだ。
また、おふじも佐塚に手籠めにされそうになり、抵抗したため殺されてしまう。

【知ってるゲスト】
今出川西紀、梅津栄、田口計、松山照夫

【名シーン】
①おふじの渡河シーン

↑男の尻だらけの中、セクハラにも負けず渡河するおふじ。
 こんなところでビビンコ(肩車)とか、役者さんたちも大変そうやなぁ。
 今出川さんは設定上、無表情なんだろうけど、これ多分怖くて緊張してるんだと思う^^;

②今回の仕事は?

↑ちっちゃな旗が赤く染まる。
 北斎先生も闇渡しで大金をとられたのかもしれない。
 
③まさかの宇蔵さん恋愛回
 宇蔵「娘のキヌさんの墓、離れるのはつれえだろう…だがこの宿場、あんたには良くねえぜ」
おふじ「でも…」
 宇蔵「でもなんだい?よっぽど訳ありなことでもあるのかい?
    いやいや…それを聞いてどうのこうのっていう訳じゃねえんだ。
    ただ俺はな、あんたがなんとなく不憫でね…この金谷にどうしてもいたいのかい?」
    ようやく自分の身の上話をするおふじ。
おふじ「私ここは離れられない。
    この桜の木がある限り…この木をキヌだと思って一生側にいてやります。
    春になって花が咲いてまた散って…誰かが見守っていてやらなければ可哀想でしょ?
    …宇蔵さん、ありがとう」

↑お艶も聞き出せなかった身の上話を聞きだした宇蔵。
 親近感から愛情を持ってしまってもしょうがないね。
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宇蔵「おふじさんが危ない!」
お艶「宇蔵さん…佐塚はあんたにやってもらうよ。
   でも分かってるだろうけど、たとえおふじさんを助けたとしても、
   あんたの商売は殺し屋なんだからね…」

   無表情のお艶…宇蔵は苦い表情をしながらもうなずく。

↑何も知らないようで、何でもお見通しのお艶さん。

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宇蔵は脇本陣へ走るが、すでにおふじは死んでいた。
佐塚を始末すると、宇蔵はおふじの目を閉じて、髪をすく。

↑どっちにしろかなわぬ恋ではあったのだが、これはつらい。

④唐十郎殺しシーン
    ふすまの左右から釣竿で攻撃する唐十郎。
    雑魚三匹を斬りきざむと、最後は川庄屋の首に針を突き立てる。
唐十郎「おめえの商売闇渡し、俺のは闇殺し!」

↑ふすまからの攻撃は右→左の繰り返しかと思ったら、フェイントを使ったりする。
 左右からチラチラ現れる沖さんが若干シュールで笑ってしまった(笑)

↑しかもこの決めセリフもちょっとギャグ風の言い回しで面白かった^^;

⑤お艶殺しシーン

↑橋の上の戦闘シーンお艶バージョン(笑) 
 ※参考記事はこちら

⑥ラスト
お艶「そんなにその木が伐りたいのかい?」
鈴平「ええ、どうしても伐ります。先行ってて下さいよ!」

↑出番が少なかったもんだからいらんことをする鈴平…キヌの墓標として残しててやれや。

↑結局断念して皆に合流する鈴平で終わり。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第11話「甲州三坂の水面」

2016年04月27日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
河口湖畔の貧しい村にやってきた一行。
あぶり出しで赤く染まった逆さ富士について村人から情報を集めるが、彼らの口は一様に堅い。
仕方なく湖に潜って調べた鈴平は、湖底に無数の白骨が沈んでいるのを発見する。
一方その頃、村の百姓たちは年貢米の都合に頭を悩ませていた。
百姓の一人・富蔵の家では嫁のおそでの出産が近づいていたが、赤ん坊を産めば食い扶持が一人分増えてしまう…。
庄屋の久兵ヱは古くから伝わる『逆さ富士』のしきたりを持ち出すと、祖母のおもんに『富士に登る』よう言い含める。
『逆さ富士』『富士に登る』…実はそれは口減らしのために老人を湖に沈めることだったのだ。
納得の行かない富蔵は久兵ヱの屋敷を訪ねるが、富蔵はそこで久兵ヱが代官や闇の米商人と結託して、年貢米の横流しを行っていたことを知る。
富蔵は代官に斬られると湖へ打ち捨てられ、翌朝、おもんも自らの意志で湖へ沈んでいった…。
お艶たちは米の帳簿と『逆さ富士』のしきたりが記された帳面を盗み出し、米の横流しが行われていたこと、そして、しきたりが久兵ヱのでっち上げであることを知り、怒りに燃える。

【感想】
かなりハードな話でした。
からくり人の悪党に対する怒りもこれまでになく激しく、特にお艶さんが相当怒っていたところが見所です。
仕置シーンで最後に残った久兵ヱを取り囲むからくり人たち、誰が殺すんだろう?と思ったら、なるほど口減らしされた老人と同じように「富士へ登る」仕置方法にするとは気が付きませんでした。
こういう回を見てると、つくづく剣劇人最終回ってクソだなって思うんですけど、なぜか今回の脚本の人と剣劇人最終回の脚本の人は同じだったりするんですよね。
脚本家の人が全て決めたわけじゃないとは思うんだけど、こんなハードな話の脚本を書いた人が、あんなふざけた内容の話を書いた時の気持ちが知りたいですわ。

【知ってるゲスト】
山本清、永野達雄、佐野アツ子

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑河口湖に映る富士(逆さ富士)の山頂が赤くなる。
 ところでこの絵ってなんで逆さ富士だけ雪化粧してるの?

②おもん婆さんの悲劇
    おそでは子供を堕胎しようと石段を何度も往復する。
    おもんはそれを止めると、おそでにビンタする。
おもん「子を堕ろしちゃなんねえ!そんなことをしたら巳代松が悲しむ!」
おそで「おばあちゃん、見逃して!」
おもん「赤ん坊は神様からの授かりもんだ。いくら暮らしが苦しくとも、産まなきゃバチが当たる!」
おそで「産んだって育ちゃしないもの!それに産めばまた一人食い扶持が増える!」
    号泣するおそで。

↑生まれてくる赤ん坊のため、この時すでに自らを犠牲にする覚悟があったのだろう。
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    年貢米を納められない富蔵を責める久兵ヱ。
久兵ヱ「婆さんはいくつになったね?」
おもん「へぇ、69になりました…」
久兵ヱ「69か…」
    久兵ヱは物も言わずおもんに布施米(最後の晩餐用の米)を差し出す。

↑この女優さんもずっと昔から活動している人なんだって。
 必殺関係では「渡し人」の鳴滝忍(高峰三枝子)と親しかったそうだ(ウィキより)。
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久兵ヱ「村に課せられた石高だけはどうしても納めねばならん。
    そのためには自分たちの食い扶持のことは脇に置いて、まず口減らしをしなきゃいかん。
    それを避けては村が成り立たないのだ。
    これは永遠と続いてきた村の知恵だ、しきたりだ。
    わしだってこんな役回りはつらい。
    だが婆さんが年に食べる分の米を年貢に回してもらえば、この家も村もそれだけ助かるんだ」
おもん「庄屋さん!…」
おそで「おばあちゃん!」
おもん「…喜んで富士に登らせてもらいます…」

↑強い意志で覚悟を決めるおもんだったが…。
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    一人になったおもんは爺さんの位牌を抱き、震えている。
おもん「じっちゃ…!」

↑やはり本当は怖かったおもん。可哀想過ぎて見てられん…。
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巳代松「ばっちゃ、富士のてっぺんに着いた…」
おもん「ありがとう、巳代松…」
    巳代松はおもんを見ることができない。やがておもんは水に飛び込む。
巳代松「ばっちゃ!ばっちゃ!ばっちゃ!!!」

↑最後は笑顔で旅立つ…。

↑お艶も思わず手を合わせる。もう少し早く敵の企みに気付いていればなぁ。

③怒りのからくり人
   からくり人たちは久兵ヱの企みにようやく気付く。
宇蔵「富士に登ろうなんてもっともらしいことぬかしやがって…何が先祖代々のしきたりだ!
   村人たちを騙しやがった卑怯な野郎!もう許せねえ!」
お艶「殺してやる…」
   久兵ヱの屋敷に乗り込むお艶。
   室内に久兵ヱ一味がいることを確認すると、三味線でふすまを乱暴に開く。
お艶「富士に登ってもらいますよ」
   お艶たちは久兵ヱ以外の三人を始末すると、久兵ヱを取り囲む。
   お艶は悲鳴を上げる久兵ヱの目の前に数珠を差し出す。
   場面変わって、唐十郎と久兵ヱを乗せた小舟が『逆さ富士』へ向かう。
   『逆さ富士』へ着くと唐十郎は久兵ヱを釣竿で斬り、湖へ叩き落す。

↑足元の物は蹴っ飛ばすわ、ふすまは乱暴に開けるわ、怒り心頭のお艶さん!

↑殺し屋三人に取り囲まれ、数珠を渡される。
 ここでばっさりやられた方がよっぽど気が楽だろうけど、そうはいかない。

↑キラキラ輝く水面の上での仕置シーン。
 最低最悪の悪党がようやく仕置されて、すっきり!

↑…するわけもなく、悲しい顔のお艶さんでエンド。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第10話「隅田川関屋の里」

2016年04月26日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
「隅田川関屋の里」の絵で赤く染まったのは江戸に向かう三体の騎馬。
道中、お艶たちは絵とは逆に江戸から流山に向かう三体の騎馬を目撃しており、偶然にも彼らと同じ宿になったことから、彼らが「秋月様」という人物を探していることを知る。
しかしこの秋月、実は将軍家の馬の名で、流山に療養に来ていたところを何者かに盗まれため、御召馬預組頭の家臣である三人が必死で探していた次第であった(絵は三人が御召馬預組頭にそのことを知らせるため江戸に向かっていたところを描いたもの)。
しかし、三人は代官・稲取に捕えられると斬って捨てられてしまう…秋月を盗んだのは稲取であり、稲取は勘定奉行・鬼丸と手を組み秋月を盗むことで大目付を失脚させ、その後釜に座ろうと目論んでいたのだ。

【知ってるゲスト】
住吉道博、草薙幸二郎、宮部昭夫、五味龍太郎

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑北斎はこの騎馬を見ただけで、悪事を感じ取り絵を描いたらしい。
 さすがに無理があるので、お艶も「こういう成り行きになることがよく分かったねぇ」と突っ込んでいた。
 おいてけ堀の話なんかもそうなんだけど、北斎は「何を以って見たものを悪事だと感じたのか」がよく分からない時があるね。 

②唐十郎vs鬼丸
   剣の稽古に励む鬼丸。
稲取「御精が出ますなぁ」
鬼丸「いざという時のために体を鍛えておくのじゃ。一日も欠かしたことはない!」

↑毎日稽古に励む武闘派勘定奉行・鬼丸。これは強敵だ…。
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    鬼丸を仕置するため、唐十郎が現れる。
 鬼丸「何者だ?」
唐十郎「白い馬はあんたを出世させてくれなかったよ…」
 鬼丸「誰に頼まれた?」
唐十郎「死んでいった者たちの恨みだ」
    続きは下へ。

↑戦闘開始!抜刀術の使い手の鬼丸!唐十郎も大苦戦か!?

↑…と思ったら、特に見せ場もなく殺される鬼丸。
 まぁ偉そうなことを言う奴に限ってこんなもんだな。
 ていうか鬼丸役の宮部さんはインテリ悪党って感じなので、鍛えたところで弱そうなんだけど…。
 逆に武闘派悪党の五味さんは今回なぜか善人役だったり、配役がちょっと変な回だったかな^^;


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第09話「深川万年橋下」

2016年04月24日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
見る価値なしのでパス。

【知ってるゲスト】
成瀬昌彦

【感想】
「人質賄い」なる仕事の意味がさっぱり分からない。
辰巳一家と雷党の人質として、元武士の関係者から代役を立てることらしいけど、本気で争っている両陣営がこんな意味のない人質交換ごっこをする意味があるの?
まずそこが理解できないから、後ろに繋がるストーリーも全然楽しめませんでした。


↑あ、ナックル星人のおっさんだ。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第08話「甲州犬目峠」

2016年04月24日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
「犬目峠」の絵をあぶると、三人の男(商人二人と百姓一人)が赤く染まる。
北斎は犬目峠へ来た時、絵の中の百姓が深手を負い「黄金屋の奴騙しやがった」と言って息絶えたのを目撃していたのだ。
調べによると、殺された百姓の名は甚五郎、商人は金銀地金問屋・黄金屋とその番頭らしかった。
その頃、犬目峠に程近い湯治場に痘瘡(とうそう。天然痘のこと)の男が潜り込んだ。
その男こそ黄金屋であり、彼は使用不能になった湯治場を買い取り、吹所支配役・守口は湯治場を立入禁止にする。
実は甚五郎は湯治場付近で金鉱石を発見し黄金屋に鑑定を依頼したのだが、黄金屋は甚五郎を殺すとその鉱脈を奪ったのだ。
黄金屋は人を寄せ付けないため仮病を使い、守口と手を組んで金の精錬所を作ろうと目論む。
金山の目付・冬木はこの悪事に気付き金山奉行・神尾へ報告するが、神尾までもが黄金屋と組んでおり、冬木は斬り殺されてしまう。
冬木に協力していた妻の八重も一味に殺され、お艶たちは悪党たちを始末するため動き出す。

【知ってるゲスト】
江幡高志

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑絵は二人×二組。ストーリーに出てくる人は三人なので絵と数が合わない。
 先頭(右端)の人は誰だったんだろう?

②湯治場に現れた迷惑な奴は誰だ!?その1

↑はい、この人でした(笑)お邪魔虫系キャラの彼が特殊メイクで登場!完全に出落ち!

③湯治場に現れた迷惑な奴は誰だ!?その2
    痘瘡に効く湯治場の噂を聞きつけ、立入禁止の湯治場へ親子がやってくる。
うさぎ「おとっつあん!おっかさん!」 
    顔を手拭いで隠した夫婦が湯治場へ入っていく。
 役人「おい、待て!ここには痘瘡の病人がいるんだぞ!」
 お艶「はい…わたくしどももその病にかかりましたもので…」
    お艶たちが顔を見せる…その顔には痘瘡のブツブツが!
    びっくりして役人たちは後ずさる。  

↑湯治場へ潜入するため、黄金屋と同じ作戦を使う二人。
 この二人の鬱陶しさも江幡さんに負けていませんね(笑)

③お艶殺しシーン
    黄金屋の前に顔がきれいになったお艶が現れる。
 お艶「見て頂けましたね、この顔」
黄金屋「お前、いつの間に元通りに…」
 お艶「あなたと同じですよ…」
黄金屋「お前は一体…」
 お艶「甚五郎さんの使いで参りました」
    黄金屋は短刀を持ち襲い掛かるが、あっという間にお艶に捕まって殺される。

↑ブツブツを取って、もち肌に戻ったお艶さん。

↑山田五十鈴さんがでかいのではない、江幡さんがちっちゃいのだ(笑)
 江幡さんのせいで今回は若干ギャグ回のようになってしまったな^^;


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第07話「駿州江尻」

2016年04月22日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
『駿州江尻』の絵で赤く染まったのは、富士から吹き降ろす強風に飛ばされる紙…その紙を拾った親切な二人が不審な死をとげ、また同じ日に船大工が殺されていた。
飛ばされた紙の持ち主はお京、殺された船大工は佐平。
佐平は廻船問屋の清水屋に頼まれて将軍家への献上船の図面を引いていた指折りの船大工で、その佐平の家で女中をしていたのがお京だった。
お京は清水屋の商売敵・駿河屋に雇われた地元のヤクザ・政五郎の手先となって、佐平の図面を盗み出していたのだが、図面を届ける最中に風に飛ばされ、行方不明になった最後の一枚の図面をお京は今も探し歩いていた。
一方、政五郎の周辺では仁助という渡世人が探りを入れていた。
仁助は佐平の息子で、かつてお京と恋仲だったが、ある日一方的にお京に別れを切り出され、仁助はそのまま家出し渡世人となっていたのだ。
父の死を知り戻ってきた仁助は、お京が政五郎の手先となっていたことを知り驚くが、お京には政五郎の命令に従わなければならないとある理由があったのだ…。

【感想】
ちょっとややこしい話だったなぁ。
お京は小さい頃、妹に怪我をさせそのせいで妹の右足は動かなくなってしまった。
長じてお京は仁助と恋仲になるが、妹も仁助が好きなのを知ってしまい、妹への負い目から身を引いた(仁助をふった)。
仁助はふられたショックで家出し、渡世人に。
お京は仁助の父親・佐平の家で女中をしていたが(ここがよく分からん、別れた男の家で普通働き続けるものだろうか?)、妹を人質に取られ仕方なく佐平の図面を盗む(佐平は殺される)。
だけど図面は風で飛ばされ、拾った二人は殺され、一枚は行方不明に(子供が図面を保管していたのもちと強引かな)
地元に戻った仁助は、お京が政五郎の手先になったことを知り乱暴に問いただそうとした…というのが最初の場面なんだろう。

【知ってるゲスト】
今井健二

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑手前の人や背景はものすごく丁寧に描かれているのに、肝心の富士が小学生レベルなのはなぜなのか…。
 これも芸術なのだろうか、絵心がないから分からん^^;

②お艶とお京
    お京は妹・美乃に負い目があることを語る。
 お京「そんな妹が仁助さんのことを好きになって、私どうしても妹を幸せにしてやりたかったんです…」
    号泣するお京に、お艶は図面を渡す。
 お艶「さあ、持ってお行き」
 お京「いいんですか?」
    お艶はうなずくと外へ出ていく。
    場面変わってお艶と唐十郎が話している。
 お艶「お京さんはね、妹のことでずっと負い目をしょいながら生きてきたんだよ。
    その妹が自分と同じ男を好きなったと知って、身を引いたって訳さ」
唐十郎「それで仁助と一緒に江戸に行くのを諦めた…そういう訳なんですかい?」
 お艶「可哀想に…自分の幸せを捨ててまで妹のために…健気じゃないか。
    ねぇ唐十郎さん、お京さんを許してやろうじゃないか」
唐十郎「分かりました」

↑頼み人が悪党という展開は好きじゃないけど、この人の場合はさすがに許せる。

③お京の最期
 お京「仁助さん…お美乃…お美乃を幸せにしてやって…」
 仁助「分かったよ、おいら何も知らなかったよ、勘弁してくれ…約束するぜ!」
 お京「お美乃…姉さんの分まで幸せになんのよ、いいわね…。図面を…」
    お京は図面を口で破こうとするが、破ききることなく力尽きる。
    唐十郎はお京の目を閉じると、図面をビリビリに破く。
唐十郎「お京さん、二度と船は作れねえよ…」

↑知らない女優さんだったけど、影のある演技がとてもよかったです。

↑省略したけど、怒った唐十郎の七人相手の殺陣も見ごたえがありました。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第06話「下目黒」

2016年04月21日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
下目黒の絵で赤く浮かび上がった鷹匠…それは将軍家の鷹を調教しているお鷹組頭・前田であった。
お鷹様の威光を笠に横暴を働く前田に下目黒の村人たちは不満を募らせるが、庄屋の孫兵ヱはそれを必死になだめていた。
村の社(やしろ)の屋根を葺き替えるにはお狩場の萱(かや)が必要であり、お狩場の責任者である前田の機嫌を損ねるわけにはいけないのだ。
前田はさらに裏で村娘たちを騙して女郎屋に売り飛ばし金儲けをしていたが、ある日、女郎屋に売った村娘たちが逃げ出し、その中の一人・おたみは病を得ていたため下目黒近くで命を落としてしまう。
偶然にもおたみの死を看取った兄・友吉はおたみの仇を討とうと前田を狙うが失敗し、山へ逃げ込む。
怒った前田は孫兵ヱの娘であり友吉の恋人でもあるおそでを人質にし、友吉へ下山を要求する。

【知ってるゲスト】
堀田真三、小柳圭子

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑この辺は鷹狩りの名所だったそうだ。

②鈴平さんようやくまとめに登場

↑『声真似』と『耳がいい』という能力だけでは地味過ぎて取り上げにくかった鈴平さん。
 鷹を連れ出すという大仕事でようやく登場です。
 こうやって見るとさすが猛禽類はでかいな…小猫師匠怖くないんだろうか?

③お艶殺しシーン
お艶「鷹匠なら鷹を馴らしてりゃいいものを、人まで馴らそうたってそうはいかないよ!」


④お鷹様の旅立ち
鈴平「明け方には品川の沖だろうさ、あばよ!」

↑お鷹様は空に放たれるのかと思ったら、悪党の死体に乗っかって品川へ(笑)


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第05話「本所立川」

2016年04月20日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
本所立川の絵で赤くなった堀…そこは『おいてけ堀』と呼ばれる河童が出没する恐ろしい場所だった。
お艶たちも河童を目撃するが、実はその正体は『おいてけ堀』の近くの荒れ果てた旗本屋敷を隠れ家にしている子供たちだったのだ。
彼らは孤児で、老盗賊・隼の俊次と共に暮らしていたが、俊次は食料を手に入れるため子供たちを河童に化けさせ、釣り人から魚を盗んでいるのだという。
何か裏があるとにらんだお艶は宇蔵たちに様子を探らせると、果たして彼らには『田舎に家を買い共に暮らす』という夢があり、そのために旗本屋敷の主・神尾と手を結び、両替屋から千両を盗み出そうとしていたのだ。
金を盗んだのは『おいてけ堀』の河童の仕業と見せかける…河童の噂を広めたのも、最初からこれが目的だったのだ。
計画は成功し、俊次と子供たちは千両を手に入れるが…。

【知ってるゲスト】
花沢徳衛、青木義朗、阿藤海

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑河童の出る『おいてけ堀』の話だけど、あまりそれっぽい絵じゃない…。

②戦闘開始~戦闘終了
   俊次の敵討ちのため、子供たちは神尾に襲い掛かろうとするが…。
お艶「およし!あんたたちの手をこんな汚い奴らの血で汚しちゃいけないよ。
   いいかい、後ろを向いて目をおつむり。
   あたしが安来節を一節歌い終わるまで、決して目を開いちゃいけないよ…さあ」
   子供達を落ち着かせると、次に神尾に対して言う。
お艶「さあ、おいてけ!その薄汚い命を…」
神尾「黙れ!斬れ!」
お艶「安来~♪」
   お艶の安来節を合図に戦闘が始まる。結果はからくり人の勝利。
お艶「あらえっさっさ~♪」
   明かりが灯されると、からくり人たちは何事もなかったかのように座っている。   

↑今回からうさぎさんが二代目に。
 二代目の人はクールビューティな感じの女性です。

↑あれだけ騒ぎ暴れて、神尾を殺して10秒も経たないのにこの落ち着き様…。
 今回の話はちょっと無理な展開が多すぎるのがなぁ。

③からくり人と子供達
    俊次を失い子供たちの行く末を案じるお艶たちであったが…。
男の子「でもいいんだ、おいらたち金があるから」
男の子「金がありゃ何でも買えるさ、な!」
子供達「そうだ!そうだ!」
    小判にむらがる子供達。
唐十郎「よせ!!」
 お艶「その金は使っちゃいけないよ…」
女の子「なんで?」
男の子「おいらたちとじいちゃんの金だぞ」
唐十郎「盗んだ金だ」
男の子「だって…だって…おいらたちとじいちゃんが田舎へ行く夢を持って、おいらたち河童の真似までして、
    そのためにじいちゃん死んじまって…だからおいらたちの金だ!」
    自分たちの金だと主張する子供達、だがお艶は首を横に振り続ける。
    場面変わって、唐十郎が一人子供達を諭している。
唐十郎「夢ってのは大切にしなきゃいけねえよ。
    その夢に掛けたはしごが泥のはしごだったら、登ろうとするおめえたちまで汚れちまうんだぜ。
    盗んだ金じゃあ、夢は買えねえんだ。
    悪い奴らの血で汚れた金じゃあ、絶対に夢は買えねえんだぜ…分かったか?
    よし、肩組め…さあ!
    こうやって六人力合わせりゃ何だってできるんだ…夢ってのは銭で買うもんじゃねえ」

↑唐十郎が子供達を諭す様子を見て、お艶も一安心する。

④ラスト
    船で旅に出るからくり人たち。
うさぎ「ねえ、お母さん…あの子供達、この一座に引き取ってやってもよかったんじゃないの?
    身が軽いから踊りを仕込めばきっといい踊り手になれたの思うの」
 宇蔵「うさぎちゃん!」
 お艶「からくり人の手は子供を育てる手じゃないよ…刃物を握る手だからさ…」
 宇蔵「殺しを続ける手だからさ…」    
    しんみりしてしまうからくり人たち。お艶は安来節を歌い始める。
子供達「おいてけー!おいてけー!」
    川岸から子供達が元気に手を振り別れの挨拶をする。
 お艶「あらえっさっさ~!」
    手を振り別れを告げるお艶、からくり人たち。

↑お艶さんの素敵な笑顔で終わり。 


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第04話「神奈川沖浪裏」

2016年04月17日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
鎌倉に滞在していたお艶たちはある晩、魚屋の男衆が殺される現場を目撃する。
彼らは網元・魚辰の男衆で、初ガツオを馬で江戸に運ぶ途中で襲われたのだ。
魚辰では初ガツオを江戸に運んでいた押送船も襲われており、魚辰は商売敵の魚甚を疑うが、魚甚は潔白を主張する。
今回の一件が、魚辰に代わって初ガツオで大儲けした者の仕業ではないかとにらんだお艶は、唐十郎を江戸に調査に向かわせる。
果たして今回の一件は、初ガツオで大儲けをした江戸の大問屋・上総屋の企みであり、上総屋は唐十郎とも旧知の殺し屋三兄弟を使って魚辰の男衆を殺させていたのだ。
しかも、その上総屋もまた、実は唐十郎と因縁のある相手だった。
七年前、上総屋の料亭で板前だった唐十郎には、お静という許嫁がいた。
しかし彼女に横恋慕していた上総屋はお静を犯し、その後も嫌がらせを続け唐十郎とお静に圧力をかけたのだ。
見かねたお静は敢えて上総屋の女となってしまい、その現場を見た唐十郎は刃物沙汰を起こして島流しにされ…現在に至る。
今回、唐十郎がまたも自分の命を狙っていると知った上総屋は唐十郎を捕らえると拷問にかける。
そして今でも上総屋の元にいるお静は、唐十郎の命を助けるよう上総屋に懇願するが…。

【知ってるゲスト】
三浦真弓、御木本伸介、黒部進、谷口完、汐路章、内田昌広

【感想】
今回は唐十郎の過去、特に恋愛面が語られ自分の苦手な女のどろどろした話っぽかったので、個人的にはあまり面白くありませんでした。
沖雅也さん出演作品で言えば、仕置屋の「魔性が見えた」とかも好きじゃなかったなぁ。
なので、敢えて話の中心である唐十郎の過去シーンには触れませんが、適当にまとめます。

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑誰でも知ってるあの絵の青い波が真っ赤に染まります。

②あ、井上昭文だ

↑…と思ったら、汐路章さんという別の俳優さんでした。よく似てるなぁ。
 必殺のゲスト俳優さんたちも視聴しながら勉強中ですが、似ている人けっこういるよね。
 浜田寅彦さんと米倉斉加年さんなんかも似ている。

③くそ弱い殺し屋三兄弟

↑唐十郎と旧知の殺し屋三兄弟…ほとんど抵抗すらせず殺られます。
 おいハヤタよ、あんた下手したら前回の茶坊主(わりと抵抗した)より弱いぞ(笑)


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第03話「駿州片倉茶園ノ不二」

2016年04月16日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
将軍家御飲用の新茶を運ぶお茶壷道中を取り仕切る茶人・千阿弥は大名すら凌ぐ強大な権力を持っていた。
貧しい小島藩は千阿弥に「次の御飲用には、この地の茶を推挙してやる」と持ち掛けられ、三年に渡って金品を貢ぎ続けていた。
その上、家老の玄蕃は苦渋の決断で娘の琴路まで差し出し、彼女はすでに自害してしまっていた。
そして今回の道中で、琴路の姉・雪絵は敵討ちのために千阿弥を襲うが、返り討ちにあう。
面目を潰され家臣たちがいきり立つ中、これほどの屈辱を受けても玄蕃は藩と領民のために千阿弥に手を出すことなく送り出す。
お艶は玄蕃の思いを察し、千阿弥が領内を出るのを待つ。

【知ってるゲスト】
佐藤万理、大木実、高峰佳二

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑真っ赤に染まる茶畑。

②唐十郎殺しシーン

↑いつものように赤手袋を装着!

↑川の岩場で侍三人との闘い!この人も大人数に対応できる殺し屋の一人。

③諸悪の根源・偉そうなお茶壷

↑駕籠に入れられ、まるで大名行列のように運ばれる茶壷。

↑千阿弥一味の仕置が済むと、唐十郎は茶壷を川に蹴り捨てる。

↑偉そうな茶壷を川に捨てて唐十郎もにっこり。

④忍耐の家老・玄蕃
玄蕃「決して千阿弥には手をかけるな。
   渦中の者が千阿弥を斬れば二百の家臣はもちろん、何千という領内の者が路頭に迷うことになる。
   それだけは心に留めておいてくれ」

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    お茶壷道中が何者かに襲われ、千阿弥が死んだとの報を受け取る玄蕃。
 玄蕃「殿、我らが手を下さずとも、必ず千阿弥を討つ者があることを玄蕃は知っておりました。
    片倉屋!娘たちの恨み!」
片倉屋「ご家老!」
    溜まりに溜まった怒りを爆発させた玄蕃は千阿弥と結んでいた片倉屋を斬り捨てる。
    そして自らも腹を切る…。
 殿様「玄蕃…早まったことを!」
 玄蕃「二百の家臣…数千の領民たちへのせめてものお詫び…殿…」
    玄蕃は倒れ落ちる。

↑娘たちの恨みは晴らせても、結局誰も救われない結果に。


⑤ラスト

↑玄蕃がどういう行動をとるか…多分みんなそれを知っている。
 誰も口を開くことなく、陽炎の立つ道を歩く。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第02話「隠田の水車」

2016年04月16日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
江戸の外れ、隠田村にやってきた一行。
そこでは代官、庄屋、和尚が結託し、裕福な商人相手に亀を使った女遊びを催しては大儲けをしていた。
犠牲となる女性たちは、人足頭の金次たちが誘拐してきた旅の娘や村の娘で、彼女たちは遊びの後は女郎屋に叩き売られる運命なのだ。
村の娘・おたねも誘拐され、行方を捜す恋人の亀吉は女郎屋で彼女を発見。
二人は逃げ出そうとするが、金次たちに見つかり心中に見せかけられて殺されてしまう。
代官たちは次の獲物としてうさぎを誘拐したため、お艶たちは救出に向かうおうとするが、「村娘の誘拐は芸人一座の仕業だ」という庄屋のデマを信じた村人たちに小屋を取り囲まれ身動きが取れなくなる。

【知ってるゲスト】
外山高士、堺左千夫、山内八郎

【名シーン】
①今回の仕事は?

↑小さな亀が赤くなる。

②亀に狙われるうさぎさん

↑村娘の10倍の価値があるといううさぎさん。
 これで10倍とか村娘のレベルってどんだけ低いんだ^^;


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 第01話「江戸日本橋」

2016年04月14日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【ストーリー】
浮世絵師・葛飾北斎は芸人一座の舞台見物をしていたが、突然役人が踏み込んでくると芸人たちは捕らえられ、北斎も小屋から締め出されてしまった。
そんな北斎に版元・西村永寿堂与八から仕事の話が入る。
永寿堂は広重の『東海道五十三次』の裏のからくりを知っており、それに倣って富士の殺し旅を描かないかと北斎に持ち掛けたのだ。
北斎は報酬のベロリン(青い絵の具)に釣られその仕事を引き受けると、自身が見てきた数々の悪行を富士の絵と共に描くことになった。
一方、捕らえられた芸人たちこそ、かつて『東海道五十三次殺し旅』を成し遂げたお艶の一座であった。
江戸処払いを命ぜられ、小屋も破壊された一座の前にもまた永寿堂が現れる。
彼は表は版元でありながら、裏では闇の殺し屋の大元締であったのだ。
お艶は永寿堂の依頼である『富嶽百景殺し旅』を引き受け、永寿堂配下の殺し屋・唐十郎も仲間に加わった。
お艶は早速、一枚目の『日本橋』の絵を火であぶると、ある米倉が赤く染まる。
そこは津軽藩御用達・井筒屋の米倉であり、そこではアヘンに関係した事件に巻き込まれ、瞽女が殺されているという。
哀れな瞽女たちの恨みを晴らすため、お艶たちは調査に乗り出す。

【知ってるゲスト】
岡田英次、北村英三、田畑猛雄、青木和代、永野達雄

【名シーン】
①北斎登場
おえい「後ろからぶつくさ押していますのは私のおとっつあん。浮世絵を描かせたら当代随一。
    いいえ、娘の私が言うのも何ですが、古今随一に違いありません-葛飾北斎」

↑広重(緒形さん)とはタイプが全く違う薄汚い爺さん俳優だなぁ。
 …と思ったけど、ウィキによると戦前から活躍していた往年の名俳優さんらしい。
 なるほど、言われてみればこの歯の抜け方とかだた者ではなさそうだ。


②北斎と永寿堂
    広重の東海道五十三次が人気が出たことが気に食わない北斎。
永寿堂「実はね、この風景の中には殺しの匂いがあるのさ」
 北斎「…殺しの?」
永寿堂「ああ、血の匂いがね」
 北斎「この絵のどこにそんなもんがある?」
    永寿堂が絵を火にかざすと、鶴が赤く染まった!
永寿堂「北斎さん、世の中には殺しても飽き足らない悪い奴が法の網の目を逃れてのさばってる」
 北斎「ああ、大勢知ってる…」
永寿堂「どうだね?あの広重に負けずに富嶽百景の中に消してもらいたい悪い奴を描きこんでみちゃあ」
 北斎「あいつ、そんなことしてたのか!?」
永寿堂「富士には殺しがよく似合うと思うがねぇ…」
 北斎「そうか、富士には殺しがよく似合う…か。さあ、ベロリンくれ!」

↑こう見えても許せぬ悪を見抜く眼力は人並み以上の北斎。


③お艶と永寿堂
永寿堂「お艶さん、今度の依頼主はあっしです。
    今度は広重を上回る浮世絵師・葛飾北斎が描いたもの」
 お艶「北斎!」
永寿堂「火にかざせば殺してもらいたい奴が真っ赤な血の色となる趣向も広重の時と同じ。
    引き受けてもらえないかね?」
    しばらく考えたお艶はうなずく。
永寿堂「そうかい、よかった。これで北斎の傑作が出来上がる。
    それからもう一つ…この唐十郎に手伝わせてやってくれないかね?」
 宇蔵「あっしたちだけじゃ不足だとおっしゃるんで!?」
 お艶「なるほど、見届け役ってわけですね」
永寿堂「どう取ってもらっても結構だ。だが、これもなかなか腕が立つんでね」

↑沖さん、相変わらずかっこええのう。


④今回の仕事は?
お艶が日本橋の絵をあぶると、米倉が赤く染まった。

↑津軽藩御用達・井筒屋の米倉。
 この中にはアヘン窟があり、何も知らない瞽女(ごぜ)たちが運び屋に仕立て上げられていた。

⑤宇蔵殺しシーン
    宇蔵は手下を捕まえると頭に魚籠をかぶせて頭蓋骨を粉砕する。
    それを見ていた唐十郎が一言。

唐十郎「すげえ道具だね」
 宇蔵「見世物じゃねえや!」

↑東悦次の頭蓋骨が砕ける!

マジックペンで顔に落書きをされた東悦次。
 魚籠が顔に食い込んで死んだ東悦次。

⑥お艶戦闘開始
   お艶が三味線でいつもの曲を弾いている。
佐吉「ご苦労だったな。その三味線、こっちへよこすんだ」
   無視して弾き続けるお艶。
佐吉「おい、よこすんだ!」
   お艶は手を出して来た佐吉を斬りつける。
佐吉「お前ら~!」
お艶「この音が聞こえなかったのかい?
   中にアヘンが入っていたら、こんな冴えた音は出ないはずだがね」
   ジャジャジャン!と三味線をかき鳴らすお艶。

↑珍しい白塗りじゃない山田五十鈴さん。

⑦ラスト
お艶「毎年来る年老いた瞽女さんで、菊江さんって人に可愛がられてねぇ。
   子供心にあたしも瞽女になりたいってせがんだら、菊江さんあたしを力いっぱい抱きしめて、
   あたしらみたいなつらい悲しい三味線弾きになっちゃいけないよって言ってくれた。
   ばったり来なくなったと思ったら、越後の雪の中で凍えて持ってかれちまったそうだ…」

↑瞽女のおさきの死に涙を見せたお艶さん。
 ラストで語られた瞽女の悲しい運命を思い出してしまったのかもしれない。


第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 作品紹介

2016年04月13日 | 第13作 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅



【OPナレーション】

神や仏がいなさって 
悪を罰して下さると 
小さいときに聞きました
それはやさしい慰めと 
大きくなって知りました
やさしさ頼りに生きてはきたが 
やさしさだけでは生きては行けぬ
早く来てくれ からくり人
(語り:吉田日出子)

【キャスト】
 出雲のお艶:山田五十鈴
 唐十郎:沖雅也

 宇蔵:芦屋雁之助
 鈴平:江戸家小猫
 うさぎ(1話~4話):高橋洋子
 うさぎ(5話~14話):真行寺君枝
葛飾北斎:小沢栄太郎
 おえい:吉田日出子
 

【EDテーマ:夢ん中】

指のつめたさ うなじの細さ
肩のはかなさ まつ毛の長さ
すべて重たい悲しみつれて
ひとりお前は生きている
男もつらいし 女もつらい
男と女はなおつらい
だけど泣くなよ 泣くじゃない
酸いも甘いも 夢ん中
男もつらいし 女もつらい
男と女はなおつらい
だけど泣くなよ 泣くじゃない
酸いも甘いも 夢ん中

(歌:小林旭

【必殺からくり人・富嶽百景殺し旅について
「東海道五十三次殺し旅」の続編です。
登場人物は前作とそのままのお艶、名前だけ変わった宇蔵、新キャラの鈴平と唐十郎。
よく分からないのがうさぎ。
前作の小駒ポジションなんだけど、「名前だけ変わった同じ人」なのか「新キャラ」なのかがよく分からない。
中の人も変わっているし多分後者なんだろうけど、どっちにしても二人(五話で中の人が交代してしまう)合わせても超可愛いかったジュデイ・オングの足元にも及ばないという…。
ストーリーは「東海道五十三次」に比べると暗めで、殺しの実働部隊が三人だけだしジュデイ・オングがいないから華やかさに欠ける感じもあるかな(どんだけジュデイ・オングが好きなんだ)。
これも1クールと短い作品なので、ささっとまとめてみます。