【ストーリー】
ついに最後の目的地・京都へやってきた一行。
お艶たちは三条大橋の絵を取り出すが、絵は二枚あった!
一枚にはいつものようにあぶり出しで赤くなる橋で佇む男、そしてもう一枚は崩れる橋の絵だった。
お艶たちは不審に思いながらも、橋で佇む男を調べる。
彼は目明しの安次という男で、京に上ってくる怪しい人物を見張っていたのだが、裏では検校の地位を貰いに来る座頭を騙しては金を巻き上げている悪党だった。
安次はお艶たちと道中で知り合った佐市と千代の親子に目をつけ、その金を狙う。
【知ってるゲスト】
山田吾一、西田良、外山高士
【名シーン】
①今回の仕事は?
↑京都所司代の安次は、京に上ってくる怪しい人物を見張っている。
重要なそうな仕事をしているわりには、裏で座頭を騙して金を奪うせこい奴だ。
↑もう一枚の絵、崩れる橋。これにはどんな秘密が?
②お艶と小駒
蘭兵衛の心配をする小駒。
お艶「小駒ちゃん…」
小駒「ん?」
お艶「あの人を好きになっちゃだめだよ」
小駒「あの人って誰よ?」
お艶「蘭兵衛さんはあんたには似合わない」
小駒「追われてる人だから?」
お艶「あのお人はね、世の中よりあんまり考えが進み過ぎてるから、追われていなさるんだよ」
小駒「だったらお気の毒じゃない?」
お艶「高野長英さんにはね、許嫁がいなすった。
長い長崎留学の間、じっと国元で待っていた許嫁にどう言いなすったと思う?
悪いが他の男に嫁いでくれ…きっと自分のしている学問が危ない学問だって考えたんだろうね。
あの人優しいけど、心は別のもんに奪われてるお人なんだよ…分かったかい?」
小駒は小さくうなずく。
↑劇中では殺し屋・蘭兵衛なので、蘭学者・高野長英としての顔はほとんど見せない。
だから小駒も好きになっちゃったのかも。
③蘭兵衛、正体がばれる
蘭兵衛「逃げてもらっちゃ困る」
安次「ああ…どっかで見た顔や!」
蘭兵衛「思い出してもらっても困る」
安次「…高野!」
蘭兵衛は安次に斬りつけるが、逃げられてしまう。
↑お艶は広重のせいにしてたけど、ここで正体がばれたから、追われる羽目になったんじゃないの?
④蘭兵衛、顔を焼く
京の町をたくさんの取り手が走り回っている。
蘭兵衛「これはどうやら私を追ってるらしい…私と一緒にいてはみんなが危ない。
ブラ平さん、五十三次一緒に旅をしたよしみだ…私の最後の願いを聞いて下さい」
千代が佐市を呼ぶ声がする。
皆が見守る中、佐市は千代に最後の言葉を残し息絶えた。
ブラ平「どうするんです?」
蘭兵衛「高野長英の顔を変えるしかありませんね…」
ブラ平「顔を?顔を焼くんですか?」
蘭兵衛「それ以外に生き延びる道がなければ、焼くしかないでしょう…。
ブラ平さん、私にはまだまだやらなきゃならないことがいっぱいあるんです」
蘭兵衛の決意を知り、ブラ平はうなずく。
目を閉じる蘭兵衛にブラ平は火を吹き付ける…辺りに蘭兵衛のうめき声が響く。
↑硝酸で顔を焼いたという記録があるそうだ。
⑤お艶、広重の真の目的を暴く
お艶「例えばこの絵…これは幕府へ差し出すのを、うっかりと私にお渡しになったんでしょう?
もしも討幕の軍が西から起きる時は、この三条大橋を落として討幕の軍を防ぐ。
あなたの五十三次の絵、裏の裏にはそうした幕府の防ぎ様が描きこまれているはずですねえ。
広重さん、つまりあなたは幕府の隠密。
蘭兵衛こと高野長英さんに不意の追手もあなたの密告でしょう…」
広重「確かに私は心ならずも幕府の隠密を務めたことはありますが、今は一介の絵描き。
長英さんを密告するなど、そんなことはしておりませんよ、断じて…」
お艶「証拠は?」
広重「証拠?いや、それは残念ながらありません…」
お艶「それじゃあ、仕方がありませんね…」
お艶は広重を殺すべく、バチを持って立ち上がる。
すると広重は筆と紙を取り出し、突然お艶の絵を描き始めた!
広重「お艶さん、一度あなたを描きたかったんですよ。
どうぞ遠慮無くやってください。
ただできれば描き終わるまで、待って頂けるとありがたいんですが」
↑こうやって見ると、山田さんって本当に浮世絵美人みたいな佇まいがありますね。
↑広重の絵描きバカっぷりにお艶も目をぱちくり。
ここで終わったけど、結局広重は助かったのか、殺されたのか…。
⑥千代の壮絶な決意
一行は検校の目録を持った千代と再会する。
小駒「お千代さん!」
ブラ平「貰ったんですね、検校の目録…」
千代「はい…」
小駒「良かったわね!見せて目録!」
千代「どうぞ…」
三人は気付く…千代は視力を失い、目には白い布がまかれていたのだ。
ブラ平「千代さんあんた…」
千代「どうぞ見てやって下さい、検校の目録です」
小駒「お千代さんあんた目…目どうしたの!?」
千代「私、おとっつあんの身代わりになりました…目録には佐市と書いてあるでしょ?」
小駒「ええ…」
千代「男とも女とも書いてないでしょ?」
小駒「ええ…」
千代「年も書いてないでしょ?」
小駒「ええ…」
お艶「じゃあ、あんたこっから江戸まで…」
千代「はい、目が見えないんで危なっかしいけど、待ってる人がたくさんいるんです。
必ずこれを持って帰ります」
↑「ええ…」という小駒の声がどんどん涙声になるのがすごくいい。
蘭兵衛には申し訳ないが、千代が全部美味しいところ持って行っちゃったね。
⑦蘭兵衛、再び逃亡の日々へ
盲目のため、荷車にひかれそうになる千代。
それを助けたのは顔を焼いて容貌が変わってしまった蘭兵衛だった。
↑佐市が死んで打ちひしがれる千代に「生き抜け」と言った蘭兵衛。
彼女が盲目になったのは、ある意味蘭兵衛にも責任がある。
だから、彼女を助けることにしたんだろうな。
正体がばれないように、彼女のボディガードを務めてほしい。
↑塩八や蘭兵衛を思い出しながら、お艶たちもいずこかへ旅立つ。
【感想】
あれ?最終回のわりにあまり面白くなかったぞ…いや、面白くないというか話が雑な感じがしたかな。
例えば、お艶や蘭兵衛がなぜか安次の裏の仕事について知っていたこと(調べたんだろうけど、その辺の説明が一切なし)。
命の危険があるのに佐市たちを寺に行かせてしまったこと(止めなさいよ)。
蘭兵衛の正体がばれて追手がかかったのを広重のせいにしたこと(安次にばれたからじゃないの?)。
蘭兵衛が顔を焼くのは確かに壮絶ではあるけど、目を潰した千代の方がインパクトがあったしなぁ…。
あっさり終わるところが必殺っぽくもあるけど、何か最終回じゃなくて、普通の検校の回といった感じでした。
全体を通してみると面白かったけどね、最終回はもう少し最終回っぽくして欲しかったな。
↑剣劇人のあと続き見よっと。