【ストーリー】
お直の幼馴染・お妙は許嫁の伊助との祝言を来月に控えていたが、伊助と二人で入ったお化け屋敷で行方不明になってしまう。
伊助はお化け屋敷に何らかのからくりがあると奉行所に訴えるが、町方はろくに調べようともしない。
それもそのはず、小屋主の源左衛門は大奥のお局・お藤の方の実兄で、町方は深入りしたくなかったのだ。
しつこく食い下がる伊助であったが、源左衛門の手下たちに痛めつけられて怪我をして寝込んでしまう。
一方その頃、お妙は女郎屋で働かされていた…源左衛門たちはお化け屋敷に来た娘を捕まえては女郎屋に売り飛ばしており、お妙もその被害者となっていたのだ。
事件が公になるのを避けるため、源左衛門はお藤の方に彼女好みの男を提供し、彼女の力で町方を抑え込む念の入れよう。
惣太たちもお妙を探すが手掛かりは掴めず、ついにお妙は首を吊って自害した。
これを知った伊助はお妙の敵討ちのためにお化け屋敷に乗り込むが、返り討ちにあってしまう。
【名シーン】
①化け猫のおとっつあん
↑メイクをしてるけどどこかで見た顔…誰かと思ったら東悦次さんでした。
この人も端役で多数出演してるけど、ちゃんと喋ってるのは初めて聞いたような。
【ストーリー】
ヒモ体質の音松は、女房のお甲と共に美人局をしては金を稼いでいた。
惣太も被害にあってしまい、怒ったお直は音松の家に怒鳴り込みに行くが、そこで二人の夫婦喧嘩を目撃する。
両国のヤクザ・政五郎一家に入ったばかりの音松は上納金を稼ぐために美人局を続けようとするが、それをお甲が嫌がっていたために揉めていたのだ。
お甲に同情したお直はなんとか美人局をやめさせようとするが、うまくいかない。
一方お甲は美人局に失敗し、体を弄ばれた挙句川に放り込まれてしまう。
忍の診療所に運び込まれたお甲はお直に説得され改心し、音松もまたお甲に真面目に働くように説得される。
音松もようやく目を覚まし政五郎に足抜けしたいと伝えるが、政五郎がそれを許すはずもなく二人は殺し合いに見せかけられて始末されてしまう。
現場で二人の亡骸を目撃したお直は「これは何者かによる殺しではないか」と疑い、それを政五郎一家の者に知られてしまった。
政五郎一家はお甲と音松の供養のために精霊流しに出かけたお直をが狙うが、しかしそれを迎え撃つべく渡し人たちも出陣していた。
【感想】
前にも書いたけどこの回から出陣のテーマと殺しのテーマが突然変わります(忍のテーマは変わらず)。
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出陣:今宵の舟出は丑三つ時 → 仕事人出陣(流用)
殺し:冥土へ漕ぎ出す渡し人 → 必殺!(流用)
忍:鎌鼬 → 鎌鼬
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これまでの必殺シリーズでも殺しのテーマが変更されたことはあったし(仕業人)、過去作の流用も多々あった。
仕業人の変更はED「さざなみ」のアレンジ違いだったから個人的には問題なかったし、流用された「仕事人出陣」や「必殺!」が嫌いということもない。
では、渡し人の変更で何がむかつくって「専用BGMがあるのに、途中から流用BGMを使ったこと」これに尽きる!
そしてその理由については、自分が持っている渡し人に関する資料(DVD付属のブックと必殺シリーズサントラ全集のブック)には何も書かれていませんでした(変更されたことには触れている)。
よって自分が考え付く予想としては…
①出陣、殺し、忍のテーマとも「瞬間の愛」のアレンジだから、若干のくどさがあって変えた
②メンバー、内容ともにいまいち必殺らしくないので、必殺らしい雰囲気を出すために変えた
①は自分は気にならなかったので、やっぱ②かなぁ。
確かに自分でも「渡し人」はマイナーな部類に入ると思うけど、「必殺シリーズ」と銘打っている以上、「必殺シリーズ」の一つなんですよ。
なので「渡し人らしさ」で勝負すればよかったのに、BGMが変わってしまってそれも失われてしまった。
逆に新しい「渡し人らしさ」を出すつもりなのか、この回から大吉の殺しシーン(レントゲン)に「イタイイタイ!」という悲鳴の効果音が入り始めるんだけど、これが個人的に大すべり…。
同じような効果として「印玄の突き落としによる悲鳴」があるけど、あれは人によってセリフも違うし好きなんだけどなぁ。
やることなすこと裏目に出始めてて、没落していく「必殺シリーズ」の「終わりの始まり」を見ているような感じになりました。
【名シーン】
①ドリフのサウナコントのような刺青ヤクザ
↑美人局ではめた相手は実は別の組のヤクザ!
ドリフのサウナコントのように見事な刺青を披露。
②気が優しくて力持ち、桃太郎さん
↑嫁に美人局を強要するような男が桃太郎さんだそうです…。
しかも上の刺青ヤクザにも簡単にぶちのめされて、どこが力持ちなんだろうか。
【ストーリー】
秩父から江戸へやって来た二人の家出娘・小春とお梅。
慣れない江戸の街に戸惑う二人であったが、矢切の渡しで弥七という男に声を掛けられ、泊まり宿を世話してもらうことに。
翌日…忍が往診に訪れた出会い茶屋で、若い娘の遺体が見つかった。
忍の見立てによれば、死因はお茶に混ぜられた薬によるショック死であったが、十手持ち・三五郎はろくに検死もせず病死として処理してしまう。
実はその娘こそ、昨夜の家出娘の一人・お梅であった。
川船改役・細川と廻船問屋・大和屋は三五郎や弥七を使い、家出娘を捕まえては薬漬けにし客を取らせて儲けていたが、昨夜は弥七が薬の量を間違えたためにお梅を殺してしまい、それを見た小春に逃げられていたのだ。
小春はお沢に保護されるが、忍の診療所で薬を見てお梅の死に様を思い出して逃亡。
結局小春は弥七に捕まり、薬漬けにされ客を取らされることになった。
思いつめた小春はお沢に渡し料を残し身投げを図るが、それを止めに入った弥七の短刀に刺され命を落とす。
【知ってるゲスト】
上野山功一
【名シーン】
①「冥土へ漕ぎ出す渡し人」が聞ける最後の回ですが…
↑びっくりするくらい普通の内容の回でした。
【ストーリー】
渡し人になったばかりのお沢は最近、何者かに見張られているような気配を感じていた。
大吉や惣太はそれを気のせいだと一蹴するが、そんなお沢を見張る怪しい男が一人…。
一方その頃、玉屋の息子・清七は旅先から珍しい硝石を持ち帰り、鍵屋の娘・おえいと共に喜び合っていた。
だが、恋人同士である二人の若者には将来の不安があった。
玉屋の主・市兵衛はかつて鍵屋の手代であったが、爆発事故を起こしたため鍵屋の主・弥兵衛の怒りを買い、店を追われていたのだ。
この一件以来、両家は不仲になっていたが、実はこの爆発事故は鍵屋の番頭・与吉の仕業だった。
市兵衛を追い出すために爆発事故を仕組んだのも、鍵屋の身代を奪おうとする与吉の計画の一つであったが、今後の計画を実行するにあたり邪魔な人物が一人いた。
その人物とは、かつての爆発事故の仕込みの現場を偶然にも目撃した女・お沢。
与吉はゴロツキの万次を使ってお沢を見張らせていたが、玉屋に出入りするお沢を怪しみ(本当は薬を運んでいただけ)、ついに彼女を誘拐してしまう。
お沢は何も覚えていなかったが口封じのために玉屋に監禁され、計画を焦った与吉は玉屋に放火。
市兵衛と清七は火に飲まれ、清七を求めおえいも炎に包まれる玉屋に入ってしまう。
【知ってるゲスト】
有川博
【名シーン】
①惣太の赤フンドシの秘密
誰かに見られている-お沢は惣太にも相談するが…。
惣太「そんなヤワな神経じゃ裏の稼業は務まらねえ。
怯えが周りに伝わればやがて疑われる。
俺が真昼間、カミさん連中を相手に赤フンちらつかしてヘラヘラしてんのも訳のねえこっちゃねえんだ。
どんなことがあっても、渡し人だと悟られちゃならねえ」
↑なるほど、主水が昼行燈を装っていることと同じなんですね。
あ、彼の場合は素かもしれんが(笑)
②おえい役・森田理恵さん
↑SWの劇場版でレイア姫の声優をしていたそう。
SW好きだけどマニアというわけじゃないので知らんかったです。
【ストーリー】
お沢は失われた記憶の悪夢を見るようになっていた。
お沢は過去の記憶を求めふらふらと外を出歩いていたが、そこを女さらいの悪人たちに連れ去られてしまう。
同じ頃、上方から白不動の大元締が忍を訪ねてきた。
最近江戸でさらわれた女たちが上方で売り飛ばされ、その女たちから多くの殺しの依頼が入っているという。
大元締の依頼を受けた渡し人たちは同心・坂井と口入屋・相模屋がその黒幕と突き止めて彼らを殺すが、その現場を捕まっていたお沢に見られてしまっていた。
お沢は記憶も全て思い出し、白不動の大元締は殺し屋の掟に従いお沢の始末を要求する。
三日間の猶予を申し出た忍は、大元締が仕掛かっている外道渡し人の始末を先に行い、それを引き換えにお沢の助命を願い出ようとする。
必死で外道渡し人を探す大吉は、大元締直属の手下・影の男が怪しいと睨む。
【知ってるゲスト】
御木本伸介、内田勝正、永野辰弥
【名シーン】
①お直の不吉な予感
お直「うち心配やねんもん。あんた…あんたどっか飛んで行きそうな気がして」
↑残念ながらお直の不吉な予感は最終回に現実のものに…。
②逃げ出そうとする大吉
惣太「おう大吉!…どうしたんだよ、その荷物?」
大吉「頼む、見逃してくれ…。この通りだ、見逃してくれ!」
↑渡し人になったばかりなのに、もう掟を破ろうとする大吉。
見た目は捨三とほとんど同じ大吉だけど、捨三に比べるとだいぶレベルが低い。
③お沢、渡し人になる
大元締「思うたより腹が据わっとる。
ここに来てからというものは泣き言は無論、命乞いもせんかった。
これなら務まるやろ…渡し人や!
仲間に入れば、見られたも知られたもないやろ。
けど、肝心なのはあんたの気持ちや」
お沢「どうぞ、仲間に入れて下さいまし」
大元締「これで決まりやな…」
↑悪党だった影の男を殺してお沢を見逃してもらおうとする渡し人たちもどうかと思ったが、
大元締も案外適当な人なのか、この程度の理由でお沢を許してしまう。
【ストーリー】
巷では「夫婦交換会」という集いが密かに流行っており、そこでは夫婦たちがお互いの相方を交換して秘め事を楽しんでいるという。
交換会の常連である大口屋夫婦や百舌屋夫婦は若い参加者を求め、最近夜の生活がうまくいっていない惣太と大吉も会に誘われてしまう。
二人は女房を引き連れ、恐る恐る交換会を見学に行くと、そこには同じく大口屋たちから誘われた担ぎ呉服屋・新之助と、嫌々ながらも参加させられた妻・お縫の姿もあった。
しかし、不能者であった新之助は大口屋夫人たちから「役立たず」と罵られ、怒った新之助は大暴れ…どさくさにまぎれて惣太夫婦と大吉夫婦も逃げ出す。
夫婦関係にひびが入りそうになった両夫婦であったが、忍のとりなしもあり、なんとか仲直り。
一方、新之助夫婦の関係は修復不能となり、怒った新之助はお縫を妾に出すから、千両出せと大口屋たちを脅す。
それを知ったお直や大吉夫婦は新之助夫婦を説得、二人もようやく仲直りし、大口屋たちに縁切りを伝えようとするが、彼らは新之助夫婦の口を封じるべく、事故に見せかけて二人を殺してしまう。
【知ってるゲスト】
田口計、田中弘志、堀内正美
【名シーン】
①夫婦交換会
大口屋「男と女の性の営みというやつはな、絶えずこの新鮮にしておかないとダメなもんなんだよ」
↑なるほど「新鮮さ」ねぇ…でも要するに嫁に飽きたってことでしょ。
こんなことやっても嫁に新鮮さは戻らないと思うが…。
②最近元気のない惣太
大吉は惣太が不能になった理由を尋ねる。
惣太「久しぶりの殺しで気持ちが尖がって張りつめてんのとよ、それをお直に隠すつらさとよ、
それによ、子供を作んのが怖くなってしまってな…夜がダメになりそうよ」
大吉「何で子供作んのが怖えんだよ?」
惣太「バカかお前は!女房に隠してるだけでもつらい仕事だぞ。子供に隠すのはもっとつらい。
隠し切れずにバレてみろ、親も子も地獄だよ」
大吉「そりゃそうだけど、ちょっと考え過ぎじゃねえかなぁ」
↑他の必殺シリーズで議論される「殺し屋が子供を持っていいのか」という問題。
本作でも当然語られます。
③頭がおかしいバカ亭主
夫の商売のため、嫌々交換会に連れていかれたお縫。
が、夫の新之助は不能者扱いされたため、怒って暴れてお縫を連れ出す。
新之助「この淫売!帰ろうって言えばさっさと帰ればいいんだ!
お前はそんなに残っていたかったのか!この淫乱!」
お縫を張り倒す新之助。
お縫「あなた!惨めな思いして商売のために我慢してるのよ!ここで短気を起こしていいの!?
これが無駄になったら、あたしだって惨めじゃない!
怒るくらいならなぜ最初から断ってくれなかったのよ、意気地なし!」
新之助「なにぃ!?意気地なしだとぉ!?」
お縫に殴る蹴るの暴行を加える新之助。
↑のちに仲直りしますが、これだけの暴力を許すお縫もすごい。
ドMなのでしょうか…。
④大吉殺しシーン
↑淫乱おばはん二人を同時に攻撃。
↑同じ物を反転させてるだけながら、レントゲンも一応二人分。
よく見ると一人の時とは内容も違っていて、こっちはそれほど内臓にダメージを与えていない。
【ストーリー】
ある晩、鏡研ぎ職人の惣太は、長屋の大家であり診療所を開業している鳴滝忍が、殺し屋を返り討ちにする現場を目撃する。
その鮮やかな殺し技を見て何かを感じた惣太-。
翌朝、忍の診療所にお沢という若い女がやって来て「子供を堕ろしたい」と告げるが、事情も話さず結局帰ってしまった。
噂によると、お沢は大目付・水野の家に奉公していたが、そこの息子・徳太郎の慰み者にされ、腹に宿してしまったのは徳太郎との子供だったのだ。
お沢は水野と妻・松江からも子供を堕ろすように強く言われ、自ら木に腹を打ち付け堕胎を図るが、痛みで倒れたところを惣太に救助され、再び忍の診療所へ。
お沢は子供を堕ろすか産むか悩むが、そんなお沢を長屋の住人・大吉は母子とも引き受けると言い、大吉の母・お鹿もそれを喜ぶ。
しかし、水野はそれを許さず、息のかかった同心・旗野にお沢とお鹿を捕らえさせると拷問を加えた。
二人は解放されたが、結局お沢は流産し、お鹿も大けがが原因で命を落としてしまった。
怒る大吉は刃物を持って飛び出すが、惣太はそれを必死で止める。
「鏡」の異名を持つ渡し人だった惣太は、大吉より先に悪党たちを始末するため、同じく元渡し人「カマイタチの忍」である忍に協力を依頼する。
その話を立ち聞きしてしまった大吉は「仲間に入れてくれ」と懇願し、忍もまた仕事を引き受けることになった。
こうして結成された渡し人チームは水野一味を始末するため、彼らが花火見物をしている料理屋へと向かう。
【知ってるゲスト】
三崎千恵子、外山高士、五味龍太郎
【名シーン】
①おしゃべりの銀平登場
↑最近悪い噂をたくさん聞きますね…スーパー1が一体何してるんですか…。
②惣太の仕事着・赤フン
↑鏡研ぎ職人の惣太はお客の奥様方の前ではこの格好で仕事をする。
色気を出しながら仕事をする惣太に奥様方は大喜びするが、嫁のお直は不安を覚える。
しかしこの格好にはもう一つの意味があるのだ(答えは四話で)。
③この親にしてこの子あり
お沢は徳太郎に犯され身籠ってしまった。
水野夫婦はお沢を激しく責める。
水野「全くまずいことをしよって!」
松江「本当ですよ。徳太郎はあの通りの世間知らずだから、お沢、お前が気を付けてくれねば」
お沢「そんな…そんなご無理を今になって…」
水野「ええい、泣くな!」
↑あまりのクソ発言に思わず「うわ、ひでえ!」と声に出してしまった。
早く殺されねえかなぁ(笑)
④忍の生い立ち
お沢は意地でも子供を産みたくないと言う。
それを聞き、忍は自分の生い立ちを話し始めた。
忍「実はね、私も堕ろされるはずの子供だったの。
あまり人には話したくない身の上だけど、
長崎へ来たオランダ人の医者と、丸山遊郭のお女郎との間に生まれた子供なの。
父がオランダに帰った後、母のお腹にあたしが宿っていたことが分かったのね。
奉行所は堕ろせと強制しました。
産んではならない禁制の子供だったのよ、あたしは。
母は逃げました、命懸けで。
あたしを産むために命を懸けてくれたのね。
逃げて逃げてあたしを産んで…。
ねぇお沢さん、お腹のややはね、せめて母親には生まれたことを喜んで欲しいのよ…誕生を祝って欲しいのよ」
↑実はハーフだった忍先生。
⑤大吉とお鹿
大吉「暮らしのことが心配なら、俺引き受けるよ。あんたも、あんたの子供も…」
↑朴訥で女が苦手そうだった大吉だったが、お沢を哀れんで嫁に貰うことに。
飾り気はないが優しい言葉だ。
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忍「お沢ちゃんだけじゃなく、あの、お腹のややも一緒に貰ってくださるんですか?」
大吉「頂きますとも!嫁と孫が一緒にできるなんて、あたしゃ本当に幸せ者でございます」
↑お鹿役は三崎千恵子さん。古き良き時代の日本のおばちゃんだ。
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拷問を受けたお鹿は怪我が原因で命を落とす。
大吉「おっかぁ、頼むよ!息してくれよ!おっかぁ!」
↑こんな人のいいおばちゃんに拷問とか何という非道な連中だ!
⑥二人の元渡し人-忍と惣太
大吉に殺しをさせないため、惣太は忍に協力を依頼する。
惣太「カマイタチの忍ねえさんのお力を借りたいんで…ねえさん一人にやらせはしません。俺もやります…」
忍「『鏡』と呼ばれる渡し人がいる…そんな噂は聞いてました。あなたが…」
うなずく惣太。
惣太「やってくれませんか?」
忍「足を洗ったんですよ、あたしは」
惣太「なぜ?」
忍は母親の仇討のために殺し屋の世界に足を踏み入れたことを語った。
忍「母親の死に際に父の形見の医学の本と、護身用の仕掛け指輪を残されて…
哀れな母親の悲しみが身に染みてね」
惣太「その指輪が仕事の道具なんですね」
忍「悪い奴を殺る…その渡し料で父の残した医学を学ぶ。
それが世の中への仕返しのつもりでね。
医者になってからも、渡し料で貧しい人たちの無料診療などしてね。
でもねぇ、人を殺した手で人を治す…それがこの頃とてもつらくってね」
惣太「俺も、お直を嫁に貰った時に足を洗ったんすよ。
人を殺した手でお直を抱くのがつらくてね。
ですからこれは、人を治す務めのその続きと言うか、
しめっくくりの仕事…そう考えてやって貰えませんか?」
⑦忍先生の沐浴
↑出陣前には沐浴して身を清める忍先生。
このシーンは当時ご本人が出演していたCMが元ネタだそう。
ちなみに高峰さんはこの時64歳!
↑忍の武器は水晶の仕掛け指輪。普段は人体模型に取り付けられている。
⑧渡し料とは?
惣太は大吉に渡し料を渡す。
惣太「渡し料さ…どんなわずかでも金は貰う。仕事の重さを背負うためさ」
忍「あたしたちはね、世直しの神様じゃないんですよ。
晴らせぬ恨みを代わって晴らす請け負い仕事…それだけの職人なんですよ」
↑新米渡し人・大吉。
力はあるけど、三話では掟を破って逃げ出そうとするなど弱い一面もある。
⑨大吉殺しシーン
↑「仕留人」の大吉と同じく、相手の体に素手をねじこむ。
↑そして臓物をグシャッ!と潰す。冷静に考えたらものすごくグロい技だ…。
⑩惣太殺しシーン
廊下に出た松江に、惣太は鏡を握らせる。
松江「何です、あなた!」
惣太「どうです、映り具合は?」
松江「何の!?」
惣太「あなたの死に顔のさ…」
惣太は松江の体を反転させると、手鏡の柄から抜き取った針を松江の首に突き刺す。
↑恐怖に歪んだ顔を敵に見せつける。極悪女には相応しい最期だ。
↑針と言っても割と太め。
さすがにこのくらいの太さがないと武器にならないような気がするよね。
⑪忍殺しシーン
↑右手小指にはめた水晶の指輪で相手の首を斬り裂く。
攻撃前には指輪がキラリと光る効果が入る。
⑫ラスト
お沢は命は助かったが、記憶を全てなくしてしまった。
お沢「あたし、何にも覚えてないんです。
自分が誰だか、どんな暮らしをしてたか、なんで先生のところにいたのか…。
そんなあたしを、この大吉さんは本当に貰って下さるのですか?」
忍「ええ、あなたはね、行き倒れていてこの大吉さんに助けられてうちへ来たの。
だから、安心してお世話になりなさい」
大吉「お前が俺のことを嫌じゃなかったら…」
首を横に振るお沢。
喜びに沸く一同でエンド。
【OPナレーション】
昔から悪の栄えたためしはないと
世の例えには言うけれど
どうやらそうではないらしい
山のあなたの国々も 悪が栄えていると言う
分からない事ばかりだが
分かっている事ただ一つ
許せぬ悪を消す事だ
この世とあの世の境の場所に
船を浮かべて待っている
三途の川の渡し人
(語り:佐藤慶)
【キャスト】
鳴滝忍:高峰三枝子
惣太:中村雅俊
大吉:渡辺篤史
お沢:西崎みどり
お直:藤山直美
銀平:高杉俊价
金次:大塚吾郎
【EDテーマ:瞬間(ひととき)の愛】
息を殺して ささやいたのは
二人これきり 逢えないから
あなたののどに 愛を踊らせ
言ってあげよう
初めの二分 終わりの一秒
それが素敵ならばいいじゃないか
不幸という名はもう あなたの辞書にはない
足跡を消してく男の
背中など 追わずにいて…
体中 さまよう心を
今夜だけ 抱いて欲しい…
(歌:中村雅俊)
【必殺渡し人について】
非主水シリーズは必殺の顔である主水が出演しないと言っても、多くが必殺に縁のある人が主役をしています。
それを満たさない作品と言えば「助け人」、「仕舞人」、そしてこの「渡し人」ではないでしょうか。
主水のゲスト回があり3クール放送された「助け人」、TVSPで主水との共演があり続編もある「仕舞人」はそれなりの存在感がありますが、「渡し人」については特筆する点は何もありません。
というわけで「渡し人」は個人的に非主水シリーズの中でも一番マイナーな作品じゃないかと思っています。
ただ、殺しのテーマ「冥土へ漕ぎ出す渡し人」は本当に格好よくて、作品は見たことなくても「必殺!The BEST」の収録BGMの中ではかなりのお気に入りでした。
なので初視聴の時は、「冥土へ漕ぎ出す渡し人」に乗って展開される殺しシーンが楽しみでしたが、第六話からは殺しのBGMが「必殺!」に差し替えられるという信じられない事態が起きます。
これについては六話の感想でたっぷり文句を書くつもりです。
では「渡し人」全13話をまとめてみます。
↑殺し屋チームの一員じゃないのに、なぜかOPに登場するお直さん。
【ストーリー】
黒船の大挙襲来に江戸を離れる者が相次ぐ中、貢は若年寄・松平玄蕃頭の娘に絵を教えていた。
開国派の論客として知られる松平に、日本の将来を担う人物として密かに期待を寄せる貢。
だが松平の本当の姿は貢の期待とは正反対の大悪党で「妾の寮から庶民の家が見えて目障りだ」という理由だけで庶民を立ち退かせ、結託している根岸屋に家を取り壊させていた(表向きは黒船対策)。
そんな中、飾り職人・鶴吉は立ち退き命令を断固拒否して家に居座り続けようとしたので、根岸屋の番頭たちによって阿片を大量に飲まされ殺されてしまう。
この一件が仕事になるか否か話し合う三兄弟であったが、突然貢は「仕事が嫌になった」と言い出す。
小難しいことを言う貢に腹を立てる大吉だったが、主水は貢の考えに一定の理解を示す。
そんな中、おきんが引き取っていた鶴吉の娘・おはつは父親の仇を探すべく根岸屋に行ってしまった。
おはつは仕留人への依頼を残していたが、松平の娘に絵を教えた縁、開国派の松平に寄せる期待など様々な思いを持つ貢はやはり仕事をやめると言う。
翌日、仲間たちから説得され、これを最後の仕事にするということを条件に、貢も仕事に参加。
松平の寮に乗り込んだ仕留人たちであったが、貢の身に悲劇が降り掛かろうとしていた。
【知ってるゲスト】
戸浦六宏、浜村純、武周暢、西崎みどり
【名シーン】
①西崎みどり初登場
↑ED歌手として、出演女優として、必殺シリーズではおなじみ西崎さんが初登場。
②貢の思い
鶴吉の一件が仕事になるか否か話し合う三兄弟。
貢「しかし俺は銭貰っても、今度の仕事は断るぜ」
主水「えっ!?」
貢「近頃何もかも嫌になってきたんだ。もう少し考えてみたい。
俺たち一体何のために生きてるのか。何のために今まで人殺しをしてきたのか」
外に出て行く貢。
主水「おい!」
大吉「けっ!何言ってやがんでぇ!
ちょいとばかり学があるかと思って訳の分からねえこと抜かしやがってよ!
何のために生きる?決まってるじゃねえか、食うためだよ!なぁ!」
主水は小屋を出て貢を追う。
主水「よう、糸井」
貢「すまん…だがな、前から考えていたことなんだ。
なぁ八丁堀、俺たちは今まで何をしてきたんだい。
世の中動いてる。
この川だってオランダやアメリカやイギリスの都・ロンドンのテームズ川にだって繋がってるんだ」
主水「なるほどなぁ…だからどうだってんだ」
貢「だから俺たちは何をしたかって言ってるんだ。
少しでも世の中よくなったか?
俺たちに殺られた奴らにだって、妻や子がいたかもしれないし、好きな奴があったかもしれないんだ」
主水「う~ん…」
↑娘を通じて松平と接点を持ったことが、貢に心の変化をもたらす。
--------------------------------------------------------------------------------
おはつは仕留人へ依頼を残していた。
主水「どうする?やるんだな?…どうなんでい?」
貢「前にも言ったろ?やめる…」
おきん「何だって!?」
貢「この仕事はもうやめだ」
大吉「どうしてだよ!?」
主水「相手が松平玄蕃頭だからか?娘に絵を教えたからか?
なぁ糸井…人にはそれぞれ生き方がある。そりゃまぁそれでいいだろう。
だがな、おめえがこの稼業に足を突っ込んだ時に、どんな腹のくくり方をした?
まぁ俺たちは人間のカスだ。しかしカスはカスなりに生き方がある。
それがこの稼業だと、おめえそう腹に決めなかったのかい。
糸井、この銭は受け取ってもらうぜ。
おめえ今日まで無事に生きてこられたのは、この銭のおかげなんだ。
おめえの体の骨の髄まで、この銭のにおいが染み込んでること忘れんなよ。
おめえ一人が格好つけようとしたってな、傍から見りゃそりゃお笑い種だぜ。えっ?」
貢「そりゃそうかもしれん。
しかしな、今度殺ろうという相手、松平玄蕃頭-
その身辺は確かに清廉潔白であると言いきれんものがあるかもしれん。
しかしな、彼の幕閣における見識、国を開こうとする勇気は今の幕府にとっちゃあ
なくてはならんものなんだ。
その人の一面だけを捉えて糾弾するのは間違ってるとは思わんか?」
大吉「何言ってやがんでい、この野郎!
その松平や根岸屋に殺された鶴吉や、犬みたいに追い立てられた連中の恨みはどう思ってんだ、おめえは!
いつからそんな腰抜けになりやがったんだよ!?」
主水「やめるんならやめるんでいいんだ。
今夜一晩ゆっくり考えてもらうぜ。
もし考えが変わらなかった時は…分かってるな…」
↑書くのも大変な長台詞を長回しで撮影。俳優さんはすごいな。
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一晩経ち、おきんと大吉は貢に返事を聞きに来る。
おきん「あのおはっちゃんは、やっぱり今夜松平の屋敷へ上げられる。
根岸屋はね、あの娘を貢物にするつもりなんだよ。
あの娘だけじゃない、今まで何人もの娘が上げられて…」
大吉「おきん!」
おきん「あの松平の慰み者になってるんだ」
大吉「無駄だ、もうこの野郎は…」
おきん「貢!」
貢は何も答えない。
おきん「…そうかい、行こう!」
おきんと大吉は怒って行ってしまおうとするが、それを貢は呼び止める。
貢「おい、待てよ…俺も行くよ。
だがな、八丁堀に言ってくれ。これが最後だ…最後にさせてもらうってな」
↑仕留人としての役目を果たそうとする貢。だけどその心の中はまだ揺れていた。
③貢斬られる
大吉が根岸屋を始末した物音で、松平が襲撃に気付く。
襲い掛かる松平を倒し、とどめを刺そうとする貢であったが…。
松平「分からんのか!わしを殺せば日本の夜明けが遅れるぞ!」
松平の言葉に思わず動きが止まってしまう貢。
松平「バカ者めがぁ!!」
立ち尽くす貢に、松平の刃が振り下ろされる…。
↑貢の脳内で繰り返される松平の言葉-それが貢の動きを止める。
同じ言葉を投げかけられた時、蘭兵衛さんはどうしただろうか。
↑自分が期待していた松平に斬られる貢。
期待なんかしていなければ、こんなことにはならなかったのに…。
④貢の最期
貢を運び出した仕留人達。
主水「石屋、やるんだ」
大吉「何を?」
主水「何とか生き返らせるんだ!」
大吉「そんな…」
困惑する大吉であったが、意を決して貢の心臓をマッサージする。
しばらくすると心臓が動き始め、貢が目を開けた。
主水「糸井!」
大吉「しっかりするんだ!」
貢「すまなかったな…」
その一言だけ言うと貢は絶命した。
↑深い傷を負い、意識不明の貢。
↑最後の命を使って仲間に謝罪の言葉を残す。
↑主水チーム初の殉職者・貢。
それは主水や仲間たちの心に深い悲しみを残した。
⑤貢の旅立ち
主水たちは貢に別れを告げるため、海にやって来た。
主水「糸井…みじけえ付き合いだったな…」
おきん「八丁堀…」
主水「俺たちもここで別れようぜ…今が潮時なのかもしれん。
糸井がそれを教えてくれたんだ」
大吉「八丁堀…」
主水「さあ、糸井を送ってやろうぜ。
糸井はな、これ(オランダ語の辞書)と一緒に海の向こうへ行きたかったんだ」
主水は辞書を貢の遺体の胸元に入れ、その顔を布で包む。
主水「行って来いよ、海の向こうへな…」
主水たちは貢の遺体を大海原へ放った。
⑥ラスト
主水は日米会談の警護に行くことになった。
先祖伝来の鎧兜を装備させられる主水。
せん「馬子にも衣装と言うけれど、これじゃまるで山賊じゃありませんか」
↑一話で出てきた足軽の鎧をまさか最終回で装備するとは!
↑決める時はものすごく格好良いのに、なんという不細工な顔だろう^^;
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↑降りしきる雪の中、おきんは何処かへ旅立った。
↑引き留める妙心尼を振り切って旅立つ大吉。
↑貢の遺体も海を漂い、旅を続けている。
↑ただ一人残った主水は今日もまた奉行所へ向かう。
【ストーリー】
浪人・筧弾正(だんじょう)は薬代として借りた金の利子が膨らみ、百両もの借金を抱えていた。
貸主である火消しの親分・松五郎は目明しの屑伝を使って弾正に返済を迫り、金が返せなければ娘・おさきを松五郎の妾にすると脅す。
弾正と懇意にしていたおきんは同情し、かどわかしに見せかけておさきを連れ出してしばらく匿うことにした。
おきんの出過ぎた行為に主水たちは注意を促すが、事実、執拗な屑伝はおきんに近づきつつあり、主水までも怪しまれ始める。
おきんたちはおさきをなんとか妙心尼の元に預けるが、その間に弾正は屑伝に捕まり、おさきの居場所を吐かせるために激しい拷問を受けて死んでしまう。
おさきはこれ以上仕留人たちに迷惑をかけることを良しとせず、また父の行方を求めて松五郎の元へ行ってしまった。
おさきが迷惑料として残していった四両を仕留料として受け取った仕留人たちは、松五郎一味を消すため立ち上がる。
【知ってるゲスト】
矢野宣、堺左千夫、天津敏
【名シーン】
①弾正に優しいおきん
↑雨に濡れた弾正のハゲ頭(役者さんのそのままの頭)を拭いてあげるおきん。
時代劇って基本みんなヅラだから、普通のハゲ頭って逆に珍しい。
②仕留人たちの結束
仕留人の四人は屑伝に怪しまれ始めた。
このままでは四人の正体がバレるのも時間の問題だ。
責任を感じたおきんは一人で屑伝を狙おうとするが、仲間たちがそれを止める。
主水「おきん!」
主水はおきんを張り倒す。
主水「手前一人ガタガタしたって始まらねえんだ」
貢「そうだよ、八丁堀の言う通りだ。俺たちはな、始めから一蓮托生なんだ。
降り掛かった火の粉はみんなで消さなきゃならないはずだぜ。
それに相手が屑伝だろうが、松五郎だろうが、鬼の帯刀だろうが、やる時はみんなでやるんだ。
それまではずっと息を殺して待つことだ。相手の出方をな…」
おきんは泣き出すが、主水はおきんを掴み上げて叫ぶ。
主水「泣くな!」
↑最初の頃は揉めることも多かった仕留人たちもここまで結束が強くなった。
次回、突然その結束を乱した貢に不幸が降り掛かる…。
③貢殺しシーン
↑卑猥で卑劣な松五郎を殺す貢。
見ていてこっちの耳がツーン!と痛くなりそうな、貢殺しシーン。
【ストーリー】
賭場へ遊びに行った大吉と貢は、そこで米の仲買・越後屋の女主人・お陽が博打に勝利し百両もの大金を手に入れるのを見かける。
翌朝、河原に打ち上げられた心中死体の生き残りの片割れを見た主水は、女の方がかつて自分が惚れていた女郎のお陽だと気付き驚く。
御定法に従い高札場にて晒し者となったお陽は、主水に助けを求め、事のいきさつを語る-。
女郎だったお陽は越後屋の後妻に入り、主人亡きあとは女将として店を切り盛りしてきたが、昨夜、折り合いの悪い義理の娘・お道が背負い込んだ百両の借金を本日中に返せと、大島屋義平次という男がやって来た。
ちょうど手持ちもなく返済に窮したお陽は一か八かの博打に出て、なんとか百両は準備はできた。
支払いのため待ち合わせ場所の出会い茶屋に行くが、そこで船頭に船に乗せられた後、暴漢に襲われ、気が付いたら河原にいたという。
主水は仲間と協力し、とりあえず船頭を探し始めた。
その頃、越後屋には大島屋が現れてお道に「自分が店の面倒を見る」と告げる。
お道はと言うと、恋人の菊次と夜を過ごして現実逃避していたが、別室から男たちの声が…。
お道はそこで、大島屋、番頭、菊次、船頭たちがグルとなり、越後屋の財産を奪い取ろうとしていることを立ち聞きしてしまう。
【知ってるゲスト】
中村玉緒、桜井浩子、川合伸旺
【名シーン】
①中村玉緒登場
↑これもDVDマガジンに収録されてた回です。
かつて主水と深い仲だったということで、単発ゲストながら印象深いキャラとなっています。
↑義理の娘・お道からも白い目で見られ可哀想。
②主水の昔語り-お陽との思い出
おきん「よう八丁堀」
主水「うん?」
おきん「あの女とはどういう訳があるんだい。昔の女かい?」
主水「うん…ま、そんなとこだな」
主水はお陽との馴れ初めを語り始める。
主水「道場仲間に誘われて、初めて足踏み入れた岡場所で知り合った女でな」
おきん「へ~八丁堀の初めての女かい!」
主水「うん…」
おきん「男でも初めての相手って忘れられないもんかね」
主水「う~ん、なぁ…それからしばらく通い詰めてな…その後がてえへんだ。
こっちは頭に来て大アツアツ」
おきん「むこうは?」
主水「もちろんアツアツさ!」
おきん「嘘つけ!」
主水「まぁまぁ聞けよ~。それから半年ばかり経ってな。
その女の姿が急に見えなくなって、風の噂じゃ米屋の手代と一緒になったって噂を耳にしたんだ」
おきん「やっぱりそうだほら、アツアツじゃなかったんだよ」
主水「うん、まぁな。
今考えてみりゃ、女郎の手練手管だったかもしれねえがな…俺にとっちゃいい思い出なんだ」
おきん「騙されたくせに!フフフ…」
主水「あれからもう十年だ…」
↑夜はお陽が捜索に出かけるので、おきんが身代わりで晒し者に。
↑珍しい主水さんの昔語り。
こういうシーンは名シーンとして残しておかなきゃ。
③お道の最期
お道は悪党の企みを聞いてしまい、刺されてしまう。
心中死体に見せかけるため外に運び出されたところを、貢が救い出すが…。
お陽「しっかりして!」
お道「あたしが悪かったわ…長い間…ごめんなさい、お母さん」
お道は息を引き取る。
お陽「おみっちゃん!おみっちゃん!」
↑義母に対し嫌な娘だったお道も最後は改心。
この二人の関係がもう少し語られたらよかったような気がしました。
④ラスト
↑江戸所払いで再び女郎になったお陽。
↑その頃、主水は暗い部屋で物思いにふけりながら、一人大福を頬張っていた。
↑BGM「晴らして候」がぴったりな、しっとりしたラスト。
【ストーリー】
米問屋・備前屋の主人・大八は、近所でも評判の好人物。
備前屋に出入りするしじみ売りの若者・佐助は、大八の「人間の本当の勇気とは、人様のために何かができるということだ」という言葉を聞き感銘を受ける。
そんなある日、街でチンピラに絡まれてしまった佐助は偶然通りかかった大八に助けを求めるが、大八は見てみぬ振りをして通り過ぎてしまう。
腹を立てた佐助は、大八の店に上がり込むとしじみをぶちまける。
※面白くなかったから、この辺でやめます。
【知ってるゲスト】
潮建志
【名シーン】
①この人(虎松)知ってる人なのに思い出せねぇ…
↑このでっかい鼻…絶対知ってる人なんだけどなぁ…。※正解は③で
②クソガキにて候
↑今回のメインゲスト(被害者)の佐助。
劇中、多くのドキュン行為を働きましたので同情できません。
ドキュンが被害者の回ということで、面白くありませんでした。
③30分くらいたってやっと分かった!
↑かぶりものしてないからさっぱり分からんかったけど、暗闇大使閣下でした。
なぜ有名な地獄大使じゃなくて、暗闇大使かって?
だって、この番組「暗闇仕留人」だからさ!
【ストーリー】
呉服屋の手代・佐吉が、与力・原一家殺しの下手人として奉行所に捕まった。
佐吉の無実を明かすため、妹・おそのは大吉に証人になってくれるよう頼む。
事件当夜、確かに大吉は夜道で佐吉とすれ違い、肩をぶつけていたのだ。
しかし、その時女衒を仕留めた帰りだった大吉は、怪しまれないためにも人違いだと突っぱねるしかない。
諦めきれないおそのは伊三次というもう一人の証人の男に体まで売って証言を頼むが、なぜか伊三次は自害に見せかけられ殺されてしまう。
この一件には邪魔な原を殺し、佐吉を下手人に仕立て上げようとする与力・間宮と海産物問屋の湊屋が絡んでいるようだ。
おそのは新たな証人・直次郎と共にお白洲の場で佐吉の無実を証明しようとするが、実は直次郎は間宮が送り込んだ偽の証人…。
直次郎はお白洲に来ると嘘八百を並べ立て、おそのまで投獄されてしまった。
おそのを助けるため、ついに佐吉は罪を認め打ち首に…偶然にも大吉たちの正体を知ったおそのは、悪党たちの始末を依頼する。
【知ってるゲスト】
大谷直子、小坂一也、石山律雄、西山嘉孝
【名シーン】
①変わってしまった貢
おそのの力になりたい大吉であったが、貢は突き放した態度を取る。
大吉「はぁ~冷てえ男だな、おめえも」
貢「ああ、冷てえさ。冷えてなきゃこんな稼業できやしねえんだよ!
お前さんだって分かってるはずだぜ?
俺たちにはな、人助けなんかできやしねえんだよ。
そんなこと考えるのは、それこそ身の程知らずってやつだ!」
↑あやが死んでやさぐれたのか、言葉使いも悪くなってきたなぁ。
②石山律雄さん得意の善人のふり
直次郎「おそのさん、佐吉さんは無実なんです。
何もやっていない人がもう三月も暗くてじめじめした牢の中で助けもなく苦しんでいる…。
こんなバカなことがあってたまりますか…私は我慢できない!おそのさん…」
おその「はい…」
直次郎「私は命なんか惜しくありませんよ。
いや、正しいものが負けるはずがないじゃありませんか」
見つめあい、手を握るおそのと直次郎。
同席していた大吉は居場所がなくなり、すごすごと退席する。
直次郎「おそのさん…」
おその「直次郎さん…」
おそのは直次郎の胸に抱かれる。
↑突然証人として登場した直次郎。
正義感溢れる善人で、おそのの気持ちも早速掴むが…。
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直次郎は佐吉と会ったと証言するが、間宮はその嘘を暴く(全て悪党たちの台本通り)。
直次郎「申し訳ございません!」
間宮「何と申す!」
直次郎「全部…でたらめでございます!本当はこの夏から佐吉さんには会っていませんのです」
間宮「世迷い者!」
直次郎「ははっ…悪いのはわたくしではございません、ここにいるおそのです。
おそのさん、何か言ったらどうなんだ!?
何もかもおそのが企んだことでございます!」
おその「何を言うの、直次郎さん!」
直次郎「恐ろしい女だ…体で私を誘惑しておいて、根も葉もないことをお白洲で言うのは嫌だと言うと、
やれ家に火を付ける、人殺しをした男を何人も知っていると、
それこそ夜叉のような顔で私を脅かすんでございます」
佐吉「嘘だ!妹はそんな女じゃない!」
↑予想通り悪党だった直次郎。
石山さんのわざとらしいほどの変わり身演技が面白くて大爆笑しました^^
【ストーリー】
石の買い付けのため秩父に出かけた大吉は、山中でとある老人に江戸まで送って欲しいと頼まれる。
老人は材木問屋・檜屋のご隠居・喜三郎で、二年前にこの付近でさらわれた娘・ちよを探しに来て、幸いにも逃げ出してきた千代と今しがた出会ったところだったのだ。
大吉のボディガードもあって無事江戸に戻った喜三郎とちよを、喜三郎の跡を継ぎ檜屋の主人となった儀助(喜三郎の義弟)が温かく出迎える。
ちよの話によれば、二年前彼女と婿養子(檜屋の跡取りになるはずだった人)は秩父へ仕事へ出かけたが、山中で熊蔵率いるならず者グループに襲われ、婿養子は殺害され、ちよは熊蔵の女にされてしまったという。
そこで婿養子との間にできた子供を産み、今回スキを見て逃げ出したのだが、執念深い熊蔵の追跡をちよは怖れる。
そして遂に檜屋に現れた熊蔵はちよに山に戻れと告げるが、なぜか儀助は彼と接触を試みていた-。
実は儀助は檜屋の跡を継ぐため、ちよと婿養子の殺害を熊蔵に依頼したのだが、熊蔵がちよを殺さずさらったため、今回の事態を引き起こしたのだ。
熊蔵に脅されたちよは家族に迷惑が及ぶことを恐れ、ただ一人、熊蔵の元へ戻ろうと決意する。
その一方で、喜三郎から依頼を受けた仕留人たちも仕事に取り掛かり、貢は儀助の元へ向かい、大吉はちよを追って凶悪な熊蔵が待ちうける山小屋へ向かう。
【知ってるゲスト】
柳生博、西田良、大橋壮多
【感想】
大吉の心臓握りが不発!なんと、敵の心臓は左右逆についていた!…という回です。
仕留人を見ていた覚えはないんだけど、必殺シリーズを再放送で見ていた学生時代に、このシーンについて翌日必殺仲間の友達と語り合ったことだけは覚えています。
ということは仕留人も見ていたんでしょうね、個人的にそういう懐かしさも感じられる回でした。
【名シーン】
①なりませぬ大激怒
檜屋一家の不幸を知った妙心尼は怒り、大吉に詰め寄る。
妙心尼「こちの人、何を考えておいでです?
人が殺され死ぬほどの苦しみを受けているのに、助けてあげることができない。
そんなこと許されていいんですか?」
大吉「それは、しょうがねえじゃねえかよ…」
妙心尼「こちの人のご返事はそれですか…なんと情けない!大の男がごろごろするだけで!
はぁ~じれったい!あたくしが男に生まれていたら、あんな悪党生かしておきません!」
走り去る妙心尼。
大吉が家に入ると、それを中で聞いていた二人の義兄弟も驚いている様子。
主水「おい、仏に仕える身にしちゃ少々乱暴な言葉だったな」
↑温厚ななりませぬも熊蔵の悪行にカンカンに怒り、主水もびっくり。
でも安心しろ、もう仕留人たちのやる気は十分だ。
②大吉殺しシーン
大吉は熊蔵の心臓を握ろうと左胸に腕を突っ込むが、あるはずの心臓がない??
驚く大吉に対し、激しく抵抗してくる熊蔵。大吉は一旦小屋に隠れる。
大吉「ひょっとすると、奴の心の臓は右に…?」
再び激しい戦いが開始され、大吉は絞殺されそうになるが、なんとか右胸に腕を突っ込む。
ようやく見つけた心臓を握って停止させると、熊蔵は白目をむいて息絶える。
↑左胸にあるはずの心臓がない。
内臓逆位といってこういうのは実際稀にあるそうです。
↑なんとなく敵の正体に気付いた大吉。
↑首を絞められ大ピンチに陥るものの、必殺技で右胸を狙う。
↑やはり、右にあったようです(笑)
↑慣れない左腕を使ったせいか、ちょっと疲れた様子の大吉。
ちよさんを無事守れてよかった。
【ストーリー】
浮世絵の版元・雅泉堂は、絵師・歌川秋水に若い女の浮世絵を描かせていた。
秋水は凌辱絵のモデルの女を追い込み過ぎて自害させてしまったり、美人画のモデルの女に手を付けて妊娠させたり…多くの女がその犠牲となっていた。
凌辱の限りを尽くされたおしげは妙心寺に乳飲み子を預け首を吊ったので、池に遺体を放り込まれた。
おそでは秋水の子供を産もうとしたため殺された挙句、その罪は大工の留吉になすりつけられ、留吉は打首にされた。
雅泉堂や秋水の悪事を偶然知ってしまった夜鷹のおらんは、雅泉堂を強請るが彼女もまた消されてしまう。
雅泉堂のバックには北町奉行・井戸対馬守もおり、止まる所を知らない彼らは次の獲物として留吉の妹・おなみも連れ去ってしまった。
仕留人たちはおなみを救い、奉行を含む悪党たちを始末できるか。
【知ってるゲスト】
藤岡重慶、今井健二、外山高士、志賀勝、綿引洪
【名シーン】
①ゴッドファーザー主水
妙心尼「考えてやってください。この子にふさわしい、いい名前を」
主水「いやぁ、ふさわしいと言っても、海のものとも山のものとも分かりませんからなぁ。
妙心殿が育てられるんでしょ?
いやそれならば、妙吉とか妙太郎とか…。
ま、そこんとこは適当に付けとけゃいいじゃありませんか…では、行ってまいります」
悲しそうな顔をする妙心尼。
りつ「まぁ、不真面目な!」
せん「自分が種なしかぼちゃなもんだから、赤ん坊を目の敵にして」
妙心尼「まぁ、種なしかぼちゃですって!アハハ…!」
渋い顔をするせんりつ。
↑この赤ちゃん、この後出てこないけど、どうなったんだろう?
②悪役大集合
↑悪役のツーショット。お二人とも素晴らしい悪人面…額に入れて飾っておきたい(笑)
↑チンピラ役の志賀勝さんも好きです。