【ストーリー】
四年前の京都…仕置人であったおせいと新次夫婦は、少女を弄び人に売りつけていた公家侍・松原伊織を仕置しようとするが、誤って別の男を殺してしまう。
松原伊織には逃げられ、以後、二人は離縁し仕事からも足を洗ってしまったが、この件は二人にとって未だにトラウマとなっていた。
その頃、芸者の菊丸が乳飲み子を残し行方不明になる。
主水たちが調べたところ、菊丸は世間で善人と名高い上総屋利平ヱの囲われ者になっていたが、やがてその菊丸の水死体があがる。
主水はおせいたちの制止も聞かず、上総屋利平ヱを疑い彼を仕置しようと動き出すが、実は菊丸を殺したのは菊丸の夫である佐久良平馬であったのだ。
佐久良は若い女を食い物にしては仕官のために人に売り飛ばす悪党だったが、彼は四年前は京都にいたという。
佐久良の正体が松原伊織だと気付く仕置人たち…おせいと新次は、松原だけは自分たちが始末したいと申し出る。
【知ってるゲスト】
中条きよし、西田良
【名シーン】
①おせいの悪夢
京の町でおせいと新次は一人の侍を仕置する。
侍「俺は違う!松原伊織ではない!人違いだ…人違いだ…人違いだ…」
悪夢から目覚めるおせい。
新次「また見たのかい?例の夢を」
おせい「何か言ったかい!?」
新次「いや…」
おせい「京都の空が血の色みたいに真っ赤だった…」
新次「昔のことは忘れろ」
おせい「でも…たった一度の間違いが…あの間違いさえなきゃ…」
↑二人が仕置人を辞めるきっかけとなった事件。
特におせいさんにとっては相当のトラウマのようです。
②中条さん、必殺シリーズ初登場
↑お、三味線屋の勇さんじゃありませんか!よっ!色男!
すでにこの時点で主水、おかよとも顔合わせ済みだったとは。
ただし中条さんは客演のときは悪役が多くて、今回も相当ゲスな役です。
③主水、やる気を出す
主水「こんな寒い晩に子供のことを想って、素足でお百度参りをしてる菊丸の姿が、
俺はこの目に焼き付いて離れねえんだ。
俺は上総屋のイロガキをやる。お前たちも頼むぜ」
新次「他人の色恋沙汰にちょっかい出す前に、もう一度洗い直してみた方がよかねえか?」
主水「何をぉ!?」
新次につかみかかる主水を、おせいが止める。
おせい「ちょっと…ちょっと、中村さん待ってください。
女というより母親っていうものは、まだお誕生日も来ない赤ん坊一人残して
身投げするとは思えないんですけどねぇ…」
やはりもう少し調べてみようと提案するおせい。が、主水は一人いきり立つ。
主水「ああ、そうかい。あ~いいやいいや、もうお前たちには頼まねえや。上総屋は俺一人で殺る。
手前たちみたいなヘボと組んだ俺が間違いだったんだ。菊丸の弔いだ、俺一人でやる!」
主水が出て行き、正八も仕方なく後を追う。
おせい「新さん…このままじゃ、もしかしたら中村さんは、あたしたちの二の舞踏むかもしれないよ」
↑主水とおせいたちの間にはまだ若干の距離感が。
④佐久良の正体は?
菊丸の事件の下手人は上総屋でなく、佐久良だと知る主水たち。
主水「俺もやばかった…もうすんでのところでただの金持ちの助平ジジイやっちまうところだった。
さっきは悪かったな。勘弁してくれ」
新次「いいんだよ。別に何かがあったってわけじゃねえんだから」
おせい「今だから言いますけど、あたしたちハラハラしてたんですよ。
中村さんも私たちと同じような間違いを起こしやしないかと思って」
主水「間違い?」
四年前の事件を主水たちに聞かせるおせい。
正八「で、どうしたの?その公家っていうのは」
おせい「松原伊織ですか?」
正八「うん」
おせい「逃げちまって、いくら探しても見つからずじまい…」
主水「佐久良兵馬も四年前は京都にいたぜ」
新次「なんだと!?」
主水「女を食いものにする手口も似てるし、ひょっとしたらその野郎の仕業かもしれねえな」
↑先ほど揉めた新次にちゃんと謝る主水さん。
⑤おせい&新次殺しシーン
松原「誰だ!出てこい!」
おせい「松原さん…あなたに弄ばれ喉を突いて自害した京都の姉小路の娘、あやでございます。
菊丸さんもいますよ、さあこちらへどうぞ…」
おせいの影に斬りかかる松原。姿を現すおせいと新次。
松原「執念深い奴!決着をつけてやる!」
戦いが始まる。激しく抵抗する松原であったが、新次によって動きを止められる。
新次「おせい!」
背後から松原を襲うおせい。新次もトドメの一撃を加える。
ついに悲願の仕置を達成し、おせいは力が抜け座り込んでしまう。
おせいを優しく抱きかかえる新次。
新次「おせい!しっかりしねぇ!」
おせい「新さん…やったんだね、あたしたち…」
新次「ああ、やったぜ…」
↑離婚するきっかけにもなった仕置に終止符を打つ二人。
この先、二人の関係はどうなるんだろう?
【ストーリー】
薬屋の三ツ木藤兵ヱが囲っている女・おうらが何者かに誘拐された。
かつては盗賊の頭であった藤兵ヱは面子を潰されたと感じ、盗賊時代の手下を使いおうらの引き渡し場所に現れた誘拐犯の若者たちを皆殺しにする。
藤兵ヱの元に戻ったおうらであったが、誘拐犯の若者たちと心を通わせていた彼女は藤兵ヱに嫌気が差し、家を出て行くと告げる。
ようやく自立して生きようとしたおうらであったが、怒った藤兵ヱは手下たちにおうらの始末を命じる。
【知ってるゲスト】
風吹ジュン、金田龍之介、牧冬吉
【名シーン】
①おせいと新次‐その1
主水たちの噂をするおせいと新次。
新次「ただ奴は子供を作る気だ」
おせい「子供を?」
新次「ああ、人様の命を頂く仕置人が子供を作る。そこんとこが俺にはどうにも分からねえ。
師匠、お前さんあの男を信用出来るかい?」
おせい「もしあいつらが裏切ったら二人とも殺せばいい。あたしとあんたとでね…」
②おせいと新次‐その2
再び主水たちの噂をするおせいと新次。
おせい「新さん、まだ疑ってるんだね。あの中村主水って男を」
新次「師匠、お前さん忘れたのかい。あの三島の宿で苦い水を飲まされたのを…」
過去の回想が入りつつ、新次は話し続ける。
新次「二人で組んで仕置屋を始めて、忘れもしねえ三人目の頼み人だった…
俺もおめえもタレコミ屋とは知らずすっかり話に乗せられて、仕置を引き受けた。
よくまぁ二人とも生き延びたもんだ。今思うとぞっとするぜ。
仕置人なんて元々がみんな悪党だ。生きながら地獄で暮らしてるろくでなしだ。
いつ誰が仲間を裏切っても文句の言える筋合じゃねえ。
だからこそ毛ほどの油断や隙があっちゃいけねえんだ。
ましてや相手は八丁堀の十手持ちだ。
一緒に命の綱渡りをするにしちゃあ、空恐ろしい相手だと思わねえかい?」
↑疑り深い新次にはそれなりの理由があったのだ。
③新次の探索
主水たちは藤兵ヱ一味の仕置をおせいたちにも頼むが、彼らは首を縦に振らない。
主水「俺の調べが信用できねえか?」
新次「主水さん、断っとくが俺は誰も信用しちゃいねえ。
信じられるのは手前のこの目…だけさ。少し探って来る…」
主水「気骨の折れる野郎だ…」
おせい「あれが新さんの取り柄なんです。その内あんたたちにも分かりますよ」
探りを入れる新次。
屋根の上で一人見張りをする新次の元へ正八が現れ、握り飯を渡す。
正八「師匠の差し入れ」
新次は握り飯を正八にも分けてやる。
↑二人でおにぎりを食べる。新次も普段は優しい男なのだ。
④主水&おせい殺しシーン
おうらの葬儀でおせいと藤兵ヱが話をしている。
おせい「一体、誰に殺されたのですか?」
藤兵ヱ「若い男の三人組…私の知っているのはそれだけ…」
おせい「そうですか…あたしはまた野火止の藤兵ヱに殺されたのかと思いました…」
藤兵ヱを煽るおせい。去っていく彼女の後ろから藤兵ヱの手下が声をかける。
手下「おう、待ちな!」
おせい「なんでしょう」
手下「お前さん何を掴んでるんだ、ええ!?三ツ木屋の旦那に何を言いたかったんだい!?」
おせい「知れたことさ!お前たちみたいなろくでなしは畳の上じゃ死ねないって言ってやったんだ!」
逃げるおせいを手下が追う。その前方からは主水が駆けてきて一人を斬り捨てる。
残る一人をおせいが投げ、再び主水が斬り捨てる。
↑藤兵ヱ役は金田龍之介さん。巨漢の悪役と言えば真っ先に思い浮かぶのがこの人。
↑主水とおせいの共闘!こういうの待ってました!
⑤ラスト
釣りをしている男に主水が声をかける。
主水「こらぁ!この池は放生池だ!殺生はいかんぞ、殺生は!」
??「そうかい。それじゃあ、お前さんも殺し屋の足を洗ったのかい?」
主水「え!?」
ギョッとして男の顔を覗き込む主水。男は新次であった…。
むかっ腹の立った主水は新次の釣りの邪魔をするように池に石を投げまくる。
↑この二人が仲良くなる日は来るのか??
↑邪魔をしまくって満足したのか最後はこの顔(笑)子供みたいな主水さんで終わり。
【ストーリー】
りつが妊娠し、せんとりつの主水への風当たりはますます強くなりつつあった。
そんな時、正八は二人の仕置人の姿を目撃する。
その二人の仕置人‐踊りの師匠・おせいと髪結いの新次の周辺を探る主水に、二人も警戒を強める。
一方その頃、興行師の不忍の政五郎が江戸に帰ってきた。
政五郎は金太という黒人を騙して連れてきており、彼を見せ物にしようとしていたのだ。
金太を哀れに思った角兵衛獅子の少女・美代は金太を奉行所で保護するよう主水に頼む。
手筈通り金太は奉行所に保護されるが、先手を打った政五郎によって連れ去られ、ついに殺されてしまう。
「金太さんはおじさんが殺したんだ」と怒る美代を見て主水は仕置人に復帰することを決意し「根津権現にお賽銭を持って来れば、権現様が仇を討ってくれる」と美代に言いくるめる。
この一件を知ったおせいと新次は、主水が美代からお金を騙し取ろうとしていると勘違いし、まずは主水を仕置に掛けるべく根津権現に向かう。
【知ってるゲスト】
斎藤こず恵、小松方正、北見唯一、田中弘史
【名シーン】
①女房妊娠、主水慌てる
突然奉行所にやってくるせん。
主水「何かあったんですか?」
せん「りつが懐妊いたしました」
主水「懐妊?」
せん「身籠ったのです」
主水「え…」
喜ぶせんであったが、主水には今後のことを考えて注文をつける。
せん「婿殿、これからは色々と物入り。お手柄を立てて、ご褒美を頂くように心がけてくだされ…頼みましたぞ」
主水「えれぇことになりやがったな、こらぁ…フグの白子が効きすぎたんだ…」
↑ついに種無しカボチャがパパに!
②おせいと新次
おせい「ねぇ、今考えたんだけど、仕置人の足を洗ったのはひょっとしたら間違いだったのかもしれないね…」
新次「どうして?」
おせい「なんだか急に気が弱くなったみたいでさ、お前さんと夫婦で仕事をしてた時、こんなことなかったもの。
あの頃は毎日に弾みがあって、生き生きとしてたっけ…泊まっていくかい?いいんだよ、泊まっても…」
新次「…」
おせい「…」
新次「いや、帰る」
↑相変わらず色っぽいおせいさん。僕なら間違いなく泊まりますね(笑)
③美代の訴え
美代「だからあたし、金太さんを助けようと思っておじさんに頼んだんです」
何の力にもなれなかった主水は黙り込む。
美代「おじさんが悪いんだ!おじさんが親方に金太さんを渡すから!だから殺されたんだ!
金太さんはおじさんが殺したんだ!」
↑ずいぶん芸達者な子供だと思ったら山口さん家のツトムくんの人であったか。
④おせいと新次、仕置人へ復帰
新次「中村主水って奴はひでえ奴だで。その女の子にこう言いやがった。
根津権現にお賽銭上げろ、そうすれば権現様が仇を討って下さるって」
おせい「で、承知したのかい、その子?」
新次「なんてったってまだ子供だ。
うめえこと言いくるめられて、仲間と貯めた金をそっくり吐き出す約束をさせられちまったよ」
おせい「畜生…どいつもこいつもなんて奴らだい!」
新次「おせい、おめえが何と言おうと…」
おせい「何にも言いやしないよ!あたしも同じことを考えてたのさ…」
新次「どっちを先に殺る?」
おせい「中村主水…」
↑主水を仕置するため、復帰を決意する二人。
↑おせいさんも主水にご立腹だ。相変わらず主水さんは敵を作るのが上手だなぁ。
④主水vsおせい&新次
根津権現にお賽銭(仕置料)を取りに来た主水と正八。正八がお金を取りに行くが…。
正八「ねえ、ないよ!」
???「旦那…」
謎の女の声が響く。声の方に向かう主水と正八。
おせい「お賽銭ならここにお預かりしときましたよ…
権現様の上前をはねようなんざ、悪い了見でございますねぇ。ふふふ…」
主水「う~ん、こりゃやられたな」
おせい「権現様のバチが当たりますよ」
主水「どんなバチが当たるんでい、後学のために聞かしてもらおうじゃねえか」
おせい「お望みなら…」
主水と新次の戦いが始まる。腕は互角だ。隙をぬって正八が割って入る。
正八「やめろ~!やめてくれよ!
俺たちよ、これから政五郎って奴殺りに行くんだ!その金仕置料なんだからけえしてくれ!」
主水「正八!つまらねえこと口走りやがって!」
正八「だってよぉ!」
主水「やめろ!来い…」
正八「けえしてくれったら!」
新次「そうはいかねえな!」
正八「けえせよなぁ…」
撤退する主水と正八…。
↑美人なのでいちいちキャプりたくなるのです、ハイ。
↑主水が同じ仕置人と知るおせいたち。誤解はとけたが、仕事は取られてしまう。
⑤小松方正さんの熊ちゃんプレイ
↑おせいさんとの熊ちゃんプレイに胸高鳴るこの笑顔(笑)
⑥仕事がすんで…
仕事を取られた主水は夜道を帰っていた。そこに小銭が飛んでくる。
新次「分け前だ…」
主水「…」
↑一応仲間だと認めてもらったようですが、まだまだ距離感がありそうです。
⑦ラスト
秀英尼「人を殺すのはよしましょう。人を殺せば憎しみが深まるだけ…それは愚か者のすることです。
みなさん、今からでも遅くはありませぬ。心を入れ替え、いつも他人を愛するように努めましょう」
↑主水さんだけに、馬の耳に念仏だこりゃ。
【OPナレーション】
春には春の花が咲き
秋には秋の花が咲く
私の花は何んの色
咲くならそっとスミレ色
目立たぬように咲きましょう
目立てば誰かが手折ります
手折られ花は怨み花
涙色した風下さい
涙色した水下さい
(語り:桜田淳子)
【キャスト】 中村主水:藤田まこと
新次:梅宮辰夫
おせい:草笛光子
正八:火野正平
秀英尼:鮎川いづみ
りつ:白木万里 / せん:菅井きん
与力坂口:有川博
蝶々:森みつる / 花竜:八木孝子
お梶:小柳圭子
【EDテーマ:夢ん中】
酒は苦いし 煙草は辛い
紅は溶けるし 寝床は寒い
そんなおまえの肩抱き寄せて
惚れたようだと俺は言う
男もつらいし 女もつらい
男と女は なおつらい
それでいいのさ いいんだよ
逢うも別れも 夢ん中
男もつらいし 女もつらい
男と女は なおつらい
それでいいのさ いいんだよ
逢うも別れも 夢ん中
(歌:小林旭)
【必殺商売人について】
主水シリーズは見るようにしてたけど、はっきり言って仕事人シリーズ以外は記憶があまりないのです。
商売人はなぜかDVDマガジンでも発売されてないしなぁ。
なので商売人はほとんど未見のようなものだけど、主水が複数の敵相手に戦うシーンが多いとか、りつが妊娠するとか、そのくらいは知ってます。
仕事人シリーズの主水さんはセコ討ちが多いけど、本作ではどれくらい暴れているのかが楽しみです。
主水以外のメンバーはおせい、新次、正八…殺しの実働部隊の平均年齢がけっこう高めですね(^^;)
仕事屋稼業を見てすっかりおせいさんのファンになりましたが、そのおせいが必殺の顔である主水と組んで仕事をするのが早く見たいです!