必殺シリーズ 備忘録

主に各回の名シーンまとめ
※『新仕舞人』『仕置屋稼業』をまとめ中!

第16作 必殺仕舞人 第13話「深川節唄って三途の川渡れ-江戸-」【最終回】

2016年03月31日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】
江戸への帰路、京山一行に瀕死の女が助けを求めて来た。
彼女は「聖妙庵に駆け込んだが、騙されて女郎屋に売り飛ばされた」と語り、手にしていた金を鎌倉の本然寺へ届けるよう頼むと、そのまま息絶えてしまった。
京山は聖妙庵を訪ねるが、その頃すでに晋松も聖妙庵を見張っていた。
江戸に入る前、本然寺に立ち寄った晋松は聖妙庵を調べるよう命を受けていたのだ。
晋松によれば、聖妙庵の庵主・聖妙尼と信妙尼は駆け込んで来た女から聞いた情報を元に、仲間の後家人たちに強請りを働かせ、用済みの女を殺したり女郎屋へ売り飛ばしたりしているらしい。
一方、聖妙尼も京山たちに目をつけ、六部の殺し屋・帷子(かたびら)の辰を差し向ける。
京山は聖妙尼一味との戦いを決意するが、相手の聖妙尼は将軍家ゆかりの者…巨悪を相手にするため、京山はわざと一座を解散させ、踊り子たちを守る。
京山の元には仕舞人たちが集まり、最後の仕事が始まる。

【知ってるゲスト】

二宮さよ子

【名シーン】
①坂東京山一座の解散
   京山は娘たちに色っぽい踊りを踊らせ、役人に捕まってしまう。
   皆が心配する中、京山は無事戻ってきたので安心するが…。
京山「坂東京山一座は今日限り解散しなきゃならなくなっちゃったんだよ。
   一座の責任者の私は江戸処払い…でもあんたたちには罪科がないって、そういうお裁きでね」
   皆泣きじゃくって京山との別れを嫌がり、京山について行くと言う。
京山「あんたたちは舞台が命だろ?私はそう教えてきたはずだよ!」

↑他の必殺と違ってアットホームな雰囲気があった坂東京山一座。
 最終回は仲間との別れが描かれることが多いけど、この一座の別れが一番寂しいだろう。

↑土下座までして連れて行ってくれとお願いするおまつさん。
 おまつさんは新仕舞人には出演しないけど、この後どうなったんだろう?

②仕舞人集合
    二人だけになった京山と直次郎は小屋に戻ってきた。
直次郎「お師匠さん、俺どこまでもついて行くからね。離れねえよ!」
    ムクリと人影が起き上がる…晋松だ。    
 京山「晋さん!」
直次郎「とっつあん!」
 晋松「連中今夜動きますよ」
直次郎「こっちも身軽になった。やりますかい、お師匠さん!」
 晋松「バカ!わざと別れたんだよ…娘たちのためだ、それくらいのこと分からねえのか!?」
 京山「気の重い仕事だけど、どうしてもやらなくちゃあね」
    そこにもう一人の人影が。
 京山「おはな!」
直次郎「おはなちゃん!」
おはな「お師匠さん、私はどこまでもお師匠さんについて行きます!
    足手まといになったその時は始末するなり何なり、お師匠さんの自由にして下さい」

6話で京山に「自分の娘の生まれ変わり」とまで言われたからね。
 おはなにとっても京山は母親みたいなものだし、離れるわけにはいかなかったのかも。


③仕舞人殺しシーン
直次郎は船に乗る御家人たちを襲う。

↑顔を黒く塗って戦いに臨む直次郎。

↑最後の一人との戦いでは赤フン一丁になり仕置する。
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↑晋松は序盤で辰に刺され重傷の身。戦闘中も傷をかばって思うように動けない。

↑なんとか木に縛り付けてフィニッシュ!
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聖妙尼「そなた、どこから逃げてこられたのじゃ?」
おはな「逃げて来たのではありません。お迎えにあがったのです」
聖妙尼「何!?」
 京山「あなたたちが地獄へ送った女たちから依頼を受けました…」
聖妙尼「誰じゃ!」
 京山「さあ、その女たちの待つ地獄へ参りましょう」
聖妙尼「無礼な!わらわを誰と心得おる!」
    庭先に出てきた信妙尼を後ろから仕留める京山。
    逃げる聖妙尼をおはなが遮る。
    京山は聖妙尼を桜の木の下で仕留める。 
   


↑大悪党でも戦闘力は皆無の尼さんに簡単に勝利する京山師匠。

④京山と直次郎
    京山とおはなは出家し、これまで殺した人たちの供養の旅に行くという。
直次郎「おいらも連れてってよ」
 京山「いけません!殿御との旅は許されないのです」
直次郎「あぁそう、じゃあいいよ、おいら勝手について行くからね!」
 京山「だめだよ!」
直次郎「やだよ…やだよやだよ…お師匠さんが何と言おうと、おいらついて行くからね!」
 京山「直…ありがとう。お前さんの気持ちは嬉しいよ。

    でもね、人にはそれぞれ自分の道ってものがあるんだよ。
    あんたももう一人で自分の道を歩かなきゃ…ね、私の言うことを聞いてちょうだい」
直次郎「お師匠さん…」
 京山「いいね?」

↑「直…ありがとう」の台詞を言う京マチ子さんの慈愛に満ちた顔いいなぁ。
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    いよいよ別れの時が来る…直次郎は泣いている。
おはな「直さん…こういう時は笑うものよ。それが男っていうもんでしょ」
直次郎「はいよはいよ、おいらのこと心配いらねえよ。
    男一匹何があったって生きていけりゃあな。
    お師匠さんよ、たまにはオイラの夢見てくれよな…よ!」
    勢いよく駆けていく直次郎。


⑤仕舞人たちの旅立ち
    小舟に揺られる直次郎。
直次郎「また会おうぜよ、おっかさん」

↑6話で「おっかあのいるお前が羨ましい」と言っていた直次郎。
 この旅で彼にもおっかあが見つかったようだ。
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   皆を心配させないために、格好つけて女のところに向かうと言った晋松だったが、ついに倒れてしまう。
晋松「くそぉ、死ぬもんか…死んでたまるか!」
   歯を食いしばり起き上がった晋松は桜吹雪の中、再び歩きだす。


↑結局最後まで負傷のことを隠し通した晋松。

↑新仕舞人までには回復するので一安心。
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↑最後はこのお二人。
 新仕舞人ではまた殺し屋に復帰するけど、どういう流れで復帰するんだろう。
 新仕舞人は見たことがないけど、近いうちに視聴予定です。


第16作 必殺仕舞人 第12話「おちゃやれ節 騙した男へ波しぶき-紀伊-」

2016年03月28日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は串本の静安院、頼み人はおとき。
山科屋の女将・おときは役者の尾上鶴之丞と関係を持ってしまった。
鶴之丞は「不義密通をばらされたくなければ三百両払え」とおときを脅迫し、おときは自害する。
おときは鶴之丞への恨みを婆やのお辰に残し、お辰は静安院にそれを伝えるが、そのお辰もおときの後を追い自害する。
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鶴之丞は女に人気の役者であったが、裏では座頭・喜寿郎の命令で金持ちの女をたぶらかし、最後は金を強請り取る悪党だった。
串本にやってきた喜寿郎は綱元の岬屋の娘・おみつに目をつけ、その命で鶴之丞はおみつと接触することに成功するが、鶴之丞は密かに「二度と芝居小屋に来るな」とおみつに告げる。
実は鶴之丞は喜寿郎への負い目から嫌々ながら喜寿郎の命令に従っていただけであり、これ以上の悪事には耐えられなくなっていたのだ。
鶴之丞おみつを誘うことを拒否し始めたため、喜寿郎は自らおみつを襲い金を要求する。
おみつは入水自殺し、そのことを知った鶴之丞は怒って役所に訴え出ようとしたため、喜寿郎に殺されてしまう。
おみつの婚約者・利助は喜寿郎へ復讐を狙っている様子…これ以上、善人に間違いを起こさせないために仕舞人たちは仕事にかかる。

【知ってるゲスト】

浜田晃、竹井みどり

【名シーン】
①赤ふんどし直次郎
    串本に来た一行。踊り子たちは直次郎に裸になって泳ぐように促す。
直次郎「ああそうかそうか、おめえら本当はオイラの裸が見てえのか、よし!見せてやろうじゃないの!」
    服を脱ぎはじめる直次郎だったが、踊り子たちに取り囲まれ服を脱がされる。
 京山「あ~もう!よしとくれよ~!」
踊り子「きゃ~!」
    踊り子たちが逃げだすと、赤フン一丁の直次郎が現れる。       
直次郎「海で鍛えたこの体!よ~ん!お~ん!いよ~ん!」
    走り回ってやりたい放題の直次郎、最後は海に入って踊る。

↑女の子の前で股間を突きだすな(笑)

↑さすがの京山師匠もビックリ!

↑きれいなお尻だな。
 体も鍛えているし、この体なら自慢できるね。

↑直次郎の裸に4枚も画像を使うこのブログの品のなさ(笑)

②お辰ばあさんの悲劇

↑このおばあさん脇役なんだけど、けっこう印象に残りました。
 喜寿郎たちに服を脱がされ、足蹴にされる…晋松よ、見てるならとっとと助けろよ。

↑晋松に半纏をもらうお辰。

↑静安院に駆け込むがなんと自害して果てる。

↑晋松との再会はお墓で…。

③おみつ(竹井みどり)

↑こりゃまたかわいい女優さんだ。
 仕事人以降にけっこうゲスト出演している竹井みどりという女優さんだそうだ、チェックしとこ。
 なぬ、ロマンポルノにも出演ですと!…それは見たい(笑)


④ラスト
    旅立った直次郎は岬屋の主人と利助の仲睦まじい様子を見かける。
 京山「直!」
直次郎「へい…お師匠さん、俺たちいいことしたみたいだね…」
 京山「うん、そうだね…さぁ、次はお江戸だよ!」

↑岬屋の主人は「おみつは死んだが利助は倅だ」と言っていた。
 養子にでもするのかな?仲良く暮らしてほしい。

↑北海道から沖縄まで、なんかめちゃくちゃなルートでしたが、次回江戸で最終回!


第16作 必殺仕舞人 第11話「秋田音頭は国盗り家老の冥土唄-秋田-」

2016年03月28日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は秋田の行庵寺、頼み人はさと。
直訴状を持って江戸に向かった夫の茂吉ら三人が道中、何者かに斬り殺された。
下手人を見つけ出し、仇を討ってほしい。
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領地替えで佐竹藩に替わって川越藩が秋田を治めることになった。
だが佐竹の殿様を慕う秋田の百姓たちは「行かないで欲しい」と訴え、秋田は大騒動になっていた。
次の領主となる川越藩はこれを危惧し、直訴のため江戸に向かった百姓を殺したりしていた。

だが百姓の結束が予想以上に強いと知った川越藩では、密偵を百姓たちの中に送り込み、流言飛語にて内部崩壊を狙う。
※面白くなかったので適当です。

【知ってるゲスト】
早川保、西田良

【感想】
仕舞人って表稼業が「諸国民謡手踊り一座」だから、「一座が庶民の前で踊り、庶民も楽しくそれを見ている」という絵は毎回あってもいいと思うのです。
マンネリになってしまうかもしれないけど、それがお約束みたいなものですからね。
だけど一座は時々「踊りどころじゃない緊迫した地域」に行くことがありますよね?
例えば10話の琉球や、今回の秋田など。
特に今回は最後まで踊りのシーンがなく、ラストで無理やり外で踊るという強引な展開に。
しかも亭主と兄を失い落ち込んでいるさとを、直次郎が無理やり踊りの輪に入れようとしたシーンはあまりに空気が読めていなくて、ちょっとむかつきました。
ストーリーも、庵主がいきなり逃げ出してたり(無責任すぎる)、ラストで国替えの結果がどうなったかの説明もないし、踊りどころじゃなかった町民が最後に踊り出すし、雑な感じのストーリーでした。

↑座って泣くさと…ガサツな直次郎がそれを放置するのはいいとして、京山までシカトしてるからな。
 ひでえオチだわ。


第16作 必殺仕舞人 第10話「身を投げ生きる安里屋ユンタ-琉球-」

2016年03月27日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は薩摩の安永、頼み人はクバ。
琉球では薩摩藩の課す人頭税に苦しめられているため、薩摩奉行を討ってほしい。
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琉球では人頭税から逃れるため、口減らしの間引きが行われていた。
与那国の娘・クバは間引きから逃れたために掟破りの烙印を押されたので、身重の体で海を渡り薩摩へ向かった。
薩摩には「侍となって島を守る」と言い残して去って行った夫の知念がいるからだ(無理がたたり子供は流産)。
知念とは現在は音信不通であったが、話によると出世した知念は「大和知之助」と改名し、薩摩奉行・島津と共に琉球に視察に向かったという。
安永寺で依頼を聞いた京山たちはクバと共に琉球に渡る。
しかし知念は完全に支配する側の人間となっており、知念は協力を拒んだ島長を殺すと、その罪をクバになすりつける。
クバは島民から迫害を受けた挙句、最後は知念に殺されてしまう。

【知ってるゲスト】
林ゆたか

【感想①】
間引きとか迫害とか、内容がかなりハードな回でした。
あと、だいたい時代劇で琉球が舞台だと、悪党は薩摩藩なんだよね。
まぁそういう歴史の流れがあったのは事実だとしても、自分の故郷(このブログ主は鹿児島出身)が悪役にされるのは気持ちのいいものではなかったです。
なので個人的にはちょっと微妙な回でした。

↑島民から石打ちの私刑を受けるクバ…かなりきつい内容です。

【感想②】
仕舞人の全編視聴は今回初めてだったけど、殺しのBGMってどうして「必殺!」と「荒野の果てにアレンジ」なんでしょうね。
ずっと前レンタル屋で借りた殺しのBGMばかりを集めたCD「必殺!The BEST」での仕舞人の殺しBGMは「かわって晴らそう女の涙(風の旅人のアレンジ)」となっており、本編でこれが聞けるのを楽しみにしていたのですが…。
という具合に、なぜか日の目を見なかった「かわって晴らそう女の涙」ですが、今回の話の琉球への船出シーンでなぜか使われます。
主題歌のアレンジBGMにのせて殺しをするのが必殺シリーズのかっこいいところだと思うので、「かわって晴らそう女の涙」も殺しシーンで使って欲しかった!
この辺が仕舞人や渡し人(こちらは途中で変更するという最低最悪のパターン)の残念なところだと思います。

↑踊り子さんには手を触れないで下さい!
 周りが女だらけでシリーズ中でも一番オイシイ思いをしてそうだな、直次郎は。


第16作 必殺仕舞人 第09話「女泣かせた鹿児島おはら節-鹿児島-」

2016年03月27日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は鹿児島の行徳院、頼み人はおしの。
彼女は極悪非道の盗賊・浪花の辰蔵の情婦で、引き込み役や見張り役を強要されていた。
「やめて欲しい」と頼んでも聞き入れてもらえず、おしのは行徳院に駆け込む。
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鹿児島にやって来た一行は、唐丸籠で連行されている罪人を目撃する。
京山は行徳院で依頼を聞くが、その罪人こそが今回の標的・浪花の辰蔵であった。
籠の罪人が本物の辰蔵か疑う京山たちであったが、果たして本物の
辰蔵はしゃも鍋屋に潜伏していた。
店の主・茂吉は辰蔵に恩があり、その恩を返すために辰蔵の替え玉にされ(連れ戻すという約束があった)、妻のおさとも辰蔵の慰み者になっていた。
一方、籠を追った直次郎は、辰蔵(茂吉)が山中で与力・高倉に斬られる現場を目撃する。
辰蔵は高倉と手を組んでおり、連れ戻す約束を反故にして替え玉の茂吉を殺してしまったのだ。
辰蔵は不要になったおさとの命まで奪い、このままではおさとの子供とおしのの命も危ない-仕舞人たちはまず二人の救出から取り掛かる。


【知ってるゲスト】
赤座美代子、田畑猛雄

【名シーン】
晋松とおしの
    おしのは晋松に自分の過去を語る。
    おしのの一家は紙問屋であったが、辰蔵一味に襲われ、父母や夫、子供まで殺されていた。
    おしのだけが連れ去られ、辰蔵の情婦にされてしまったのだという。
おしの「何度かあいつを殺して自分も死のうと思ったんですが、
    抱かれてしまうと一時憎しみも恨みも忘れてしまうもんなんですね…
    終いには恥ずかしいけど、あいつを待つようになってしまったんです」


↑実際世の中にはクズみたいな男と一緒にいる女性も多いですが、
 この辺の心情は男の自分にはさっぱり理解できないですね…。

↑ラストでおしのは尼へ。
 悪党の辰蔵と共に暮らした日々を反省し生きて欲しい。


第16作 必殺仕舞人 第08話「坊さん かんざし買うを見た-高知-」

2016年03月26日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は高知の
月院
頼み人の廓の総代・鶴富楼お倉によれば、標的の破戒僧・宗純は三人の女郎をかどわかして、自分の寺である来迎寺で乱暴を働いていると言う。
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高知に入った一行は、有名なはりまや橋で坊さんがかんざしを買う姿を目撃するが、その坊さんこそが今度の標的・宗純であった。
晋松は情報を集めるが、驚いたことに宗純は僧になる前はお倉の娘・お光の夫で、お倉にとっては婿養子だったという。
一方、直次郎はオカマに変装して来迎寺へ潜り込み、三人の女郎がこき使われている様子を確認する。
仕舞人たちは宗純を殺すために来迎寺へ乗り込むが、彼らはそこで驚きの光景を目撃する。
宗純が三人の女郎に厳しく接していたのは、彼女たちを世に出し一人立ちさせるためだったのだ。
京山もその真意を知り、間接的に三人の国越えに協力する。
その頃、宗純に自ら手を下すことを決めたお倉は来迎寺へ向かうが、お光が宗純をかばうため手を下せない。
そこにやって来た廓の副総代・亀屋と入船屋は、邪魔な宗純を殺し、ついでに日頃から不満を持っていたお倉までも殺してしまう。

【知ってるゲスト】
高峰圭二、田中弘史

【名シーン】
①坊さんかんざし買うを見た

↑嫌われ者の宗純。このかんざしは何に使うつもりなのか…。

②宗純の企み
    宗純は女郎たちを国超えさせるために、京山一行の通行手形を盗もうとする。
直次郎「弱っちゃったなぁ、あいつ俺たちの一座に強盗に入るんだってよ」
 京山「ほう、いいよ、入っておいで…直、あの女郎たちを助けてやろうじゃないか」

↑宗純の真意を知り、京山も女郎の足抜けに協力することに。 

③直次郎七変化

↑オカマの直次郎。

↑泥棒の直次郎。師匠に包丁を突きつけるので謝るシーン。

④宗純と女郎たちの別れ
    宗純は女郎たちの髪に自らかんざしを挿す。女郎たちは皆泣いている。
 女郎「ありがとうございました!」
 宗純「ほな、この通行手形で頼むぞ」
直次郎「へい」
 宗純「お前には何の支度もしてやれなかったが、まぁ男や、逃げられるだけで堪えてくれ」
    宗純は直次郎に手形を渡す。
そして彼女たちにも声を掛ける。
 宗純「では、必ず逃げ切ってくれよ」
 女郎「必ず逃げ切ってみせます」
 宗純「お前らが無事に逃げ切れば、あとに続く者の励みになる…頼んだぞ!」
直次郎「へい!」


↑かんざしは彼女たちへのプレゼントだったんだね。

↑実はいい人だった宗純さん。
 直次郎も彼を認め、「頼んだぞ」と言われたあとの返事はとても素直なものに。

⑤ラスト
   芝居小屋に庵主がやってくる。その手には亡くなった三人の位牌があった。
京山「何か?」
庵主「京山さん、評判の手踊りを見せては頂けませぬか?
   仏の供養のために…それに鶴富楼の女郎衆たちにも是非…」
   皆はかんざしを買う宗純の姿を思い出す。
   庵主の要望に応え、よさこい節を披露する京山一座で終わり。

↑この庵主様も最初は宗純を憎んでたけど、今は彼の供養のために京山の元へ行く。

↑最後はしんみりとなるけど、なかなかの良回でした。


第16作 必殺仕舞人 第07話「丹後の宮津の嘆き唄-京都・宮津-」

2016年03月26日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は宮津の行観寺、頼み人はお初
中間奉公をしていた兄・留吉が、奥方との不義密通の咎で主人(勘定方・本庄)に奥方もろとも斬り殺された。
無実を信じるお初は女郎に身売りして金を作り、その金で兄の恨みを晴らしてほしいと言う。
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宮津にやって来た京山たち。
依頼を聞き調査に入るが、標的の本庄はなぜかお初を身請けしようとしている様子で、また一方、本庄を狙う若い侍も現れた。
侍の名は新助-彼は奥方の弟で、彼もまた姉の恨みを晴らすため本庄を狙っていたのだ。
お初によると不義密通の話は嘘で、実際は本庄が行っていた横領が奥方に見つかったため、口封じのため不義密通に見せかけて二人を殺したものらしい。
本庄はお初を身請けするが(身請け後に追放する企みだった)、お初は隙を見て行観寺に駆け込み、病身の新助もまた行観寺に匿われる。
本庄一派の方もお初と新助を狙うが、駆け込み寺に逃げられては手も出せない。
危険な仇討ちはさせまいと、京山はおはなに「あの二人を寺から出すな」と二人の監視を命じるが…。


【知ってるゲスト】
佐藤万理、須賀不二男、武周暢

【名シーン】
お初と新助
    仇討ちに行こうとする新助。
おはな「出て行っちゃだめよ!」
 京山「新助さん、犬死をなさるおつもりですか?
    あなたの身を案じている者たちの気持ちを、踏みにじっちゃいけませんよ…」
    去っていく京山たち、新助は仇討ちを思いとどまる。
 お初「新助様…」
 新助「死んでもいい…相打ちを覚悟で本庄を討ちたい。それが俺の意地だ、姉への供養だ。
    しかし、それさえできない俺の弱い体…無念でならないんだ」
 お初「お気持ち分かります…私も同じ思いでした。
    仇を討つ力のない自分が情けなくて…だから身を売ったのです。
    そのお金で…願を掛けました…仏様のお力にすがりたい一心で」
 新助「そんなに思いつめ身まで捨てなくとも…」
 お初「思いつめていらっしゃるのは新助様です。
    今命を捨てずに、なぜ時節をお待ちなさいません…どうして死に急ぎなさるのですか!?」
 新助「お初…」
    手を握り見つめ合う二人。
    一方小屋に戻ったおはな(おはなは新助に気がある)は二人の様子が気になる様子。
 京山「私たちの稼業に色恋はご法度だよ…」

↑お初は佐藤万理さん。相変わらず可愛い。    

↑新助が気になるおはなと、おはなが気になる直次郎。三角関係というやつですな。
 直次郎は「色恋はご法度」と言われさらに落ち込む(笑)

②おはなの失敗
   京山は仲間たちとの話し合いのため小屋を出る。
京山「どんなことがあってもあの二人を寺から出すんじゃないよ…いいね?」
   うなずくおはな。
   だかおはなは二人の親しげな様子を見て落ち込み、目を離してしまう。
   その間に二人は本庄とグルの家老・坂田に外におびき出され、殺されてしまう。

↑同じ目的を持つ二人だからなぁ、接近して当然だわな。

↑あ~あ…おはなちゃん、やってしまいました…。

③おはな、仕舞人へ

直次郎「俺たちの言うこと聞かねえから返り討ちにあっちまったんだよ…助け甲斐のねえ野郎だ!」
 京山「さあ、みんな行くよ…早くお行き」
おはな「手伝わせて下さい!」
 京山「バカなこと言うもんじゃないよ!お前は一座の総領娘だろ?
    私に代わって一座の者を無事に国越えさせるのが仕事じゃないか。さあ、お行き…」
おはな「私の手落ちで二人を死なせてしまいました。
    お願いします!手伝わせて下さい!」
 京山「仕事の上での手落ちは、命がいくらあったって足りやしないんだよ?
    新さんや直の身にもなってごらんな…もしそんなことにでもなったら、
    私の手でお前を始末しなきゃならない…そんなつらい思いをさせないでおくれ」
おはな「お願いします!」
直次郎「手伝わしてやってくんねえか…このままじゃ、おはなちゃん生き地獄だ…頼むよ、師匠!」
    京山は晋松を見る…晋松は何も言わない。

↑前回は殺しがばれただけの回で、今回で加入なのね。

③仕舞人たち殺しシーン

↑BGMが最初は「必殺!」なんだけど、途中からうまくつなげて「荒野の果てにアレンジ」に変わるのがかっこいい。

↑直次郎のターザン戦法。

↑今回の仕事は誘き出し役だけど、おはなも仕舞人として仕事を最後まで見届ける。
 この話もDVDマガジンに入っていた回でした。


第16作 必殺仕舞人 第06話「花笠音頭は地獄で踊れ-山形-」

2016年03月23日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は山形・熊井の浄月庵
一人の女郎が本然寺へ駈け込んできた。
彼女によると、米問屋の庄内屋がたくさんの娘たちを騙して江戸に連れて行き、吉原に売り飛ばしているという。
娘たちは故郷に帰ることもできず、死ぬまでこき使われるのだ。
駆けこんだ女郎は男たちに吉原に連れて行かれ、多くの女郎たちの恨みのこもった手紙だけが残された。
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凶作に苦しめられる庄内・熊井宿。
そこに住む三人の若者は、熊井代官所の役人が侍を殺害する現場を偶然目撃する。
現場を見られた役人たちは若者たちをも襲い、唯一生き残った彦市は山中に逃げ込む。
実は殺された侍は江戸から来た巡察使であり、米の横流しの発覚を恐れた庄内の郡代・吉津の手によって消されたのだ。
また、米の横流しには庄内屋も一枚かんでおり、米と一緒に娘たちを騙して江戸に連れて行っていたのだ。

彦市には巡察使殺しの罪が着せられ、妹のおひさは代官所へ連れて行かれ、母親までもが捕まってしまう。
母親を助けるためについに姿を現した彦市だったが、役人たちに斬り捨てられる。

【名シーン】
①おはな、殺しを目撃する
   おはなは京山の殺しを目撃してしまう。
晋松「見た者は殺す…掟だ」
   晋松の腰縄がおはなの首に巻きつく。
   晋松は刃を引き抜こうとするが、それを京山が止める。
京山「晋松さん…この子の命は私に預からせて下さい…
   雪の中で倒れていたこの子を助けた時、私は自分の娘の生まれ変わりだと思ったんです。
   この子を生かすも殺すも私の手で…」
   晋松は刃を引き抜くのをやめる。
   おはなは号泣し京山にすがりついた。


↑殺しを目撃してから仲間になるパターンって仕舞人が最初なのね(多分)。
 のちにスキゾーみたいなゴミが同じパターンで仲間になるから、あまり好きではないが…。


第16作 必殺仕舞人 第05話「津軽じょんがら嘆きのひと節-青森-」

2016年03月22日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は津軽の法恩寺
「投げ込み寺」と呼ばれる法恩寺に、藩御用彫仏師・鷹衛門の娘・りつが投げ込まれ、父の弟子・早雲への恨みを残して息絶えた。
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越後の寒村で京山たちは離れ瞽女(ごぜ)・なつと知り合った。
なつはこけし職人の誠二郎と恋仲になるが、その後裏切られて廓に売られ、ようやく奉公を終えて故郷・津軽に帰るところだと言う。
なつは京山たちに同行させてもらい、津軽で妹・すわに会うが、彼女は妊娠しておりその夫はなんと誠二郎だった。
すわに気を使い家を出たなつは、再び京山たちの元へ行く。
その頃、京山たちは法恩寺で聞いた標的・早雲の調査をしていたが、どうやら早雲=誠二郎らしい。
果たして早雲=誠二郎であり、その早雲は藩御用彫仏師の地位を狙うと不要になったすわを始末し、他方では早雲と結託している寺社奉行・高森陸奥守が鷹衛門を斬り捨てた。
京山たちは早雲=誠二郎の証拠を掴むが、逆になつの存在に気付いた誠二郎もなつの命を狙い始める。

【知ってるゲスト】
久保にしき(今出川西紀)

【名シーン】
直次郎となつ
    直次郎に背負われ故郷の海へ来たなつ。
 なつ「津軽の海の匂いだ…帰って来たんだ…帰って来たんだ!」
直次郎「うめ~!うめ~なぁ、津軽の潮風は!な、おなっちゃん!」

暗い過去のため悲しげな様子のなつだったが、故郷へ帰り笑顔が戻った。
 直次郎も嬉しそうだ。
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    地蔵に願をかけるなつ。
    誠二郎はなつの命を狙うが、なつを探す直次郎に気付き逃げ出す。
直次郎「おなっちゃん!」
 なつ「直さん?」
直次郎「どうしちゃったんだよ、心配したぜ!」
 なつ「ごめんなさい、なんとか誠二郎を探し出したくて…もう、じっとしていられなくて」
直次郎「分かった、分かったよ。とにかく今日のところ小屋へ帰ろう、な」

↑他の誰よりもなつが心配な直次郎。

↑様子を見ていた晋松も一安心。だけど…。

②直次郎殺しシーン
 晋松「早雲が鷹衛門の跡目に決まったよ
直次郎「バカ野郎!」
 京山「いいね…今度の仕事は鷹衛門さんの娘さんの恨みを晴らすだけじゃない。
    生き地獄のおなつさんの恨みもね…

    金を取ろうとする直次郎の手を晋松が掴む。
 晋松「直、お前のやるのは陸奥守だ」
直次郎「なんで!?」
 晋松「情に走れば仕損じるよ…」


↑なつに肩入れしている直次郎を気に掛ける晋松。
 殺しの先輩としてのアドバイスだ。
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    戸を開けて侵入する直次郎。
陸奥守「何者だ!」
    激突する両者だが、直次郎の居合いが先に入り、更に袈裟斬りで倒れる陸奥守。

↑白い息がまるで闘気のように立ち上る。

↑何はともあれ、なつが守れてよかったな。


第16作 必殺仕舞人 第04話「江差追分 母娘の別れ-北海道・江差-」

2016年03月21日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は江差の浄心
頼み人はおしん。恋人の漁師・伊之吉が町を牛耳る綱元・江差屋仁兵衛に殺されたらしいので仇を討ってほしい。
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北海道の江差へやってきた一行。
京山は浄心寺で依頼を聞き、依頼人のおしんが伊之吉の墓参りをしているところを目撃する。
ところが、その後、興行の挨拶のために江差屋を訪ねた京山は、そこでもおしんと出会う。
おしんは母・お栄に頼まれて江差屋の妾になっており、その見返りにお栄は料亭を任されていたのだ。
一方、晋松は地獄と言われる江差屋の漁師小屋に潜入し、伊之吉がそこでの酷使に反抗したため殺されたことを知る。
小屋では脱走計画が持ち上がるが密告により露見し、脱走計画に加担した者は伊之吉と同じく殺されてしまう。
脱走計画を密告した者、それはお栄であり、伊之吉もお栄により殺されていたのだ。

【知ってるゲスト】
仁和令子、永野辰弥(永野達雄)

【感想】
クソみたいな母親と、その母親に利用される娘の話でした。
伊之吉を殺させたのも母親、娘のおしんを江差屋に差し出したのも母親、漁師小屋の暴動を密告したのも母親…理由はどうあれ、結果を見れば超絶クズの母親じゃないですか。
こういうクズがぶっ殺されるのを楽しみにしてたのに、おしんが母親を見捨てることができず最後は母娘として一緒になったから結局仕置されないとは…。
必殺にはそういうの求めてないし、二度と見たくないレベルで面白くありませんでした。

↑母親役の女優さんには悪いけど、このツラ見ただけで腹が立ちます。


第16作 必殺仕舞人 第03話「織姫悲しや郡上節-郡上八幡-」

2016年03月21日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
郡上八幡(ぐじょうはちまん)観月院
観月院に駆け込んできた素性も分からぬ女郎…彼女は天満屋への恨みを残し死んでしまう。
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郡上八幡にやって来た一行は、天満屋が仲人をする婚礼の場で踊りを披露する。
しかし、花婿の音松は新婚早々飲み屋で飲んだくれており、直次郎はそれが気になり仕方がなかったが、ほどなく天満屋が花嫁のおかよを慰み者にしていることを知る。
音松の話によると、おかよの家には借金があったが、天満屋は「十日の間、おかよの体を自由にする」ということを条件に借金の棒引きを申し出ていたのだ。
一方晋松は、天満屋が織子たちを酷使し、胸を病んで働けなくなった者を女郎にしていることを知る。
直次郎との出会いによりおかよを取り戻すことを決めた音松は「天満屋の悪事を訴える」と脅し、おかよを解放するように要求する。
音松の要求を飲んだ天満屋だったが、怒った天満屋は手下を使って音松を殺害し、一方、晋松が知り合った女郎のおりくも手下たちから暴行を受け亡くなってしまう。


【知ってるゲスト】
谷口完

【名シーン】
直次郎と音松
直次郎「音松っつあんよ!音松っつあんよりずーっとかみさんの方がつれえ思いしてるぜ」
 音松「そうかもしれない…なのにおいらったら自分の事しか考えねえで、酒でごまかそうとばかりしてきた」

↑なかなか面倒見のよいところがある直次郎。

直次郎と京山
 京山「せめて今夜だけでも、あたしが天満屋の足を引き留めてやろうか?その夫婦のためにさ」
直次郎
「お師匠さんが?」
 京山「そう」
直次郎「無理!ちょっと無理だ…」
 京山「嫌に見くびられたものだねぇ」

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    京山は天満屋を酔い潰させ、足留めに成功する。

 京山「今日はどこ行ってたの?」
直次郎「音松んち」
 京山「ふ~ん」
直次郎「どういうわけか今夜は天満屋が現れなかった…」
 京山「そう?」
直次郎「お師匠さん!…ありがとうよ!」
 京山「フフフ…」


↑このシーンの京マチ子さんの笑顔は本当に可愛らしい。

③直次郎とおかよ
直次郎「へぇ…そうかい!あの音松っつあんが天満屋んとこに話をつけに行ったなんて。
    そりゃよっぽどあんたに惚れてんだよ!」
    微笑むおかよ。
直次郎「笑った、笑った!そうこなくちゃあよ!
    じゃあ俺がひとっ走り迎えに行ってくるから、な?楽しみに待ってろよ、おかよちゃん!」

↑二人のために何かと力になってあげる直次郎。
 しかしこれが悲劇を招くことになる。

④直次郎殺しシーン

↑BGMはこちらも「荒野の果てに」のアレンジ(新からくり人と同じ)。

↑手下に突っ込み一撃で仕留める!
 気合が入りすぎて、勢いで堀にまで飛び込む。

⑤ラスト
    音松とおかよのことを思い出し落ち込む直次郎。
    いつもと違う様子に踊り子たちは声をかける。
踊り子「きっと町へいい人残してきたのかもね
おはな「本当?直さん?
直次郎「あ~いい人だったぁ!
おはな「私よりきれいだった?
直次郎「ばか!きれいたって顔じゃないんだよ!
    純な気持ちだよ~ん!心だよ~ん!泣けてくらぁい、畜生!」

おはな「よーし、じゃあ直さんのためにみんなで一曲歌ってあげる!せーの!」
    郡上節を歌う踊り子たち。
 京山「直次郎、いいところがあるじゃないか。きっと郡上八幡のことはいつまでも忘れやしないよ」

 晋松「だろうね…だが俺なんざ、後ろを振り返るなんてことは、とっくの昔に忘れちまってるよ…悲しいねぇ」

↑DVDマガジンに収録されていた直次郎メイン回。なかなかの良回です。
 ちなみに新仕置人17話のリメイク作だそう。
 どんな話か忘れたので(これが嫌でこのブログを書いてます)、新仕置人を見る時はチェックしてみます。


第16作 必殺仕舞人 第02話「さんさ時雨は涙雨-仙台-」

2016年03月20日 | 第16作 必殺仕舞人

【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は仙台の宗恩寺
色狂いの殿様とその一味を始末して欲しい。
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仙台にやってきた一行だったが、街には女の姿が見えない。
目的地の宗恩寺に向かうが、寺役人・三浦によれば住職はすでに亡く、依頼内容も分からず仕舞い。
晋松が街で集めた情報によると、色狂いの殿様が女とみればすぐ手をつけてしまうので、市中の女は隠れたり逃げ出したりしているらしい。
そして殿様が手を付けた女たちは宗恩寺に閉じ込められて、無理やり尼にさせられたり、堕胎を強要されたりしていたのだ。
京山は三浦が堕胎を拒んだ娘を殺害するところを目撃。
また、晋松は墓地で住職の亡骸と依頼の手紙を発見…住職もまた三浦に殺されていたのだ。
殿様の魔の手から逃げ出そうとする京山一行の元に、状況を見かねた三浦の妻・志乃が現れ、閉じ込められていた娘たちも一緒に逃がしてくれと頼む。

【知ってるゲスト】
森次晃嗣

【名シーン】
①三浦と志乃
   京山はただ一人寺に残ろうとする志乃を無理やり外に連れ出そうとする。
   そこに三浦がやってくる。
三浦「志乃!女どもの姿が見えん!逃がしたな!こいつの知恵か!」
志乃「いえ、私です!私が逃がしたんです!」
三浦「なにぃ!?」
志乃「あなただってお役目を離れればこうなさると思って…」
三浦「バカ!切腹もんだぞ!どこに逃がしたか言え!」
   三浦は京山に掴みかかり、間を取った京山は構える。
三浦「貴様お玉を斬った時の…!」
志乃「あなた…今なんとおっしゃったの?あなた…!」
   三浦の悪行を聞き、激しく動揺する志乃。
京山「とうとう言っちまったね。とうとう奥さんに聞かしちまったね」
志乃「あなた!あなたがお玉さんを!」
三浦「仕事だった…仕事だったんだ」
志乃「なんてひどいことを!そんなことで出世してもらっても私はちっとも嬉しくないんだ!」

↑あ、ダンだ。素は善人だけど、出世欲にかられ悪党になっている。

②京山殺しシーン

↑口元を斜めに隠しているところがいいんだよなぁ。

↑殺された殿様が死に際に頭巾に手をかけ、口元が覗く。
 ちらりと見える真っ赤な唇がセクシーだ!

③ラスト
晋松「あの夫婦、三途の川で祝言のあげなおしやってますかね…。
   それとも男の方は地獄行きかな…」

京山「あの男の地獄…本当は志乃さんにむごい所業を知られた時だったのさ…」

旅物は最後に締めが入るので、ちょっと水戸黄門っぽい。


第16作 必殺仕舞人 第01話「恨みが呼んでる佐渡おけさ」

2016年03月19日 | 第16作 必殺仕舞人



【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は佐渡の椀葉寺
おこうという身重の女性が駆けこんできたが、彼女は凌辱されており、それが元で流産し亡くなってしまった。
彼女は今際の際に、自分を凌辱した佐渡奉行所の与力・戸塚修理への恨みを残す。
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お京は鎌倉の駆け込み寺・本然寺で裏の仕事をしていた女殺し屋。
だが、おは五年前に殺し屋を引退し、現在は坂東京山を名乗って諸国民謡手踊り一座の座長となっていたが、ある日、本然寺の善行尼に呼び出された。
善行尼は京山に女の恨みを晴らす殺し屋として復帰してほしいと頼み、京山は返事は保留のまま最初の目的地・佐渡へ向かう表向きは本然寺の本堂修復のための勧進興行
途中で直次郎という若者を一行に加え、柏崎で京山は晋松という男と出会う。
も京山と同じく本然寺の殺し屋だったが、事情があり佐渡には同行できないと言う。
佐渡に渡った京山は、椀葉寺で依頼を聞く。
未だに復帰するか否か、答えの出ない京山であったが、彼女は佐渡奉行所で因縁のある内田春之介と出会い、彼が現在は戸塚修理と名乗っていることを知る。
そして、おこうの家を訪ねた京山は晋松に出会う-実は晋松はおこうの内縁の夫であり、彼にとっても戸塚修理は憎むべき仇だったのだ。
京山は戸塚修理を討つため殺し屋への復帰を決め、晋松にも協力を依頼する。


【知ってるゲスト】
戸浦六宏、松田明、日高久

【名シーン】
善行尼の依頼
善行尼「人の命を奪うのは修羅の道…その道を進む苦しさにあなたは五年前、芸の道にお戻りなされた。
    ですが京山さん…この本山はもとより、全国一二四カ所に散らばる末寺の駆け込み寺へ、
    今もなお救いを求めて駆け込む女子の数は増えこそ減りはせんのです…とにかく佐渡に行きなされ。
    そこで見たものをしっかりと心に留め、その上でお心をお決めになるがよい」

↑この人は京山の因縁を知ってて、敢えて京山を差し向けたのだろうな。

②京山と晋松
晋松「誰だ手前は?どこで俺の本名聞いてきやがった?」
京山「鎌倉本然寺…善行尼様」
晋松「じゃあ、おめえさんもあの駆け込み寺の仕事を…そうかい、ご同業か」
京山「あなたも?」
晋松「…間違ったらごめんなさいよ…もしかしておめえさん、お京さんじゃありませんか?」
京山「五年前まではそう名乗っておりましたが…」
晋松「やっぱり!ふふふ…闇の世界で名高いあのお京さんに、どうもとんだ真似しちまって。
   こいつは命があったのがめっけもんだ」

↑京山は男の晋松が一目置いてしまうほどの有名人なのだ。

③因縁の再会
内田「なぜここにいるのだ?まだ俺を恨んでいるのか?」
京山「人でなし!」
内田「古い話だ…いいかげんに忘れろ」
京山「だいぶご出世をなさったようですが、私が生きている限りあのことは…
   いいえ、あの子供のことは金輪際忘れさしゃしませんよ。
   誰にでも言ってやる、内田春之介は人でなしだ、鬼畜生にも劣る男だと…覚えておくがいい!」
内田「ふふふ…」
   役人に呼ばれ去っていく内田。役人は内田を戸塚と呼んでいた…。
京山「あの、もし」
役人「なんだ?」
京山「あのお方様は内田春之介様とは…?
役人「何を言っておる、あのお方は戸塚修理様だ」
京山「戸塚修理…!」

↑戸塚修理には戸浦さん。戸浦さんにはレイプ魔のイメージは湧かないなぁ。

④直次郎の初戦
    戸塚の刺客に襲われる京山。そこに直次郎がやってくる。
直次郎「師匠、危ない!」
    実戦慣れしていない直次郎は押され気味だったが、なんとか刺客を倒す。
    直次郎は興奮から奇声を発して倒れていたが、京山から頭を叩かれ我に返る。
直次郎「俺初めてだ…初めてだ俺…俺の習った居合い、通用すんだね…」
 京山「通用するどころか、立派なものですよ。ありがと」
直次郎「そ、そんな!なんだか俺、シュッ!夢中だったからな!

↑京山に叩かれて我に返るところが面白い。

⑤京山の復帰
   かつて、お京と内田の間には子供がいた。
   だが、内田は出世のためにお京を上役に慰み者として差し出し、放置されていた子供も死んでしまった。
   以来本然寺に入ったお京は、業を晴らすため殺し屋になったのだ。
京山「晋松さん、やっと決心がつきましたよ。
   おこうさんのためにも、あたしがもう一度生きるためにも、この仕事をします。
   手伝ってくださいますか?」


⑥京山&晋松殺しシーン
   黒装束に身を包み、簪をくわえた京山と戸塚が対峙する。
戸塚「たわけ…そんな獲物でこの俺を殺せると思っているのか!死ね!」
   襲ってくる戸塚を投げる京山。戸塚も必死に抵抗する。
   加勢に来た晋松が腰縄で戸塚を首を掻っ切ると、京山は背後から簪でトドメをさす。

↑武器は鋼の刃を仕込んだ腰縄。標的の首に巻き付け、刃を引き抜き頸動脈を切断する。

↑殺しのBGMは「必殺!」だ。

⑦直次郎乱入
    戸塚を葬った直後、興奮した直次郎が乱入!
    何も分かっていないらしく、なぜか晋松に斬りかかる。
    晋松は攻撃をかわし、直次郎を部屋の隅に突き飛ばす。

直次郎「ヒー!ヒー!ヒー!シー!シー!シー!」
    今だ興奮が冷めず奇声をあげる直次郎。京山は彼の頭を叩く。
 京山「やめなさい!…直次郎お前!」
直次郎「つけて来たんだよずっと!だっておかしいんだもん、お師匠さんの様子!」
 晋松「知ってる奴け?」
直次郎「誰にも言わねえから!仲間にしてくれよ!頼むよぉ!」
 晋松「なんだこの野郎!」
直次郎「やったろうじゃねえか!やったろうじゃねえか!来やがれってんだ!」
    体を上下に動かし構える直次郎。
 京山「何の真似だい、それは!そんなことしたってネズミ一匹殺せやしないよ!
    あんたの居合いは一発勝負じゃないか!

    …どうでしょうね、晋松さん。
    無益な殺生はしたくないし、しばらく手元に置いて様子を見ることにしちゃあ。

    万一の時は私が引導を渡しますから」
    直次郎は京山の足元にしがみつく。
直次郎「あの…お願いします…お願いします…」

↑まるで野生児のような殺し屋。成長が楽しみです。

↑ベテラン殺し屋二人と新米一人、仕舞人チームの誕生だ。

⑧ラスト
    旅に出る京山一座。直次郎と晋松も同行する。
おはな「助かっちゃうわよね!だって男が二人もいるんだもの!」
芸子達「頼りにしてま~す!」
直次郎「あいよ~!任しとけって!
    こう見えても俺は上方で車引きを二年ほどしてたことがあるのよぉ!」
 京山「この前は佐渡で金を掘ってたって言ってたくせに」 
 晋松「心賑やかでいいじゃありませんか。ひょっとしたらあの若いの、掘り出し物かもしれない」
 京山「かもしれない!」

↑表は底抜けに明るいムードメーカーの直次郎。


第16作 必殺仕舞人 作品紹介

2016年03月19日 | 第16作 必殺仕舞人



【OPナレーション】

箱根八里は~♪ 馬でも越すが
越すに越されぬこの世の峠
西が曇れば涙雨
東が曇れば恨み雨
どうせこの世は生き地獄
かわってはらそう女の涙
この世の苦しみ 仕舞人
(語り:中条きよし)

【キャスト】
 坂東京山:京マチ子
晋松:高橋悦史

 直次郎:本田博太郎
 おはな:西崎みどり
おまつ:小柳圭子 / 踊り子のみなさん
春海尼:宮田圭子
 
【EDテーマ:風の旅人】

どうせ独りさ 風が云う
生まれおちてから 旅つづき
ふるさとは はるか北国
まぶたに かもめが舞う
愛したひとのぬくもりが
またたくような 街あかり
泣くな泪星 俺には夢がある
泣くな泪星 俺には夢がある
(歌:本田博太郎

【必殺仕舞人について
いわゆる旅物の必殺です。
これはDVDマガジンで見たくらいかな。
依頼が「駆け込み寺に持ち込まれた女の恨み」なので、どうしても「男に弄ばれた」「女郎屋に叩き売られた」など、同じような内容が多いのが個人的にちょっとマイナス点。
作品の見所は直次郎でしょうね。
他の必殺にはいない元気すぎるキャラクターで、最初は殺しも初心者。
本作と次の新仕舞人でどれくらい成長していくかが楽しみです。