ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

ワクチン接種

2022年02月12日 | なごみ

 急きょ三回目のワクチン接種を受けることになった。

前回同様、利用者様や職員がすべて終わってからと考えていたのだが、相手方(クリニック)の厚意を無にすることもできなかった。

先のワクチン大臣は都市伝説と明快に否定していたが、接種前のアクエリアスの大量摂取は個人的に効果があったと感じていた。何の副作用もなかった。もっとも、初回もなかったのだが。

それで今回も、当日の午前中に500mlを2本、接種してからもやはり2本、飲み干した。結果として、副作用はまた全くなかった。2時間ごとに計測した体温にも変化はなかった。

(ひどい頭痛や耳鳴り、めまいはいつものことなので、差し引いておく。)

 接種後、自室で安静にしていると、郵便が届いた。

生命保険の新しい加入証書だった。

会社を経営されている方々はご存じのとおり、会社への銀行からの融資残高に相当する金額を設定して経営者が加入し、もしもの場合は受取人が会社(会社口座)となってその残債を清算するというシステムだ。ただこの保険は年月がたつにつれ受取金額が目減りして行くので、完済までは定期的に金額や本数を増やすなどして自衛する必要がある。

たまたま今日届いたこの証書は、エッセンシャルワーカーの働き場の維持に尽力する経営者としての僕のレゾンデトール(存在意義)なのかもしれない。いや、、、免罪符か。

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コート

2022年02月07日 | 日記

 今冬の寒さはなんだかやけに体にこたえる。

そんな理由からでもないのだが、例年になく手持ちのコートをたくさん出して、とっかえひっかえ着ている。

その中の一枚に、ジョシュア・エリス社のカシミア生地で仕立てたものがある。

同社は創業250年以上の、イギリスで最も古い生地ファクトリーの一つだ。

 もう20年以上前のこと、初めて訪れた出張先で、時間調整にと古いデパートに立ち寄った。

地場の銘菓をお土産に買い、それでも時間があったので紳士服売り場へ足を向けると、陳列棚の一番上に光沢のある毛足の長いグレーの反物が置かれ、そこに場違いなほど可愛らしいポップがちょこんと載っていた。

「ジョシュア・エリスの最高級カシミア生地でコートを作りませんか、セールです!!」

ミスマッチだなあ、としげしげ眺めていると、いかがですか?と声を掛けられた。

顔を上げると、店員さんの屈託のない笑顔があった。

「遠方なのですが、送っていただけますか?」(何を言っているのだ、僕は!)

もちろんです!

「じゃあ、お願いします。」

ちょうど腕に抱えていたラルフ・ローレンの紺のロングコートの寸法を参考にしながらで、採寸はあっという間に終わった。

ずいぶんお安くなっていますね、と尋ねると、最後の一枚分なので、お値引きさせていただきました、と納得の答えが明るく返ってきた。

 今思うと一つだけ残念なのは、完全アウェイだったのと、値段が値段だけに、冒険せず無難な同系色の裏地を選んだことだ。

こんなにも長持ちして、今年これほど着るのなら、裏地をもっと派手なものすればよかった、いっそのこと交換しようか、とも考えたけれど、工賃だけでちょっとしたスーツのお仕立て代ほどかかってしまう。

あと何年、何回着るかと思うと、ためらいが胸に湧き上がってくるのだ。

 

日本での取扱法人のHP↓

http://greenwich-showroom.com/brand/joshua_ellis/history

 

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サキノハカ

2022年02月04日 | 賢治先生

 「サキノハカといふ黒い花といっしょに」

   

   サキノハカといふ黒い花といっしょに

   革命がやがてやってくる

   ブルジョアジーでもプロレタリアートでも

   おほよそ卑怯な下等なやつらは

   みんなひとりで日向へ出た蕈(きのこ)のやうに

   潰れて流れるその日が来る

   やってしまへやってしまへ

   酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも

   じぶんだけで面白いことをしつくして

   人生が砂っ原だなんていふにせ教師も

   いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつらも

   そいつらみんなをびしゃびしゃに叩きつけて

   その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ

   それらをみんな魚や豚につかせてしまへ

   はがねを鍛へるやうに新らしい時代は新らしい人間を鍛へる

   紺いろした山地の稜をも砕け

   銀河をつかって発電所もつくれ

 

   

 上の「サキノハカといふ黒い花といっしょに」は昭和二年に宮沢賢治が書いた未発表詩だ。

サキノハカという植物は存在しない。

賢治先生の造語である。

その意味に関しては、「釈迦の墓」であったり、暴力という文字を分解したものだなどと諸説あるが、どうもしっくりこない。僕だけか。

花巻をハーナムキヤ、仙台をセンダードと素敵にもじった賢治先生のパターンではないように思える。

もう一つ、冒頭から激しい言葉が続いて行くが、最後の二行でぐんと上昇曲線を描く。

この曲線が急で、印象深い半面、このあとがもう少し続くのではないかと長く思っていた。

そこは誰も何も言っていない。これも僕だけか。

 

 

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