ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

夢十夜(一)

2019年02月22日 | 珠玉

 こんな夢をよく見る。

私は壮年の剣客で、道場を開いている。

なかなかに繁盛しているようだ。

年下の師範代は腕の立つ男だったが、隣町の老剣豪が引退するにあたって彼に道場を譲りたいと申し出て、彼はそれを受けた。

私たちは友好的に袂を分かった。

 その後、私は時々彼が訪ねてくるような気がして、門のところまで出て、一刻(約30分)ほどたたずむことがあった。

もちろん、茶飲みに来るわけではなく、手合せにだ。

 一年半ほど過ぎたころ、彼が門の前に立った。

どうしても、あなたと勝負したくて。

私はうなずき、木刀を取った。

勝負は私が鎖骨を砕かれる形で簡単に決着した。

私は痛みに顔を歪めながら、奇妙な満足感の中で床に転がっている。

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