今夜はあいにくの雨模様だ。
霜さゆる庭の木の葉を踏み分けて
月は見るやと訪ふひともがな
西行「千載和歌集」(1188年)
(訳)
霜が冴え冴えと降りた庭に
散った木の葉を踏み分けて、
今夜の美しい月を見逃していませんか、と
訪ね来るひとがいてほしいものだ。
霜の冴えた白さと夜の澄んだ冷気、月の明るさ、独居の淋しさが、すべてまざまざと感じられる名句だ。
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