このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
連休中は古いハリウッド映画を何本か観た。
まとめて観ると改めて女優男優の着こなしや身のこなしの優雅さ・端正さに感心させられた。また、ち密に作り込んだセットやライティングなどにも目が行った。
40年代に量産されたフィルム・ノワールの代表作「ローラ殺人事件」(1944年)のテレビ版リメイク(1955年)という珍しいものも観た。
このあと1961年には西ドイツ(当時)でヒルデガード・ネフ主演のやはりテレビ映画が作られているが、こちらはあまりに現代風で、途中で観るのをあきらめてしまった。
55年のリメイク版は、オリジナルでは84分かけて描いたストーリーを43分の枠に収めているのだが、結構元の場面通りの作りで駆け足でもなく、違和感もなく、うまくまとまっていた。
ではどこを切ったのかと思い巡らすと、著名なコラムニストのライデカーが一介のOLだったローラ(44年版ではジーン・ティアニー)を発掘し、広告業界での後ろ盾となって引き立て、公私ともに一流の女性へと育てたものの、女たらしのヒモ男、シェルビー(ヴィンセント・プライス)に割り込まれて年甲斐のない嫉妬に燃えている、この物語において重要な要素のシーンがすっぽり割愛されていた。ガラティアに打ち捨てられた老ピグマリオンの悲しみを。
オリジナルでは回想形式で描かれる、このライデカーとローラの来し方が一番面白いのだが。
1955年版(リメイク)
1944年版劇場予告編
左からライデカー、ローラ、シェルビー、ヒモのパトロネス(飼い主)は
デーム・ジュディス・アンダーソン(「レベッカ」のダンヴァース夫人)だ。