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「ローラ殺人事件」

2023年05月05日 | ハリウッド

 連休中は古いハリウッド映画を何本か観た。

まとめて観ると改めて女優男優の着こなしや身のこなしの優雅さ・端正さに感心させられた。また、ち密に作り込んだセットやライティングなどにも目が行った。

40年代に量産されたフィルム・ノワールの代表作「ローラ殺人事件」(1944年)のテレビ版リメイク(1955年)という珍しいものも観た。

このあと1961年には西ドイツ(当時)でヒルデガード・ネフ主演のやはりテレビ映画が作られているが、こちらはあまりに現代風で、途中で観るのをあきらめてしまった。

 55年のリメイク版は、オリジナルでは84分かけて描いたストーリーを43分の枠に収めているのだが、結構元の場面通りの作りで駆け足でもなく、違和感もなく、うまくまとまっていた。

ではどこを切ったのかと思い巡らすと、著名なコラムニストのライデカーが一介のOLだったローラ(44年版ではジーン・ティアニー)を発掘し、広告業界での後ろ盾となって引き立て、公私ともに一流の女性へと育てたものの、女たらしのヒモ男、シェルビー(ヴィンセント・プライス)に割り込まれて年甲斐のない嫉妬に燃えている、この物語において重要な要素のシーンがすっぽり割愛されていた。ガラティアに打ち捨てられた老ピグマリオンの悲しみを。

オリジナルでは回想形式で描かれる、このライデカーとローラの来し方が一番面白いのだが。

 

1955年版(リメイク)

 

1944年版劇場予告編

 

左からライデカー、ローラ、シェルビー、ヒモのパトロネス(飼い主)は

デーム・ジュディス・アンダーソン(「レベッカ」のダンヴァース夫人)だ。

コメント
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