ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

文脈棚

2023年05月12日 | 日記

 「文脈棚」とは、2012年の「新語流行語」としてイミダスの「時事用語辞典」に掲載された新語だ。

『ジャンル、形式にとらわれず、本のテーマや内容によって並べられた書店の陳列方法。書店の棚は従来、単行本、文庫、マンガなど、ジャンルごとに区別されたり、出版社、作家別に並べられたりすることが多かった。それに対し「文脈棚」の場合には、テーマに共通性があれば文庫とマンガが隣り合って配置されることもある。来客に他ジャンルの本との意外な出会いを提供することで店舗の個性を打ち出す試みとして、(中略)注目されている。』

 僕の書斎は30年ほど前に作ったものだが、それに近い形式になっている。というか、客に売るためでも他者に見せるためでもなく、自分の使い勝手でそうなったものだから、かなり濃密だ。

関連する本、ビデオ、DVD、写真集、画集などをひと塊にして置き、調べ物やまとめ読みする際に壁の三方をうろうろすることをなくしているし、次に買い求めなければならないものも一目瞭然だ。よくコレクターは棚に有るものより無いもの、欠けているものに目が行く、と言うが、そのとおりだと思う。

 一度だけ、自分の書斎の一部によく似た陳列を見たことがある。それは三井ホームのモデルハウスの書斎だった。スタインベックやF・スコット・フィッツジェラルドの単行本の隣に「ティファニーで朝食を」のビデオケースや「華麗なるギャツビー」の1シーンを入れたフォトスタンドが置かれていた。胸がざわざわした。

こんなにも書斎じまいに苦戦しているのは、長い時間を掛けて足で集めた一点一点を関連付けて塊にしてしまったからかもしれない。「文脈棚」という言葉から、そんな風に思えてくる。

 例外もある。岩波文庫は赤帯(外国文学)、緑帯(日本近現代文学)ともに、目録順にびっしり揃えている。これはこれで、バラすことができなくなっている、、。

 

 

 

 

 

 

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