このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
僕の目の前のソファには、しょげ返ったサンタクロースが座っている。
「そうすると、新人のあなたの担当は12軒で、そのうちの10軒目のお宅に立ち寄った際、ばったり遭遇した子供たちにプレゼントを渡したところが予想以上に喜んでくれたことに嬉しくなり、もう一つずつ置いてきたのだけれど、11軒目でプレゼントが底をついてしまったと。それで、12軒目のウチに手ぶらで来訪した、ということなのですね?」
「はい。面目次第もございません。」
僕は噴き出した。
「ねえミス・サンタ、そんなに落ち込まなくても大丈夫。おっちょこちょいは短所ではなく、長所ですよ。こんな風に、ひとを愉快にしてくれるのだもの。ウチの子供たちへのプレゼントは、僕が今から終夜営業のお店でなにか見繕ってくるのでお気になさらず。」
顔を上げたサンタの表情が、ぱっと明るくなった。
「ただし来年はぜひ、ルートの1軒目にウチを回ってくださいね。、、いや、来年以降もぜひウチの担当でいてくださいね。」
僕はサンタの後ろに立っている浅黒い顔の男を怒鳴りつけた。
「おい、ペドロ、あんたわざわざメキシコから来ているのに、しっかりサンタをサポートしないで、ダメじゃないか。不法滞在で強制送還させるぞ!」
メキシコのサンタの助手で、悪い子供たちを誘拐することもあるという怪人も、今夜だけは吹き出す汗をふきふき、頭を下げていた。