このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
2012年の暮れ、書店でこの「ロバート・アルドリッチ大全」を初めて見かけたときは、危うく通路に倒れ込みそうになった。
21世紀にこんな本が出版されるなんて。
手に取ってみると重いのなんの、ハードカバーで570ページ、4200円(税別)、出版元は国書刊行会だ。
伝記、全作品解説、と迷監督アルドリッチのすべてがぎっしり詰まっている。
枕にしたら、「べラクルス」や「北国の帝王」の夢を見るかもしれない、とワクワクした。
アルドリッチは晩年ヒット作に恵まれなかった。
遺作になったのは女子プロレスラーのコンビと、ピーター・フォーク演じる中年マネージャーのロードムービー、「カリフォルニア・ドールズ」だった。
ゲテモノと思ってはいけない、これが小品ながら、とてもいい出来なのだ。
驚いたのは、この映画の公開時(1982年6月)、僕は新宿の二番館で観たのだが、クライマックスのタイトルマッチの結末に、客席から拍手が起こったこと。
長く映画を観続けてきたけれど、こんな経験は後にも先にも一回きりだ。
この話にはもう少し続きがある。
30年以上たったある日、たまたま手に取った雑誌のインタビュー中で、佐藤浩市が同じ体験を語っていた。「ドールズ」が上映されるたびそうなっていたのか、佐藤と同じ場所にいたのか(彼は少しだけ年長だ)は定かではないが、そんな、ひとの胸を打つエンディングを持った作品なのだ。
だんだんピーター・フォークが自分に思えてくるから不思議だ