このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
高校二年生の娘は現在、現代国語の授業で漱石の「こころ」を学んでいるのだそうだ。
40年たっても変わらないんだね、と大げさに驚いてみせてからふと思った、僕も同じ高校へ通ったのだが、当時は男子校で、そのあと女子校と合併して現在は男女共学になっている。
ねえ、ミオちゃん、これは決して女性蔑視で尋ねるのではないのだけれど、「こころ」はいわゆる、男子の求道が一つのテーマだよね、あれ、女の子は感覚的に分かるのかな?
「わかるよ。」
娘はとにかく言葉が短い。
けれども、口数の少ない女性は思いが深い、というのが僕の個人的な見解なので、そのままにしてきた。
「そうか。パパの時の先公は東大卒でね、東京生まれなのだけど、ゲバ学生だったために宮城県の教員試験しか受からなくて、こっちまで流れてきたって言ってたよ。
東大を出たひとに漱石を習ったのはいい思い出だね。
でも、夏休みに小説を書かされてみんな大変な思いをしてたっけ。」
「ふーん、今、授業でね、別のひと(登場人物)の視点から『こころ』の書き換えをしてるんだ。」
「へええ、奥さんやお嬢さんの?」
「そう。」
「クローディアスの日記」じゃない!と言うと、彼女は首をかしげた。
シェークスピアの「ハムレット」を、主人公ハムレットに父の先王を殺したと疑われている伯父クローディアスの視点から書き換えた志賀直哉の小説だよ、との説明は、、しなかった。
来年に迫った大学受験には必要ないだろうから。