このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
大晦日、喫茶店アルファヴィルの入り口ドアを押して入ってきたNPO法人なごやかの理事長は、オーナーと並んでカウンターの中にいる私を見て、お約束のセリフを発した。
「きみは、ウチの管理者じゃなかったっけ?」
「アルバイトのIさんが弘前へ帰省中なので、年末年始、事業所が休業の私がお手伝いしているんです。」
そうなんだ、と言いながら、彼はカウンターのスツールイスに腰掛けた。
「来客へお持たせするお土産を和菓子店へ買いに行ったら、とてもきれいな練り切りが並んでいたので、みなにごちそうしようと思って。」
私がお店に出ているのもお見通しだったのか。
理事長から差し出された菓子箱を開けたオーナーは、小さな驚きの声を上げた。
私ものぞいてみた。
みかんや梅、寒椿などに混じって、雪だるまがいた。
なんだか目が合ったような気がした。
「可愛らし過ぎて、とても食べられませんね。」とオーナー。
「賞味期限がありますから。」
理事長は次の約束があるので、とコーヒーを一杯飲んだだけで出て行った。
ねえ、高梨さん、このお菓子をじっと見つめていると、あの方の優しさが伝わってきて、とっても暖かく幸せな気持ちにならない?
再度箱をのぞき込みながらそう独り言のように言ったオーナーの笑顔は、写真に収めたいほど可憐なものだった。