このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
ブルックス・ブラザーズのネイビー・スーツにアクアスキュータムの黒いコートを羽織った息子を乗せて、成人式の会場へと向かった。
最後の急な坂道は同じ目的の車両で大渋滞していた。
あれ?これ、なごやかの車かな?と助手席の娘が前の車を指さす。
確かに、ナンバーは(僕が集めている)8004番だったが、法人の活動車ではない。
すると、その後部座席に乗っていた、美しく着飾ったお嬢さんが急にこちらを振り返り、軽く会釈した。
ざしき童子だった。
ああ、息子の晴れの門出を祝って、先導してくれるのか。
僕は胸が熱くなりながらも、心の中でわざと軽口をたたいた。
「お振り袖姿は少々無理があるんじゃないですか?」
きっと聞こえたろう。