タイは野良犬を含めて犬に優しい国です。 タイ国ほど犬にとって暮らしやすい国は
ないかも知れません。 きっと こんなことも要因の一つでしょうか。 昨日からの続きです。
2000年初めかな、プミポン国王が野良犬の収容施設を視察の際に 貰ってきた犬を “トンデーン” と
名づけて、「外国から高い犬を 輸入しなくても、国内でも良い犬が いくらでもいる」 と可愛がり、
10年前に この愛犬トンデーンと国王との心温まる交流を描いた本が、ベストセラーになったことも
野良犬を大切にする要因になっているよう。 そのトンデーンも昨年、亡くなってしまいましたが ・・・
タイではその場所に居ついた野良犬を地域犬として、その地域の住民が食べ物を与えて可愛がります。
これなど 明らかにプミポン国王に習っているような気がしてなりません。 タイでは、日本のように
保健所に連れていかれて処分されることもありません。 だからか、市内でも野良犬がのさばって
いるのか知れません (苦笑)。 人が多い狭い歩道でも堂々と寝そべっています。 したい放題です。
日本の保健所に当たる公共獣医局という所が 「バンコクを徘徊する野良犬の数は約10万匹いる」 と
公表されて、外国人ばかりかタイ人までもが驚いています。 そりぁ~ アチコチで見かけるわけですネ。
同局では野良犬に関して寄せられた苦情や通報の情報を元に、捕獲やその状況改善をしているようです。
寄せられる情報で一番多いのが、狂犬病に感染している恐れがある。 次が凶暴で人を襲ってくる。 そして
吠え声の騒音だそうです。 情報数が市内で年間4,500件にもなるとか。 実はタイ人も困っているんですネ。
捕獲された野良犬は、バンコクのプラウェート区の施設に運び込まれ、獣医によってワクチンの接種や健康
状態を診ます。 問題がなければタイ北部ウタイタニー県でバンコク都庁が設立した施設へと移送されます。
ここで日本との違いで出ます。 日本の保健所と違いタイの収容施設では殺処分がありません。 タイの上座部
仏教には生物を殺生してはならないという戒律があり、敬虔な仏教徒が多いタイ人らしい配慮と思われます。
毎年 7千匹 前後が保護され、年平均で 5千匹 以上が施設で飼われ、死ぬまで世話するといいますから、
莫大な飼育・医療費用がかかります。 獣医局では年間で約2,500万バーツかかると公表しています。
2,500万バーツと言ったら、約7,750万円ですヨ。 タイの諸物価と対比したら相当な金額でしょう。
それを軽減しようと獣医局では、タイ人に限り 「絶対に捨てない」 ことを宣誓してもらった上で里子に
出しているようです。 犬情報を認識するチップの埋め込みも義務化し、宣誓を破り 捨て犬にした場合、
飼い主に罰則が科せられることになっています。 日本人は里子にはなれませんけどネ ・・・
タイの特に 野良犬は幸せですよネ。 人間の老人ホームはどうなんでしょう。 今度 取材してみます。
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