昨日、バンコク伊勢丹が8月31日で営業を終了し、28年にわたる歴史の幕を閉じました。
タイ国にて、日本の大手企業が業績低迷で撤退するのは珍しいことです。 残念ですねぇ~
閉店の理由は「セントラル・ワールド(CW)を運営するタイの流通大手セントラル・グループ
傘下のセントラル・パタナー(CPN)との間で、賃料など諸条件面の不一致」とされています。

ですが、1990年代後半以降、モダンなセントラル、モール、欧州系のテスコ、カルフールという
地場系 及び 外資系の小売り大手に押され、CWの中でも目立たない存在となって行きました。
タイ経済の成長を追い風に、ここ30年でタイの消費市場は大きく変化してきました。が、バンコク
伊勢丹はサイアム・ドラゴンなどのように積極的に若者向けの新しい展開に取り組みませんでした。

<ユニクロも成功しているかな>
ましてや消費市場の変化と共に、消費者行動も大きく変動してきました。 ショッピング
モールさえ背を向け、代わりにオンラインで商品を注文する若い世代も急激に増えました。
開店当初から暫くは、日本製品を購入するには伊勢丹が代表的な場所でしたが、2010年代に入り、
様々な所で様々な日本製品が容易に入手できるようになり、存在価値も無くなってしまいました。
今はコロナ禍で行けませんが、昨年まではノービザで訪タイが可能の時代になりましたしネ。

<ドンキホーテも進出>
バンコク伊勢丹を支持してくれていた富裕層は高齢化し、若い消費者はCWへは訪れても
古くなった売り場になり、取り残されてしまった感がある伊勢丹まで足を運びません。
これを見ていて、たびたび寂しい思いをしていたものです。それは私だけではないでしょう。
伊勢丹が三越伊勢丹ホールディングスの傘下になって10年前後です。この時、バンコク伊勢丹も
リニューアルしたり、多少の変化はあるだろうと期待していましたけど、何もありませんでした。

<フェイスブックで最後のご挨拶>
あるフロアマネージャーが言っていたように「一部のリニューアルはしても宣伝費など使わず、
本社はバンコク伊勢丹には力を入れていないように感じていた」といいます。いつも、代わり
映えしない売り場はそのまま、これではスタッフのモチベーションも上がらないでしょう。
今さら、こんな振り返りをしていても意味ありませんが、日本の三越伊勢丹ホールディングスが
タイの消費市場についていけず、競合他社に敗北したようで、悔しく残念で仕方ありません。

今後 伊勢丹だった地上6階・2万7000平方メートルのスペースは改装し、新たなテナントを
誘致して2021年半ばに新装オープンする計画とのこと。今まで通り、6階の紀伊國屋書店と
日本レストラン街の一部は9月以降も当面営業を継続する予定だそうです。新装オープンまで
様子見でしょうか。 伊勢丹がCWなどに生まれ変わって繁栄したら どうしましょ ・・・


「タイでゴルフ友達になりましょ」 のホームページです



https://www.youtube.com/watch?v=TKHwChWBFts
日本国内でも、地方では老舗の百貨店が続々と閉店しています。
徳島県と山形県では百貨店がゼロになったそうです。
衣料品にしろ、電化製品にしろ・・・それぞれ専門店がありますから、わざわざ百貨店で買う意義はありません。
また、経営の仕方が違っています。
イオンモールのように、スーパーを核として、多くの専門店を誘致し、不動産の賃貸で稼ぐのが主流になっています。
タイのセントラルグループにしろ、モールグループ(サイアムパラゴン、エンポリウムなど)にしろ、同じ構造になっています。百貨店スペースはほんの少しで、売り場の大半は専門店です。イオンと同じように不動産賃貸で稼いでいます。
百貨店部分だけで商売するのは難しい時代です。
バンコク伊勢丹にも何度か行きましたが、賑わってるのは、食品スーパーフロアと総菜売り場だけで、本体フロアは閑古鳥でした。
数年後は高島屋の撤退もニュースになるかもしれません。
6Fにある日本食レストラン街は9月27日まで営業し、その後はリニューアルし、来年6月頃、再オープンするようです。
https://www.youtube.com/watch?v=WTjb2nDRp8w
賢明な選択と言うか? 決断がやや遅れた感は否めません。
http://www.newsclip.be/article/2020/10/29/43552.html