
これって、田んぼの隅っこなんです。それも、住宅地に接した小さな田んぼの隅っこなんです。
たまたま出会ったんです。ドジョウたちに。
それも、産卵しているドジョウたちぃにです。
前を泳いでるのがメスです。その後ろにオスの姿が見えるでしょう…
子どもの時以来です。ドジョウ獲りをしていた小学生の低学年の時に、見た覚えがあるんです。見て、ガキ大将のアンちゃんに、それが何かを教えられて大興奮した記憶があるんです。60年以上前の夏の記憶です…、すごい!
昨日はね、伯母さんとユキ子さんは岐阜へお出かけしたんです。伯母さんの古いお友だちのお祝いの会に出席するんだとかなんかで、一泊のお出かけです。
見送りしてから、キキに「今日はどうしよう、何してるかな…」って聞いたらさ、<ぐうたらしてるに限るよ、お休みでしょ>だって。猫だいね。
でもさ、しば漬けの桶をのぞいたら、もう出来上がりそう、漬け液が澄んできてて、なめてみると十分な酸味が出てるんです。
夕方には、揚げて、冷蔵庫に移して、発酵がこれ以上進まないようにしてあげなくてはいけなそうです。
それで、やっぱ働くか、ということになって、上泉の食の駅に自転車で出かけました。自転車で運べるだけのキュウリとナスを買いこんで、次のしば漬けを仕込むことにしたんです。
片貝から上泉にかけて、すっかり緑の濃くなった田んぼを見ながら、自転車走らせてたんです。ときどき、ホウネンエビはいないかななんて、田んぼをのぞき込みながら…
そしたらさ、水路から水を取り入れる円筒の周りが、ざわざわしてる田んぼに出会ったんです。
なんだろうな、泥で水は濁ってます。小さな泡がわいてます。波紋も広がってます。
何かいるんです、何かが起きてるんです。
自転車を降りて、しゃがんで、じっと水面を見ていました。
ようく見てると、小さなドジョウの姿が見えるんです。いっぱいいます。
腸呼吸のために、空気を吸いに水面に次々と浮かんできて、頭をちょこっと出して、くるっと回転して泥水の中へもぐって行きます。
体長は、1㎝から2㎝ほどの小さなドジョウ、まだ孵化して間もないんじゃないかな…
ドジョウの産卵期は5月から7月、子どものころに、夏休みに入る前に捕まえたドジョウのお腹には、卵がいっぱい詰まってたのを覚えています。夏休みになってからのドジョウには、卵はなかったです。
こんな小さな、住宅地に接した田んぼにもドジョウがいるんだ、それも、この田んぼで孵化してるんだ、なんかすごく感動しちゃいました。
こんなにも一杯のチビドジョウを見ることも、ずいぶん久しぶり、子どもの時以来です。すごいな~、働く気になったご褒美なんだな…
チビドジョウを見てたら、大きなドジョウがチビドジョウの間をゆっくり泳いでいるのが見えました。
そうなんです、ドジョウって、親子が一緒に暮らす魚なんです。昔、水路にウケ(『ド』って呼んでました)を仕掛けておくと、大きなドジョウとチビドジョウが一緒にかかるんです。
ドジョウ獲りは、夏の男の子の一番の遊びでした。
「おえ! チンコイのはぶちゃれや!」、ガキ大将のアンチャンが、でっけえ声で命令するんです。それで、小さなドジョウは水の中へ戻されるんです。子どもたちにも、資源の保護が身についてた時代なんです…
でもさ、この大きなドジョウ、チビドジョウの間をゆったりと泳いで、どこかに行きます。しっかり目で追います。
泳いで行った先は、あの水の取り入れ口のすぐ脇です。
さっきもそうでしたけど、泥水が沸き立ってます。泥水の中で何かが激しく動いてます。
見えるかな、大きなドジョウの腹なんかが見えるでしょう、ドジョウが暴れてるんです。
いえ、暴れてるんでなくて、産卵しているんです。
ドジョウは、メスの方がオスより少し大きいんです。それに、産卵期のメスは太いですけど、雄はスリムなんです。そのスリムなオスが、雌の胴に巻きついて、メスが産み落とす卵に放精して、受精させるんです。
昔見た産卵は、もう少し水が澄ん出ました。だから、メスに巻きつくオスの姿がものすごく印象的でした。
アンチャンの解説聞きながら、少年たちは、興奮してました。「すっげえ~、つるんでら、つるんでら!」「やってる、やってるぅ〜!」って…
遠い夏の日の記憶です。もちろん、この興奮は、親にも姉さんたちにも内緒でした。
買い物はこれだけ、ナスは50個、太い地這いキュウリは21本、それにシソ4束、新ショウガ2袋、野菜はこれだけです。これくらいが、自転車で運ぶことのできる限界なんです。
それと、野菜を荷卸ししてから、近所で調達した水のペットボトルが6本です。これだけ使って、午後はお仕事することにしました。
昼食はそばです。庭の菜園で採れたキュウリいっぱいの、キュウリソバです。大根の千切りだと、『すずしろそば』なんて洒落た名前付けられてるけど、キュウリだと名前がないな…、『きりぎりそば』ってどうかな、ダメかな…
ドジョウさん見た興奮冷めやらぬ昼食でした。
お仕事ぶりは、次の記事にします。長くなりすぎますから…
前橋で日本舞踊の師匠をしている直派若柳流の若柳糸駒です。
前橋のまちで、毎年4月に『美登利会』という舞踊会に参加しています。お稽古場は、城東町4丁目です。よろしくご贔屓のほどお願い申し上げます。
その、『美登利会』の様子は、こちらでご覧ください。
舞踊教室などのご案内は、こちらで申しあげております。
若 柳 糸 駒
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