昨日の通勤途上の水田です。稲がもうこんなに伸びています。たの水が見えなくなって、葉が風に揺れてます。馬場川の岸では、クサギが花をつけて芳香をまき散らしています。
夏です。夏も盛りを迎えました。
前橋工科大学のキャンパスに生えているエゴノキにできたエゴノネコアシアブラムシの虫こぶ(ゴール)、『エゴノネコアシ』はこんな姿になっていました。
バナナの実みたいな形をしたゴールの先が開いています。もうアブラムシたちは虫こぶ(ゴール)捨てて飛び去って行ったんです。一部は枯れ始めました。
そういや、今日は小中学校の1学期の終業式だいね、虫こぶとは関係ないけど。
ことの初めは5月の初め、田んぼの麦がようやく色づき始め、道端にはクサフジの花が目にとまるようになっていたころです。 前橋のまちの麦秋が始まる初夏のことでした。
エゴノキは白い花をたくさん咲かせていました。純白の花弁、薄黄色のしべ、かわいい花です。咲くそばから散ってゆきます。木の下は、散った花が薄雪のようです。気をつけてみると、右の写真です、左下に小さな黄色の塊が見えるでしょう…
5月9日のこと、エゴノキの新芽の葉っぱ、長さは2cmほどの柔らかな葉の裏に小さな卵の塊を見つけました。その卵を、テントウムシの幼虫が食べていました。
この卵がどんな昆虫の卵か私にはわかりません。でもね、昆虫たちの暮らしがうんと忙しくなってきていたんです。初夏ですから…
卵を見た10日後の5月19日、エゴノキの新芽の中に形の変わったのを見っけました。新芽が丸く固まってきています。これは、エゴノネコアシアブラムシが新芽にとりついて、新芽に形を変えてもらって、自分たちが暮らす虫こぶ(ゴール)になってもらっているんです。
普通の新芽はこんな形です。目は鋭くとがったヤリ先のように突き出しています。これが広がって葉になるんです。
エゴノネコアシアブラムシが出す何らかの物質がエゴノキの新芽に働きかけをして、エゴノキの新芽の成長を歪めるんですね。葉っぱにならないで、その中でアブラムシたちが暮らす虫こぶ(ゴール)になってしまうんです。
こちらは、同じ日に見つけた少し成長した虫こぶ(ゴール)です。アブラムシは、この丸い虫こぶの中にいるんです。
アブラムシが手足を使って自分が暮らす家をつくるわけではないんですね。エゴノキに働きかけて、エゴノキに作ってもらうんですね。不思議だいね…
5月30日です。虫こぶ(ゴール)はこんな形になってきました。細長いゴールが複数一塊になって、バナナの房みたいに見えます。写真の虫こぶ(ゴール)の径は約1cmです。
それぞれのゴールの中で、アブラムシは無性生殖で、しかも胎生、卵でなくて仔虫を直接生みます。雌だけの世界なんですね。雄はいないんです、この家の中には。
6月9日です。少し大きくなりました。ゆっくりですけど、虫こぶ(ゴール)は成長しています。
中で暮らすアブラムシとその仔虫たちは、内壁に口吻を差し込んで、エゴノキから餌を得ているんです。中は、きっと薄緑の光の世界なんだろうな…
6月20日、虫こぶ(ゴール)の径は2cmを越えました。外側についている白いのは、コクロヒメテントウ幼虫、アブラムシは大好物ですが、アブラムシは虫こぶ中で暮らしてますから大丈夫。こうして、快適で安全な暮らしを確保しているんです。
キキにちょっと登場してもらいます。前脚の足先が見えるでしょう、これと、虫こぶ(ゴール)の形が似ているっていうんです。それで、この昆虫に、エゴノネコアシアブラムシという名称がつけられたんだそうです。
まあ、似てるってば似てるかな。昆虫生態学者って猫好きが多いのかな。
動物生態学の日高敏雄さんは、大の猫好きでしたけど、昆虫の世界にもいるんだろうな、日高さんみたいな人が…
6月24日、九つ一塊だった虫こぶ(ゴール)の一つ一つがしっかり離れて見えるようになりました。中にはたくさんのアブラムシがいるはずです。どんな虫かお目にかけても良いのですが、けっこう気味悪いんでお目にかけないことにします。
どうしても見たい方は、夕菅さんのブログ
でご覧ください。
6月29日の虫こぶ(ゴール)です。
こぶの先が開いています、魚の口みたいに開いているのがわかりますよね、アブラムシが出て行ったんですね。ここで暮らすのをおしまいにしたんですね…
エゴノネコアシアブラムシは6月末から7月の初め、気温が高くなると、アブラムシに羽が生えて、虫こぶ(ゴール)から飛び立っていくんです。飛び立つシーンを撮りたいんで、毎日のように見回ったのですが、撮影できませんでした。写真は、7月3日のです。
飛び立ったアブラムシは、イネ科のアシボソという植物に引っ越すんです。今度は、アシボソでは虫こぶを作ってもらわずに、葉を丸めてコロニーをつくって暮らすんです。
でも、分からないな、快適・安全な虫こぶ(ゴール)を提供してくれていたエゴノキから、リスクの多いアシボソに引っ越すのか、どうしてなのかな…
<あんね、アシボソってこんな植物なの。おヒゲがさ、工科大の中で探したんだけど見つからなかったって、きっと近くの田んぼの畔とか水路端にいっぱい生えてると思うよ。そのうち、おヒゲが見つけてくるからね…>
こうして、アブラムシが去った虫こぶは役目を終えて枯れ始めたんです。虫こぶはエゴノキの芽が変形したものですから、葉っぱが枯れるみたいに茶色く枯れるんです。
昆虫と植物の不思議な関係です。2ヶ月ちょっと楽しませてもらいました。
エゴノキの実です。
人間社会ではさ、おかしなのが住み着いたおかげで、その社会が変質しちゃったりすると、みんなが困るんだよね。たった一人でも、みんなの暮らし全体に影響が出てしまって…
エゴノネコアシアブラムシみたくに、自分の都合だけで、みんなが暮らす社会に勝手な変形を求めるような輩はさ、迷惑なんですよね。本当に、迷惑なんです。
前橋で日本舞踊の師範をしております、直派若柳流の若柳糸駒です。
7月26日(土)昼12時半より、前橋文化会館小ホールで、『美登利会浴衣ざらい』を開催いたします。入場無料ですので、お気軽にお越しください。
舞踊教室等のご案内はこちらをご覧ください。
4月に開催いたしました『美登利会』の様子は、こちらでご覧下さい。
若柳糸駒
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私、あれくらい平気。家の木にもあるのかな?
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あのね、びっしり入っていることもあるのです。特にね、仔虫がびっしり…
大丈夫かな…