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流野精四郎&東澤昭が綴る読書と散歩、演劇、映画、アートに関する日々の雑記帳

つれづれのこと

2010-06-27 | 日記
 先日、ある会の事務局をやっている人たち数人の集まりに参加した。特定の名前を出すと差し障りがあるかもしれないので、ある町の「歴史と文化を語る会」とでもしておこう。
 その会が設立から10年が経とうとしていて、その記念の本を作ろうということで盛り上がっているのだ。ホントウを言うと、盛り上がっているのは事務局をやっているMさんだけなのかも知れず、その危なっかしさに手伝おうと手を上げた奇特な方たちが集まって編集会議を催しているのである。
 私もなんとなく声をかけられ、その会に参加する事になったのだ。

 2時間ほど素面のまま真面目な会議をやり、煮詰まったところで飲みに出た。
 南池袋にある劇場シアターグリーンが数年前にリニューアルオープンし、さらに最近になってその1階部分がなかなかおしゃれなカフェになっている。そこで我々数人が陣取りワインを片手に話しに花が咲いた。

 その中で話題になったのが、先日BSテレビで放映された番組のことで、画家ゴッホの他殺説を扱ったものだ。
 私は観ていないのでなんともいえないけれど、メンバーの何人かは観ていて、かなり信憑性があると感じたようだ。
 もう一つ話題になったのが、リコーダー演奏家で音楽文化史研究家の古山和男という人が書いた「秘密諜報員ベートーヴェン」という本のことだ。
 ベートーヴェンが「不滅の恋人」に宛てて3通の手紙を残したのは有名な話。だが、恋文にしては不自然な点が多く、実は暗号密書だったのではないかというのが、その本の提示した仮説なのだという。

 この手の話は専門外の人間にとっても無責任にいろいろなことが言える反面、論拠となる資料や物証を見てもいなければ知識もないので何とも捉えどころがない。
 所詮は酒の肴と思いつつ、我が家にあった芸術新潮の1990年8月号「ゴッホ最後の70日」を取り出して読んだりしている。ゴッホ没後100年記念の特集号である。そういえば今年は没後120年ということになるのか・・・・・・。

 さて、昨日はザ・スズナリで流山児★事務所の「お岩幽霊 ぶえのすあいれす」(作:坂口瑞穂、演出:流山児祥)を観た。
 1時間40分に凝縮された骨太のドラマである。これは素材となった「四谷怪談」を書いた鶴屋南北の功績なのか。これについては、坂口瑞穂氏がパンフレットに書いているが、台本が出来上がるまでの演出家・流山児祥からの何稿にも及ぶダメ出しの執念深さがすべてを物語っているように思われる。何かを成し遂げるにはやはり何かにトリツカレル必要があるのだ。
 それにしても流山児さん、少し目立ちすぎではないかなあ。叱られることを承知でいえば、ドラマの本筋でないところでやんちゃぶりがイヤでも目だってしまうので全体の芝居がゆるんでしまうのだ。
 それともそれは計算づくなのか、座長芝居にありがちなアソビなのか。でも本編の舞台は本当に素晴らしかったですよ。