集団就職でふるさとを後にした心情などを歌った「あゝ上野駅」が大ヒットした歌手の井沢八郎（いざわ・はちろう、本名工藤金一＝くどう・きんいち）さんが１７日午後１１時１８分、食道がんのため東京都内の病院で死去した。６９歳だった。通夜は２５日午後６時、葬儀は２６日午前１０時から東京都八王子市山田町１６８１の２の同市斎場で。喪主は妻美代子さん。青森県出身で、６３年に歌手デビューし、翌年、「あゝ上野駅」を発表した。ＪＲ上野駅の広小路口には０３年７月、歌碑が建てられた。ほかの代表曲は「北海の満月」「男傘」など。俳優工藤夕貴さんは長女。
（朝日新聞）
「ああ上野駅」歌碑どこかに故郷の 香をのせて
入る列車の なつかしさ
上野は俺らの 心の駅だ
くじけちゃならない 人生が
あの日ここから 始まった
「父ちゃん 僕がいなくなったんで
母ちゃんの畑仕事も大変だろうな。
今度の休みには必ず帰るから、
そのときは父ちゃんの肩も母ちゃんの肩も、
もういやだっていうまで叩いてやるぞ、
それまで元気で待っていてくれよな」
就職列車に ゆられて着いた
遠いあの夜を 思い出す
上野は俺らの 心の駅だ
配達帰りの 自転車を
とめて聞いてる 国なまり
ホームの時計を 見つめていたら
母の笑顔に なってきた
上野は俺らの 心の駅だ
お店の仕事は 辛いけど
胸にゃでっかい 夢がある
作詩：関口義明 作曲：荒井英一
