いとうな日々

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無欲であれば誰でも予見は出来る

2010-02-12 | 読書

「播磨灘物語」を読み終えた。作者・司馬遼太郎はあとがきを次のように書き出している。

【『播磨灘物語』を書きおえた。
ふりかえってみると、最初からべつに大それた主題を設定して書いたわけではなく、戦国末期の時代の点景としての黒田官兵衛という人物がかねて好きで、好きなままに書いてきただけに、いま町角で、その人物と別れて家にもどった、と言うような実感である。】

関が原の戦いで、官兵衛の子である長政が功をなし、徳川家康が豊前中津十数万石から筑前五十二万三千石に引き上げた。官兵衛・如水の指示で、黒田家発祥の地である備前福岡の地名を記念して、福岡と名づけたのである。

福岡に生を受けた者としては幼い頃より聞かされてきた話であり、子供の頃より黒田官兵衛のようでありたいと思ってきたことを今更ながら思い出すのである。隠居してからは「身ハ褒貶毀誉ノ間ニ在リト雖モ心ハ水ノ如ク清シ」あるいは、「水ハ方円ノ器ニ随フ」からとったと言われている如水と号した。

自分の人生に黒田官兵衛の足跡を重ねるとき、この上ない親近感を覚える。一つ一つの困難を解決することにこそ喜びがあり、そのことによる、評価や報酬、名誉などと言うものはどうでも良いのである。少なくとも、自分の周りに大勢の人が居てくれさえすれば・・・