坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

モダン・アート、アメリカン 

2011年06月02日 | 展覧会
印象派の代表的な作品群が展覧されるワシントン・ナショナル・ギャラリーの開催の後、(6月8日~9月5日)国立新美術館では、「モダン・アート、アメリカン」展が開催されます。
アメリカ美術というと、戦後の抽象表現主義のポロックやマーク・ロスコらアメリカの風土から生まれた絵画の潮流に中心が集まりますが、本展では戦前のアメリカ・モダニズムの流れも豊かなコレクションで展開していきます。
1921年にアメリカ初の近代美術館としてワシントンの中心地からほど近い、緑豊かな住宅地の一角に建つフィリップス・コレクションが開館しました。本展はフィリップス・コレクションから、ジョージア・オキーフ、エドワード・ホッパー、グランマ・モーゼス、ポロック、ロスコ、サム・フランシス、フランケンサーラーら110点の作品が展覧されます。
掲載作品は、ジョージア・オキーフ「葉のかたち」1924年です。夫で、写真家のスティーグリッツに仕事上でも触発され、自然の風景や事物を独自の視点で描いていきます。オキーフ特有のクローズアップした花と重なり合う葉が官能的な美をうたいあげています。

◆モダン・アート、アメリカン/9月28日~12月12日/国立新美術館(六本木)