坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

日本画の新しい風

2010年08月20日 | 展覧会
東京・南青山の新生堂が主催する新人の発掘を目指す「新生展」が、今年で14回展を迎え、大賞に、現在筑波大人間総合科学研究科博士課程に在籍する白田誉主也(はくたよしゅや)さんの日本画作品「夏の気配」(掲載画像)に決まりました。
ナイーヴで明るい色調で、フレンチブルの顔を中心に大きくとらえた作品です。40号のスクエアの大きさで1メートル四方あり、迫力がありますが、優しい温かさが感じられます。同作家のもう1点は、片目の猫を描いた作品「伝えたいコト」で、この作家の内面的なメッセージが伝わってきます。新しい日本画の空気を感じる作品群をこれからも注目していきたいです。
●新生展(青山・新生堂)/8月25日~9月4日/Tel03-3498-8383

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