坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ジョージア・オキーフ 創造の源泉

2010年08月04日 | アーティスト
ジョージア・オキーフ(1887~1986)。70年にも及ぶ画業の中で、風景、花、動物の骨などを主題にして描き、巨大な花の絵は200点ほど制作しました。毎日の真夏の日差しの中、ヒマワリもうなだれるような日差しの強さに、一つの生命体としてしなやかに浮遊するオキーフの花を思い浮かべたのです。
掲載画像はだいぶ小さくなりましたが、けしやペチュニア、アネモネなど特別な花を描いたのではないのですが、画面に大きく映された花は純粋な色彩と独特の視点により、それまで誰もが描かなかったは花のイメージを紡ぎました。夫で有名な写真家、スティーグリッツの作品に触発されることも多かったでしょう。
ニューヨークで活躍していた画家ですが、40代にニューメキシコ州に旅して以来、砂漠や牛の頭蓋骨と花を組み合わせたモチーフが多く登場しました。そしてその地が、インスピレーションの源となり続けたのです。