1997年に南アフリカから遠く離れたインドネシアのマナドでもシーラカンスが発見された。 アメリカ人の海洋生物学者が新婚旅行で発見したものだ。最初に市場で見つけたのは若奥さんだった。青いヒレをもつ大きな姿の魚に驚いて夫に伝えたのだ。
生きた化石と呼ばれるシーラカンスは特別な生きものだ。 1938年に南アフリカで発見され、二匹目が発見されたのは14年後であった。 こうしてシーラカンスの発見は二十世紀海洋生物の二大発見の一つとされている。 もう一つの発見は熱水噴出孔生物の発見である。
捕食者から逃れるために酸素の薄い層に生息するコウモリダコ、それでも捕食者が近づくとクルーと身体をひっくり返してパイナップルのような姿勢をとります。黒く身体を覆うとコウモリダコが見つけられなくなって逃げられるのです。
フランスのクストーは多くの若者に海のロマンを伝えた。カリプソ号の活躍やプレコンチナン海底居住実験、そして潜水船「ダイビングソーサー」からの深海映像には私たちを虜にさせる何かがあった。 そして海の研究者を目指した若者も多い。
ロシアの科学アカデミー所属の潜水調査船「ミール」は「ミールⅠ」と「ミールⅡ」の双子の潜水調査船で、一隻の支援母船から2隻の深海潜水調査船を同時に潜航させることができる。 これまでのハリウッド映画では一隻にカメラを乗せて、一隻は照明係と役割分担して素晴らしい映像を撮影している。
IFREMER海洋研究所の深海ロボットは水深6000mまで潜航できるので、あらかじめ有人潜水調査船のノチールが潜航して良い成果を上げるような海域を調査している。事前に無人探査機が調査して絞り込んだ調査地点を運航費用の高い潜水調査船が潜航するのが通常のオペレーションだ。
フランスは海洋開発の先進国、IFREMER海洋研究所が誇る潜水調査船「ノチール」は1984年に完成、水深6000mまで潜航できる。これまで1500回の潜航を行っている。3人乗りで耐圧殻は内径2.1mチタン製である。
1929年に開発された西村式豆潜水艇は、西村一松さんが開発した世界初の潜水調査船です。漁業資源やサンゴの採取をと建造され、バッテリーで水深200mまで潜航できるものであった。 日本が誇れる深海技術の一つです。
お隣の中国は最近調査に力を入れている。エネルギー資源の開発や地震などの科学研究のためである。さらに中国らしいのは漢方薬の開発に深海生物や熱水噴出孔生物などを研究するという点だ。 目玉としては水深7000mという世界一深く潜れる潜水調査船だ。すでにパイロットなど人員養成もすんで今年2010年には本格的な運航が開始される。
1977年に発見された熱水噴出孔、この30年で約100個所もの熱水噴出孔が見つかった。これまで見つかった最高温度は大西洋中央海嶺での407℃だ。 これまで最も深い場所は水深3600mである。 今後水深6000mで見つかれば480℃もの熱水噴出孔の可能性もある。