
みなさま、お久しぶりでございます。
「ヤマトよ永遠に REBEL3199」第三章はもうご覧になられましたでしょうか?
劇場公開開始から1週間が経過しましたので、今日は2199以来の当ブログのルールに則り、ネタバレ込みで少し書いてみようと思います。
取り上げるのはもちろん、満を持して登場した「アリゾナ」ですね。
オリジナルデザインは2199で総監督を務められた出渕さんの手によるもので、北米管区が建造した「護衛戦艦」として「宇宙戦艦ヤマトⅢ」に登場しました。
3月末まで都内で公開されていた「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」でも、オリジナル版の原画が展示されていたそうです。
ヤマトとアンドロメダと主力戦艦のカッコいい成分を抽出して「3」で割ったような絶妙なバランスのデザインで、オリジナル版の後期ヤマトシリーズでは屈指の人気艦かと思います。
しかしその一方で、劇中での登場はわずか数カット、しかも活躍シーン皆無のまま撃沈されるという悲運に見舞われました。
正直、劇中で果たした役割とデザイン的な人気がここまで乖離しているメカも珍しいですね。
さて、オリジナル版では「護衛戦艦」というカテゴリーだったアリゾナですが、3199ではシンプルに「宇宙戦艦」という艦種類別になりました。
2205以降のアンドロメダ級も同じ扱いを受けていますので、このあたりの統一感は好感が持てます。

3199版アリゾナは、ガミラス戦争末期に建造中だった移民船という出自がヤマトと共通しており、ヤマト型のそれを更に進化させた内殻・外殻の構造(モジュール化構造)が特徴のようで、これはこれで妄想のし甲斐がありますが、本日はこの点については触れません(笑)
取り上げるのは、「国連主導により各行政管区で進められた移民船」という方ですね。
ガミラス戦争時代には、国連宇宙軍の標準艦である「AU艦」をベースとした宇宙艦艇が世界中で建造されているので、各国の装備規格はもちろん、工業規格までかなり統一されていると考えられます(それでもセンチとインチはそれぞれ生き残っているようですが)。
そんな環境下では、各国で極端な技術的優劣は生じにくく、当時製造可能な従来型主機/エンジンのサイズ(質量)出力比もあまり変わらないと思います。
エンジンの技術レベルが同等で、求める「攻撃力」「防御力」「機動力」「居住性(移民船なので)」のバランスも同じようなものであれば、おのずと艦の規模は決まってきます。
言い換えれば、各国の移民船の規模には極端な違いは生じないということです。
差が生じるとすれば、むしろ工業力(建造ドックの規模)に起因する場合でしょうか。
とはいえ、やはり一定以上の国力を有する先進国においては差は生じにくいでしょう。
結果、北米管区であれ極東管区であれ欧州(EU)管区であれ、建造されていた移民船の規模はヤマト程度――300~350メートルくらい――になるんじゃないかと思います。
そしてこの時、武装に割り当てるリソースがヤマトと同程度であれば、搭載砲の規模もやはり同程度になるのは必然です。

建造中にイスカンダル由来の波動エンジンを搭載することになったヤマトは、当時の地球の決戦兵器である陽電子衝撃砲(ショックカノン)を主/副砲として15門も搭載しました。
従来型主機の宇宙戦艦では陽電子衝撃砲は軸線砲として単装装備が精々だったことを思えば、波動エンジン搭載前のヤマトの搭載砲は、艦首にのみ軸線砲式の陽電子衝撃砲、主砲は金剛型より出力・口径をアップした高圧増幅光線砲くらいだったかもしれません。
そして、そうした武装構成はおそらく移民船時代のアリゾナも同様だったと思いますが、逆に言えば波動エンジンを搭載すればヤマトと同等の火力を持たせることは容易でしょう。
第三章パンフレットよると、アリゾナの主砲は「陽電子衝撃砲」であり、2202時代に広く採用された「収束圧縮型衝撃波砲」ではありませんでした。
実際、主砲発射時のSEもヤマトのショックカノンのそれと同じだったと思います。
今のところ非軸線砲型且つ砲身式の陽電子衝撃砲を装備しているのはヤマト型のみであることと、先に述べた艦の規模を考え合せると、アリゾナにはヤマトと同口径の主砲(48サンチ陽電子衝撃砲)が搭載されている可能性が高いと考えます。
砲塔も砲身もヤマトとは形が違うじゃないか!というお叱りを受けそうですが、そこはデザイン的な都合ということでご容赦下さい(おい)
冗談はさておき、デザイン的な点で言えば、アリゾナの砲身基部の形状はヤマトのそれに酷似しており、アンドロメダ級やドレッドノート級の主砲デザインとも明らかに異なります。

それらを考え合わせてアリゾナの主砲は
1)口径はヤマトと同じ48サンチ
2)砲身には陽電子収束器を設置(収束率向上)
3)砲塔にはコンデンサー設置(発射速度向上)※砲塔側面の張り出し?
4)実体弾の給弾システムや弾薬庫はヤマト型と同型
(ヤマト型の三式融合弾等の実体弾をそのまま使用可能)
そんな特長を持っているんじゃないかと。
つまり、ヤマトの陽電子衝撃砲と、A級/D級の収束圧縮型の特徴を兼ね備えた(良いとこ取りした)新型砲なのではと思ったりしています。
そしてこの開発と製造が、ヤマトの48サンチ陽電子衝撃砲の製造実績を持つ南部重工に発注されたため、アリゾナはわざわざ日本の南部重工のドックで最終艤装を受けることになったんじゃないでしょうか――というのがこの妄想の結論です。
もちろん、アメリカのメーカでも同じ主砲を作ろうと思えば作れるでしょうけど、既存の図面や製造インフラを流用できる南部重工に対してコストや納期で不利になるでしょうし、何よりヤマト用・銀河用で築いた南部重工の実績は大きすぎます。
尚、三章のパンフレットでは、加藤直之さんが建造ドック内のアリゾナのバックショットを描かれています。
ちょうど、舷側砲(副砲?)がバーベットごと設置されようとしているシーンで、南部重工は主砲だけでなく舷側砲も合わせて受注したということなのでしょう。

そして、この妄想が正解なら、もう一つ二つ別の妄想も浮かんできます。
ガミラス戦争時の移民船を出自とする艦はヤマトとアリゾナだけではなさそうです。
公式HPのアリゾナの紹介文には「建造を再開された艦のひとつ」とあるので、建造再開された艦は他にもあるのでしょう。
その内の一隻は、資料集にアリゾナと同じく名前が出てきたプリンス・オブ・ウェールズかもしれませんし、あるいは名前が載っていないビスマルクやノーウィックも存在しているのかもしれません。
それらの艦が、アリゾナ同様ヤマトと同規模の艦なのであれば、主砲にはやはり48サンチ陽電子衝撃砲が装備される可能性があり、もしそうなら、その艤装のために極東(南部重工)に回航されることもあったかもしれませんね。
個人的には、連装48サンチ主砲四基を搭載したPOW級がぜひ見てみたいです。

そしてもう一つの妄想。
アリゾナが極東管区(日本)に回航されたタイミングに、デザリアムの地球侵攻がなかったり、もっと侵攻遅かったりした場合には、アリゾナはイカルス天文台内のヤマトで開発された波動カートリッジ弾の実用試験の役割を担うなんてこともあったかもしれません。
ヤマトは岩塊内に秘匿されていますので、砲弾と波動コアの同調を確認する起爆実験は行えても、主砲発射まで伴う実用試験に供することはできないでしょうから。
本来なら、その役割には同型艦「銀河」が最適なのですが、ご承知のとおり、銀河はCRSの影響で攻撃兵装を使用できないため、ピンチヒッターが必要です。
そして、アリゾナが上で妄想したとおりヤマトと同型の主砲と給弾システムを搭載しているならば、実用試験の役割も容易に担うことができます。
もちろん、アンドロメダ級も実体弾の発射システムを有しているので、A級を使用することもできるのですが、ヤマトとは主砲の口径が異なるので、ヤマト用とは別に弾頭を新規製造しなければならない点がネックですね。
少なくとも実用試験段階では同じ口径の主砲を使える艦があるのなら、その方がベターでしょう。

そして、もしアリゾナで波動カートリッジ弾の実用試験を行う場合、波動コアをどうするのかという問題があります。
ヤマトのイスカンダル純正オリジナル波動コアの代わりにビーメラで回収したオリジナルコアを使用するのか、地球製造の量産コア(コピーコア)を用いるのか、ですね。
どちらもテストが必要であり、技術の確立という点で真っ先に試験すべきは前者ですが、対デザリアム戦略的には後者の方が遥かに重要になってきます。
今のところ、波動カートリッジ弾をヤマト以外が使用できるのかは明らかになっていませんが、波動カートリッジの原理を見る限り、基本的には使用できる気がします。
問題点は二つ、波動カートリッジの起爆に足る共鳴波の効果範囲の違いと、共鳴効果の大小でしょうか。
前者は、オリジナルとコピーコアで共鳴波を及ぼせる範囲が極端に違う場合です。
たとえば、コピーコアでは起爆時の爆発に巻き込まれるくらいの至近距離でしか起爆できなかったりすると、実用兵器として用いることはできません。
そして後者は、そもそもコピーコアでは起爆に足る共鳴効果を得られないという可能性です。
コピーコアでも波動共鳴波を発生させることができるのは、アスカの波動共鳴導波装置が証明していますが、ヤマトとは異なり今のところは専用装置を用いる必要があります。
ただ、前者後者どちらの問題にしても、今後技術開発が進めば、解決はされそうに思います。
カートリッジ側の改良で起爆に足る共鳴波を小さくするとか、波動エンジン側の共鳴波を増幅する技術を開発するとかですね。
増幅についてはまさに波動共鳴導波装置なんですけど、それをもっと小型化・簡易化する感じでしょうか。
ちょっと説明が長くなりましたが、対デザリアム兵器として波動カートリッジ弾は非常に効果的であり、これをヤマト以外の一般艦艇で使用できるかは地球にとって死活的な問題足りえます。
妄想に妄想を重ねた末の仮定ではありますが、もしデザリアムの侵攻がもう少し遅ければ、この極めて重要な試験をアリゾナが担うなんてこともあり得たかもしれません。
ただ、この妄想には欠点があって、それは秘中の秘である波動カートリッジの情報が南部重工上層部を通じてデザリアムに漏れてしまう可能性があることですね。
とはいえ、秘密保持を徹底し過ぎると、今度は開発成功後に実戦部隊へ配備ができないという問題が生じてしまうので、それはそれで難しいところです。

さて、そんなこんなで今日は、3199劇中のアリゾナが日本(極東管区)にいた理由について妄想してみました。
記事中に使用しました画像は、ヒヤリハットさん作のアリゾナ(DO楽DO製ガレージキット)とアンドロメダ(SOY-YA!!製ガレージキット)です。
先日、ヒヤリハットさんやSOY-YA!!さんとご一緒した際に、撮影させていただきました。
アリゾナの第一艦橋はバンダイ製1/500ヤマトから流用されていますが、結果的に3199版アリゾナの設定とデザインにドンピシャリでしたね!
それと、もう一つお知らせがあります。
既にこのページをご覧になっておられる方はお気づきと思いますが、本ブログがお世話になっているgooブログさんが本年11月にサービスを終了されるようです。
その頃には、FGTさんとの合作「太陽沖海戦」を公開する予定ですので、引っ越し先を探し始めました。
とはいえ、ブログサービス自体が既に斜陽の状況ですので、引っ越し先の決定には少し時間を要しそうです。
引っ越し先が決まり次第、ここで告知しますので、ちょくちょく覗いていただけましたら幸いです。
ではまた。