
さてさて皆さまこんにちは。
3199第3章も好評の内に上映を終了し、第4章のプロモーションが早くも始まっているようですね。
先日3章の最終上映を観ました際、リメイク世界のコスモハウンドって、各章でしっかりと見せ場が作られているなぁと改めて思いました。
特に、2205以降で土門ら若手同期たちが力を合わせる舞台――象徴的なメカ――とされているのが印象的ですね。
オリジナル版ヤマトは、「新たなる旅立ち」にしても「Ⅲ」にしても、新人の若手乗員たちをうまく扱うことができず、作品の幅や深みに繋げることができなかった印象があります。
これに対してリメイク版は、新人たちと既に中堅以上に成長した古代たちをうまく絡めることで、両方の成長を見事に描いている気がします。
その舞台装置として、多人数で運用するコスモハウンドはとても使いやすいのかもしれません。
そんなことを思ったこともあり、今日はそのコスモハウンドについて少し書いてみることにしました。

公式HPやホビージャパンWebの『宇宙戦艦ヤマト メカニクス』第3回記事によると、3199で活躍しているコスモハウンドは、2205で初登場した艇――初号艇――とのことです。
イスカンダル事変では、組立完了からいきなり実戦投入されたということもあり、事変後は試験艇として各種のデータ取りが行われたそうです。
その後、アスカの艦載艇として改めて配備されたとのことですが、公式HPのメカ名表記を見る限り、未だ「試製」の二文字は取れていないようですね(ちなみに、試製の二文字が取れていないのは、コスモパイソンも同様)。

ここで気になったのは、今後コスモハウンドが地球連邦防衛軍の正式兵器として量産されるのかという点です。
しかし、アスカからヤマトへと移されたコスモハウンドはあくまで「試験艇」であり、正式採用型は別設計の艇なり艦なりが用意される可能性もあるので、「地球製の次元潜航兵器は今後量産されるのか?」と言い換えてもいいかもしれません。
思えば2202の都市帝国(滅びの方舟)上陸戦にしても2205のイスカンダル王族救出戦にしても、次元潜航技術は戦術レベルに留まらない戦略レベルで決定的な役割を果たすことになりました。
鉄壁の防御を誇る不可侵領域に、最小戦力(精鋭)を隠密裏に送り込み、任務を完遂させる――それは、大威力兵器を真っ向からぶつける波動砲艦隊構想とは真逆の思想であり、「身の丈に合った軍備の最適化(スマート化)」を目指す2205以降の地球の方針に合致していると言えなくもありません。
ただ、今後地球が次元潜航技術を戦略領域にまで拡大して活用するためには、2202や2205でガミラスの次元潜航艦隊が実施した、次元潜航艦複数を連動して他艦――非次元潜航艦――を潜航させる技術の有無が非常に重要になってくると思います。
便宜上、本記事ではこの特殊な潜航技術を「エリア潜航」と称しますが、これが叶えば作戦の柔軟性が飛躍的に向上するのは自明でしょう。
2202終盤で都市帝国に殴りこんだのが次元潜航艦隊だけだったら、とても玉座までは辿り着けなかったであろうことは容易に想像がつきますし。

いざという時、「敵の本拠地(本星や首都星)に決定的戦力を隠密裏に送り込める」という事実は、波動砲艦隊という絶対的な切り札を放棄した地球にとって、有力な代替案の一つとなりえます。
それを思えば、既に増加試作の形ででも、複数のコスモハウンドが新規建造されていてもおかしくないと思うのですが、残念ながら今のところは各種設定資料を見てもそんな気配はありません(もちろん、単に書かれていないだけという可能性もありますが)。
では逆に、もし追加建造が行われていないとしたら、その理由はなんだろうと少し妄想してみることにしました。
1)予算的問題
特殊な機関や構造を採用し、ガミラスですら次元潜航艦は少数しか建造されていないことからも、次元潜航艦(艇)は建造費が非常に高額なのかもしれません。
ただ、UX-01に関する設定資料では「研究開発費が高額」という記載はあったものの、建造費用が高額という記載は見つかりませんでした。
あるいは、新規建造の度にガミラスへ支払うライセンス料が高額ということも考えられます。
何にせよ、お金(予算)が足りず多数の艦(艇)を建造できていないというのは可能性の一つとしてあり得ると思います。
2)技術的問題
次元境界面を超える(次元潜航する)際に用いられるのは「多次元位相バラストタンク(次元潜航装置)」とされています。
「タンク」というからには、やはり容量があるのでしょうし、あるいはそれが次元潜航時間にもこの容量が影響しているのかもしれません。
先に述べました「エリア潜航」を行う場合、通常は艦の周りだけという最小範囲に形成する次元境界面を非常に大きく作る必要があります。
一隻分の次元位相バラストタンクでは能力が足りず、複数艦でタンク容量を稼ぐなり、位相エネルギーを増幅・共振し合うような効果で広大な次元境界面を作るのでしょう。
ただ、コスモハウンドはサイズがUX-01の1/3以下であり(容積でいえば三乗根で1/10近い)のため、バラストタンク容量なり位相エネルギー量なり出力なりが足りないのかもしれません。
その場合は、エリア潜航を実現するにはより大型の次元潜航艇か艦を建造する必要があるため(連動潜航する艇の数を増やすという手もあるかも)、コスモハウンドは技術検証と運用データ採取のみに留め、追加建造は見合わせられるかもしれませんね。

3)軍事的問題
2205では、これまで不敗を誇ったガミラスの次元潜航艦が初めて一敗地に塗れました(ゴルバに捕獲され、破壊された)。
この事実をどのように受け入れるべきでしょう?
端的に言えば、少なくともデザリアムに対しては、次元潜航は絶対的優位を獲得できない(全く無力ではないにしても)ということでしょうか。
しかし、ガミラス(ガルマン・ガミラス)は『ゼランダル級攻撃型次元潜航艦』という新型艦を建造しました。
ゼランダルは全長以外のスペックが未開示のため、何らかの対ゴルバ兵器(装備)が搭載されているかは不明ですが、おそらく今のところは未搭載なんじゃないかと思っています。
ゴルバとの交戦機会が少なすぎて、対抗兵器を開発するにしてもデータが乏しすぎると感じるからです。
その点、ゼランダル級はボラー連邦を主敵としていると見るのが妥当ではないでしょうか。
特に、ボラーに対しては次元潜航が未だ絶対的優位を獲得できる状況なら、少なくともガルマン・ガミラス本星(聖都ルダ)の安全が一定程度確保されるまではボラー重視の軍事力整備が進められる気がします(もちろん総統は「屈辱を忘れない男」なので、デザリアムをタコ殴りにする準備も着々と進めていると思いますがw)。

一方の地球ですが、ガミラスとは異なり未だボラーとは直接交戦状態には陥っていないようです(11番惑星沖でのボラーの領域侵犯に対する対応を見る限り)。
更に、イスカンダル事変時に回収されたゴルバ内の映像データ等の情報もあり、ガミラスとは逆に地球はデザリアムの脅威度をより高く評価している気がします。
ただその場合は、次元潜航がデザリアムに対して絶対的優位を持てないことからコスモハウンドの増備にブレーキをかける――とまでは行かなくても、優先順位は下げることになりそうです。
ただ、将来的にデザリアムの脅威が消滅し、ボラーの脅威度が高まる場合には再度優先順位が組み替えられる(上昇する)可能性もある気がします。
また、地球サイドでのもう一つの可能性として、デザリアムに内通している勢力の干渉というブレーキもあるかもしれません。
イスカンダル事変でのゴルバ喪失の一端が地球製次元潜航艇にあるとデザリアムが把握していた場合、デザリアム側はコスモハウンドに一応の脅威度を与えるかもしれませんので。
この場合、地球の内通勢力を通じてハウンドの増備を政治的に妨害する可能性もありますね。
4)外交的問題
最後は、「敵の首都星にこっそり忍び寄って星ごと破壊することすら可能な技術の保有」に対し、諸外国の反応を気にしたという可能性でしょうか。
現在の兵器で言えば、どこからでも戦略核ミサイルを発射可能な上に隠密性の高い戦略ミサイル原潜とか、移動式発射台に据えた核搭載中距離弾道ミサイルを保有するみたいなものですから。
下手をすると、2205以降の地球が喧伝している「平和国家」の印象を全面的に裏切ることになりかねませんし。

色々と妄想に花を咲かせましたが、とりあえず3199ではコスモハウンドが多数増備されることはなさそうな気がします(特に根拠がある訳でもありませんが)
ただ、デザリアム戦役後、ボラーに対して次元潜航技術の保有が地球に戦術的・戦略的優位を与えるような状況が続くのであれば、コスモハウンドやその発展型が地球でも追加整備(配備)されるかもしれません。
その場合には、ガミラスの力を借りずとも、地球の次元潜航艦群だけでヤマトなりアリゾナなりを次元潜航させ、敵の本拠地(要塞)に送り込むことすら可能になるかもしれませんね。
なんかそんな光景を想像してしまいました。
ではまた。
〇記事内の模型
・コスモハウンド:1/144&1/1000 SOY-YA!!製ガレージキット
・コスモパイソン:1/144 J-Facrtory製ガレージキット
・ドルシーラ:バンダイ製ボーナスメカコレ
・UX-01:1/1000 バンダイ製キット
・ヤマト:1/1000 バンダイ製キット(3199版)