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我が家の地球防衛艦隊

ヤマトマガジンで連載された宇宙戦艦ヤマト復活篇 第0部「アクエリアス・アルゴリズム」設定考証チームに参加しました。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』特報のガイペロン級

2021-06-15 22:43:03 | 宇宙戦艦ヤマト2205


「ヤマトという時代」上映後の劇場で公開されていた2205特報のショートバージョン(劇場版が60秒くらいだったのに対して、youtube版は30秒程度)が今朝早くにyoutubeで公開されました!!
いやー、制作が進んでいるのは様々メディアで報じられていましたが、こうしてじっくり観れる形で公開されると、期待感は俄然高まってきますよね(^^)
本特報の詳細分析はFGTさんが動画で制作されると思いますので(人任せw)、私はメカマニアらしく登場兵器の一つをクローズアップしてみようと思います。



取り上げるのは、21秒あたりで登場するランベアカラーのガイペロン級です。
残念ながら2202の第七章で同じカラーリングのガイペロン級がわんさか登場していたので、ランベアと特定することはできませんが、個人的には「あの」ランベアだと思っています(バーガーも登場していたので、そう思いたいというべきかw)。
それはさておき、コマ送りや静止画で見ると、このガイペロン級の第二甲板(上から二段目の甲板)には三連装陽電子カノンの大型砲塔が二基鎮座しています(映像では発砲もしています)。
また、この甲板の前縁にはブチ穴(笑)そのものの開口があって、ミサイル(魚雷)発射管を思わせますし、この第二甲板はそれより下の第三・第四甲板と比べて色合いが鮮やかで、いかにも後付けで増設されたように感じます。

さて、これが何を意味するのか?
七色星団でも地球沖でもガイペロン級を突撃させてしまったことに対するガミラス人なりの反省か?なんて意見もありましたが(笑)、私はこれをガイペロン級を簡易的に戦闘空母化させた姿と考えます。
ガミラスの戦闘空母(航宙戦闘母艦)といえばゲルバデス級が存在しますが、この艦は2199当時の設定では「単独での作戦行動が可能な高性能艦だが、高価な建造費と複雑な建造工程から少数建造に終わった」とされていました。
にもかかわらず、2202でゼルグート級と同様わんさか登場していましたが、これは自分本位の考えで前作設定を無視したメカ設定者のセンスの悪さが原因と考え、ここでは無視しますw

天の川銀河内でガミラス星に代わる移住先をできるだけ手分けして(効率的に)探索したいデスラー陣営にとっては、対艦戦闘能力と航空機運用能力が高い次元でバランスし、単艦行動が可能なゲルバデス級は非常に使い出がある艦でしょう。
本来ならゲルバデス級を増備したい。
しかし、ガミラス本星とも袂を分かち、基本的には根無し草の現在のデスラー陣営に高価で建造の手間もかかるゲルバデス級を新たに用意することは思いもよりません(建造そのものは可能でも、必要数を確保できない)。
2202に登場したデスラー取り巻き艦隊がピカピカのゼルグート級やゲルバデス級を大量に並べていたのでピンとこないかもしれませんが、彼らのような流浪の根無し草は基本貧乏にならざるを得ないのです。
そんな貧乏な筈の彼らにしてみれば、既存艦艇の中でも旧式故に比較的数も多いガイペロン級を簡易改装して戦闘空母化するのは極めてコストエフェクティブネスの高い手法と言えるでしょう。
具体的には、既存の第二甲板(飛行甲板)を主砲塔とミサイル発射管、その弾庫がユニットになった戦闘甲板に換装し、その甲板の後方か第一甲板の底部に戦闘艦橋を設ける、だけw
この換装なら、本格的なドックや建造施設でなくても実施可能に思えます。
そして換装完了後も、第一・第三・第四甲板は飛行甲板として残るので、航空機運用能力はオリジナルの60%以上は維持できるでしょう。
これで、最小限の改造だけで立派な(?)戦闘空母が完成ですw
もちろん、元が対艦戦闘を考慮しない空母ですから、防御力・構造強度の乏しさだけはどうしようもなく(特に換装された戦闘甲板に直撃したら誘爆で酷いことになりそう)、性能的には実戦経験豊富なガミラス軍人たちを満足させられる代物ではないかもしれませんが、それでも数は力、必要最低限の能力で最大多数という原則でいえば、ベターな選択に思います。
また、防御力の不足については、地球艦艇ばりに波動防壁(ゲシュタム・フィールド)を用いることができれば、かなりカバーできそうです。
そんな感じで私はあのガイペロン級を「単艦行動も可能なように簡易改装で戦闘空母化されたガイペロン級」と予想しますが、いかがでしょうか?
クラスネームとしてはそうですねぇ・・・改ガイペロン級特設航宙戦闘母艦とかどうでしょうか?(長っ!)

いきなり長々と書いてしまいましたが――なんだかこうしていると嬉しくなってきちゃいますね。
2199の時は、こうした艦艇にかかわる設定の妄想を新情報が出る度にいつもやっていた気がしますが、2202は常識的な理詰めで考えられるメカ要素が乏しく、こうした遊びをあまり楽しめませんでしたから。
他にも、特報に登場したメカで触れたいものはありますが(自爆したとおぼしき青いゲルバデス級とかw)、今日はこの辺りでお開きにしようと思います(^^)





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【特報】宇宙戦艦ヤマトⅢ 太陽沖海戦 : Battle of SOL - A Star Blazers fan-film

2021-02-27 22:24:50 | 宇宙戦艦ヤマト2205
先週制作開始をご案内しました太陽沖海戦の特報動画をFGTさんが公開されました!



いかがでしょう!?前作第二次火星沖海戦から、メカ/キャラ共に質感や雰囲気が一新された感じがします(^^)
Blenderという新たな3DCGソフトを使用されたことで、くにさん作のヤマトモデルのディテールと魅力も余すことなく表現されていると思いますね♪
そして最近完成したばかりのおおさんデザインのコスモハウンドの姿も一瞬ですがサービス!!w

また、今回FGTさんは登場キャラのモデリングにも新たにチャレンジされていまして、今回の特報内のキャラクターは全てそのモデリングで作られたものなんです♪(*''▽'')
もちろん、第二次火星沖でも好評でした手書きイラストも健在です!
新たに公開されたポスター画像には、あの王女様が・・・。



一目見てお気づきになられた方も沢山いらっしゃると思いますが、このポスターは宇宙戦艦ヤマトⅢのDVD BOXのパッケージ画像がモチーフになっています。



このあたりのセンスは、FGTさんあんた本当に20代かよ!?って思わずツッコミたくなるくらいですねw

さて、本特報でもお知らせされています通り、本作は前後編での公開になる可能性もあります(またしても私の脚本が長すぎて・・・・・・汗)
そうした点も含め、公開までまだまだ時間がかかると思いますが、進捗は適宜お知らせいきますので、気長に暖かく見守っていただけましたら幸いです(^^)
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リメイク版はPS版の夢を見(せてくれ)るのか?

2020-10-02 21:49:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205


先週、ようやく本年初の記事更新を果たした当ブログですが、皆さまお元気にお過ごしでしょうか?
今週も二つほどネタが思い浮かんだので、リハビリと更新習慣を取り戻すために、その内の一つを記事にしてみようと思います。

あ、多少ですが2205の予想じみた内容も含みますので、せっかくの新作に変な予断を持ちたくないという方はご遠慮下さいね。

先週、FGT2199さんとWeb談義(呑み会)をした際、PSゲーム版ヤマトの魅力について話が及びました。
私のようなメカ好きからすると、PS版にはしゅんらんや戦闘空母、ステルス仕様のコスモタイガーⅡなど魅力的なメカが溢れている訳ですが、今日はあえてそれらとは別の存在に着目してみようと思います。

PS版の魅力の一つに、鹵獲改装艦の起用がありました。
ホワイト○○○○という艦名にピンとこられる方も多いのではないでしょうか?
その名の通り、ホワイト――白色彗星帝国――の艦艇を戦後回収し、それを地球仕様に改めた上で編入した艦たちです。



オリジナル版やPS版でも(リメイク版ほどではないにせよ)多数押し寄せた白色彗星帝国軍の規模を思えば、あまり損傷していないガトランティス艦が戦中・戦後に回収されることも十分にありえますし、現実の歴史においてもそういった実例は多数ありますから、この鹵獲艦設定には多くのメカファンが快哉を叫んだと思います(私は叫びましたw)。
特に、高速中型空母(ナスカ)の鹵獲艦は地球空母(戦闘空母)にはない正規空母然とした姿がマニア心を刺激してくれたりもしました。
また、生粋の地球艦艇とは異なるパラメーターを持つ艦(種)の増加は、ゲームそのものの遊びの幅を広げる事にもなり、本ゲームの「やり込み」要素をも増やしてくれたと思っています。

さて、そんなPS版の特色(?)の一つであった鹵獲艦設定ですが、リメイク版(2205とそれ以降のシリーズ作品)でも採用される可能性はあるでしょうか?
2202の最終話近く、ゴレム起動によりガトランティス人(人造兵士)は大帝を除いて全滅、それに伴いガトランティス艦艇も友軍同士で衝突したりで次々に爆散していきました。
ですが、それは極々一部に過ぎず、常識的に考えればそのまま宇宙空間を漂うだけになった無傷の艦も多数あったと思います。
つまり、ガトランティス艦の回収や捕獲、鹵獲は十分に可能な状況です。
そして戦後の地球は時間断層を喪っています。
ガトランティス戦役勃発以前のようなペースでの軍備増強はもはや不可能ということです。

・・・・・・と書くと、PS版のような鹵獲艦編入も十分現実的と思えてきますが、そうは問屋は卸してくれませんw
PS版やオリジナル版の世界では、地球の機動戦力(艦艇)はガトランティス戦役で払底していた為、有り合わせの器(うつわ)に自分たちの装備を盛りつける形で手っ取り早く戦力化する余地と必要性がありました。
しかしリメイク版の世界では、戦役終了後も半年以上、時間断層工場は休まず稼働しているのです。
その様を山南さんは「乗る人間の数も足りないのに、フネだけ吐き出されてくる」と言っていましたね。
つまりリメイク世界では、「器」どころか完成した艦そのものが有り余っている――乗り手がいないだけで。
また、全く異なる技術体系で作り上げられた異国の艦を自国で運用するのは、見た目以上に大変です。
文字通り「器」としてしか使えず、信頼性を確保する為に(戦場で謎の理由で突然システムダウンされては困る)、中身は丸ごと刷新するくらいの必要があることを考えれば、リメイク世界で鹵獲艦が研究目的以外に使用される可能性は残念ながら低いように思いました。

むしろ、不足している「乗り手」を補う為に人造兵士計画が採用されたりしていないかを心配してしまいます。
実際、地球での人造兵士製造も2202劇中の銀河クルーの会話で「現実味を帯びている」と言われていましたので、ガトランティス戦役末期の時点で少なくとも研究開発が行わていることが伺われます。
そして、どう転んでも悲劇的な運命から逃れられそうにない「人造兵士」というダークファクターは、むしろ福〇さんが好んで使いそうで(^^;
あるいは・・・ヤマトクルー会報誌に掲載された男の子の新キャラ(オリジナル版の某キャラという噂もありますね)は地球製人造兵士の第一世代で、成長因子を弄られたことで2203年の誕生(製造)から僅か2年でもうあの姿で、更に数年後にはオリジナル版のような・・・・・・とか。
もしそうなら、生まれながらのフラグ持ちとか、髪型以外顔一緒というオリジナル版以来の突っ込みどころにもオールマイティーに対応できてしまうという恐ろしいことに・・・・・・。
マズいな。どんどん想像が暗黒面に入ってきた(^-^;
戦役後の国民投票などを通じて、地球市民や政府・軍上層部が暗黒面から少しでも明るい方に戻ってきてくれていればいいのですが。
うーん、公(おおやけ)には大々的な計画実働こそ中止されたものの、非公式に細々と研究が継続しているとか、計画中止前に生まれた(造られた)子たちだけは倫理上の問題からそのまま育てられている・・・・・・くらいが現実的でしょうか。

はい、すみません。またしても当ブログ恒例の「当たらない予想」をしてしまいました(笑)

では、気を取り直して鹵獲艦に話を戻しましょう。
先ほどの説明では、鹵獲艦登場の可能性は低いと書いてしまいましたが、一つだけ登場の理由付けがしやすい艦があります。



はい、自滅型攻撃艦「イーターⅠ」です。

この艦に使われている波動防壁中和技術は、戦役中に散々苦しめられただけに地球防衛軍が(その点で言えばガミラスも)何らかの形で兵器体系に取り込みたいと考えるのは自然に思います。
リバースエンジニアリングで類似兵器(贅沢を言えば艦載機に搭載できるくらい小型化したい)を自力で開発できればベストですが、それが困難且つ多数のイーターⅠが戦場で回収できていた場合に限り、鹵獲兵器として導入される可能性はあると思いますね。
今のところ、地球以外に波動防壁を積極的に防護装備として用いている勢力はありませんが、『某黒い人たち』はいかにも使いこなしてそうですし(笑)、それは冗談としても軍隊は鏡に映った自分を見て身支度(装備)を整える性癖がありますから、何らかの形で装備体系に組み込みたいと考えるのは自然なことに思えます。

尚、イーターⅠの類似ポジションに対消滅ミサイル(破滅ミサイル)もありますが、カラクルム級の連結砲撃(レギオネルカノーネ/インフェルノカノーネ)と同様、単なる大威力兵器と考えれば、波動砲搭載艦艇を多数装備する地球防衛軍にとっては代替が利く存在にすぎず、イーターⅠほどのニーズはないと感じます。

以上のように理詰めで考えると、イーターⅠだけは鹵獲兵器として地球に採用される可能性があると感じるのですが、唯一気になるのがイーターⅠがガイゼンガン兵器群に属しているという点ですね。
ガイゼンガン兵器群は、滅びの方舟から文字通り「生まれたきた」兵器のようですし、劇中での発光描写などを見る限り、母体たる滅びの方舟に強く影響される存在に感じました。
正直、滅びの方舟が消失した時点で、全てのガイゼンガンも崩壊・消失するんじゃないかと思っていたのですが、戦後も一応形状は保っているようです(カラクルム級が海上を曳航されているシーンが劇中にありました)。
しかし、もし本兵器群が方舟をはじめとする古代アケーリアス文明の産物に強い影響を受けるのであれば、今後敵性勢力がアケーリアス文明の利器を使用していた場合、あっさり乗っ取られてしまう危険性がありそうで怖いですね。
もちろん自軍兵器化にあたっては、地球独自の自動化技術で無人艦になっているでしょうけど、器はあくまでガイゼンガンですから、いざとなったら後天的な制御システムなど全く無視して活動しそうな気がします。
その点で言えば、他のガイゼンガン兵器群(超大型空母や大戦艦)を自軍に編入するのもやっぱり恐ろしいですね(ガイゼンガン以前の艦――ナスカやラスコー、ククルカンはまだ安全そうですが)。

今日は以上です。

※文中の「ホワイトパイカ―」の画像は旭日提督様から、「イーターⅠ」の画像はbutchy様から御了解をいただいた上で転載させていただきました。改めて厚く御礼申し上げます。

※本記事にて言及した各兵器について、私個人の好き嫌いは考慮に入れていませんので、あしからず。




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『宇宙戦艦ヤマト2205』における地球防衛軍のドクトリンを妄想してみる

2019-12-28 21:52:03 | 宇宙戦艦ヤマト2205


さて、今年最後のお題として前回の記事で少し予告しました『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』における地球防衛軍の軍事ドクトリンについて想像を巡らせてみたいと思います。

地球防衛軍の軍事ドクトリンといえば、2202では「波動砲艦隊構想」が有名になりました。
ただ、本構想下で当初建設が目指された軍事力の姿は、2203年初頭のガトランティス軍による第十一番惑星侵攻を境に大きな変貌を遂げ、実質的には別物化したんじゃないかというのが以前からの私の考えです。
その点は過去の記事でも何度か言及しているので、改めて詳細までは述べませんが、端的に言うと、第十一番惑星に襲来したカラクルム級のバカみたいな数からガトランティス軍主力(白色彗星本隊)の戦力を想定した結果、他の全てを切り捨てて“拡散”波動砲戦艦を極限まで増備する態勢が採られたのだと考えます。
その点、ガトランティス帝国の本格侵攻がなければ、波動砲搭載戦艦を絶対的な主力としつつも、確保(養成)可能な人員に見合った規模の中で最低限のバランスを維持した編成の軍事力が構築されていたと思っています。
しかし白色彗星帝国本隊による侵攻が現実のものとなり、地球はAIが指示するまま極端なまでの『拡散波動砲艦隊』を建設することになります。
そして――ガトランティス帝国を倒すことには辛うじて成功したものの、多くの人員と多数の艦を失う結果となりました。
ただ失われた艦については、ガトランティス戦役後も半年間は時間断層が維持されていましたので、2202/26話での山南艦長の台詞にあるように、乗り手の確保もできないまま艦艇の建造は引き続き行われていたようです(さすがに配分資源や予算の制約から、建造ペースは落としているかもしれませんが)。



さてさて、毎度のことながら前置きがすっかり長くなってしまいましたが(笑)、ここからがいよいよ本題です。
恐らく、地球防衛軍はガトランティス戦役後のどこかで『波動砲艦隊構想』についての“総括”を行っていると思います。
『ポスト波動砲艦隊構想』なる新たな軍事ドクトリンが作られるにしても、作られないにしても、現行のドクトリンが実際の戦争においてどれだけ有効だったか、あるいは役立たずだったかを検証し、何らかの結論を導き出すことは、組織として必須だからです。

では、その結論はどのようなものになるのか?

あくまで私感ですが『大規模な波動砲戦での有効性は十分ながら、通常砲雷撃戦や局地戦での柔軟な対応には難あり』といったところでしょうか。
これも以前に書いたことですが、波動砲艦隊構想とそれに基づき大量投入されたD級の存在がなければ、地球はガトランティス軍の圧倒的物量の前に比較的短期間で押し潰されていたでしょう。
結果的に、本戦役において決定的役割を担ったのは波動砲艦隊構想の申し子たち(A級やD級)――ではなく、ヤマトでした。
もちろんそのヤマトにしても、戦前からの波動砲艦隊構想に基づき改装と波動砲再装備が行われた訳ですが、十一番惑星以降に質的変貌を起こして以降の波動砲艦隊構想においては実質的役割を与えられていないか、G計画艦の護衛か乗員プール程度の役割くらいしか与えられていなかったと思います。
ガトランティス戦役において決定的役割を果たしたのはヤマト――しかし同時に、A級に率いられた大量のD級が拡散波動砲を釣瓶打ちしなければ、ガトランティスの天文学的物量を食い止め、ヤマトが決定的役割を果たすまでの時間を稼ぐこともできなかった――私が考える『大規模波動砲戦での有効性は十分』という結論の前半部分はそんな意味です。

では『通常砲雷撃戦や局地戦への柔軟な対応には難あり』という後半部分はどうでしょう?
木星沖~火星沖~地球沖と推移した太陽系内での戦いの中で、波動砲発射時以外の地球艦隊の戦いぶりはどうでしたか?

正直、私は『ドンくさい』と感じました。

圧倒的多数の敵艦隊に対して遅滞を目的とした後退を行うでもなく、一方的に半包囲攻撃を受ける守備艦隊とか、衝突しそうなくらい敵艦が至近なのに漫然と前進しながら波動砲発射態勢を取った挙句、敵艦と正面衝突してしまう艦とか、行儀よく横隊陣形を敷いたまま(全く機動しないまま)、その場でひたすら砲雷撃を行っている艦隊とか、四隻で束になって同盟国大使が座上する旗艦の盾になるとか――印象に残っているのはそんなのばかりで、艦隊単位であれ個艦単位であれ、小気味よい戦術運動には全く無縁だった印象です。
数少ない例外はアンドロメダ改とメダルーサ級三隻をまとめて屠った際のガミラス艦隊くらいでしょうか。
この『戦術能力の低さ』は未熟な乗員と現状のAIに共通する問題点であり、総括が行われた場合には指摘必至と思われます。



ではでは、あくまで私の勝手な想像ですが、現行ドクトリンである『波動砲艦隊構想』が以上のように総括されたとして、次なるアクションはどうなるでしょうか?
あまり好きな言葉ではないですが、PDCA的に考えるのであれば『長所は伸ばし、短所は補う』のが常識的対応になるでしょうか。
まず長所である大規模波動砲戦に係る能力についてはは、時間断層が存在しない以上、飛躍的強化は最早不可能ですが、少なくとも現状維持については最小コストでも実現可能と思います。
極論、建造済みの大量のD級を常に実働状態に置く必要すらなく、1週間~1ヵ月程度の比較的短期の準備期間で実働状態に持ち込める態勢を取っておくだけでも良いでしょう。
正直、綺麗に整列して波動砲を撃つだけなら、完全或いはほぼ無人のAI制御艦隊でも実現可能なことはガトランティス戦役でもある程度証明されていますから、張り付ける人員も最小で済みます。

まぁ・・・・・・既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、こうした戦力を用意したとしても、『永遠に』のように完全な奇襲攻撃で地球を含む太陽系が電撃的に制圧されてしまった場合、これらの戦力は全くの役立たずになってしまいます。
更に、AIに関して敵手が一枚も二枚も上手であれば、役立たずどころか、あっという間に乗っ取られて、敵の先鋒に早変わりしてしまう可能性すらある訳ですが――ま、それはそれで『お約束』ということで納得はできますがwww

続いて、『短所』の方はどうでしょう?
常識的に考えれば、規模は小さくても通常の砲雷撃戦や航空戦にも柔軟な対応が可能なバランスの良い戦力の構築が改めて目指されると思います。
あるいは目指される戦力の一例として、ガトランティス戦役で活躍したバーガーのガミラス艦隊が挙げられることもあるかもしれません。
何しろ2202劇中で艦隊規模で“まともな”機動戦を戦った描写があるのは彼らだけですので(アンドロメダ改とアンドロメダブラックの高機動戦闘は通常装備の人間が高Gに耐えられないという点で“まとも”とは言いかねる)。
この場合、固有の兵装プラス艦載機群の追い打ちにより、瞬間的ながら攻撃力を極大化できる空母型アンドロメダが再評価されたり、規模の大きな空母型アンドロメダの増備には時間がかかるので、有り余ってるD級改造の空母型が整備されたりする展開もありかと思います。
実際、ヤマトマガジン最新号には、D級ベースの空母型らしいイラスト(艦の一部がトリミングされたもの)が掲載されたりもしていますし。



また、2202の木星沖~地球沖での戦闘では、航空隊が大規模に投入される描写はありませんでした。
投入されたけど全く目立たなかったか、膨大な戦力同士が凄まじいエネルギーを投射し合う戦場の危険さから投入そのものが見合されたのかも不明ですが、もし後者なら艦船乗組員に比べて航空隊員の損耗は比較的軽度に抑えられた可能性もありますね。
もし航空隊員の損耗が軽く、経験豊富な搭乗員が多数残されている状況なら、新たに構築される艦隊戦力は、より彼らを重視した艦(空母)の建造(改装)や編成が試みられる可能性はあるでしょう。

さてさて、長々と書いた割には極めて常識的な結論で心苦しいですが、2205の地球防衛軍は最小コストとマンパワーで『波動砲艦隊構想』を維持しつつも、残りのリソースをバランスの取れた汎用艦隊の整備と人員養成に投じている気がします。
前回の記事に書いた『練習艦ヤマト』というポジションも、この結論に合致します。
既に時間断層はなく、人造兵士やAIへの丸投げも回避する場合、その整備ペースはゆっくりとしたものにならざるを得ないと思いますが、あるいはそんな育成途上の比較的小規模の汎用艦隊こそが、更に数年後にデザリアム本星への大航海に出る艦隊になるのかもしれませんね。

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宇宙戦艦ヤマト2205の世界を妄想してみる。

2019-12-22 19:33:36 | 宇宙戦艦ヤマト2205


さてさて、火星沖シリーズの完結以降、文章を書くのをずっとサボっていましたので、そろそろブログの方も復活していこうかと思います。
まずは一つ、久しぶりに艦艇の設定妄想でも・・・・・・と思いましたが、さっぱりネタが浮かばないので(ゴメンなさい)、来年秋頃の公開が予告されている新シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』について、思いついた事を書いていこうと思います。
もちろん、まだタイトルやスタッフくらいしか発表されていない時期ですので、タイトルから想像した単なる思いつきですがwww
ではでは、最初に2202のラストを思い出すところから始めましょうか。

①エンディング時の劇中時間は2203年末頃。
②ヤマトは2202の開始時(第一次近代改装後)の姿で修復済み。
③時間断層は消滅。
④時間断層消滅までに、乗員が確保できないくらいの艦(D級が主?)が完成済み。
⑤未だ民主派が政権を握るガミラス本星と地球は同盟関係を維持。
⑥デスラー体制復活派は民主派政権から離脱、デスラーと行動を共にしている。
⑦復活派と地球の関係は敵対的なものではないが、公式な同盟や友好関係を結ぶには至っていない。

⑤~⑦についてはかなり想像を含んでいますが、それほど無理のない想像だと思います。
2205の副題は『新たなる旅立ち』なので、そのストーリーラインがオリジナル版『新たなる旅立ち』をなぞるのだとすれば、ヤマトは2205年に再びイスカンダルへと向かうことになるのでしょう。
で、そのイスカンダルの隣のガミラス星ですが、未だ民主派政権下のままという可能性が高いように思いますが、いかがでしょうか。
さすがに本編での描写のない空白期間にデスラーが返り咲きましたと言われても、すんなりとは納得できませんよね(^^;)
ただ、民主派とデスラー体制派が内戦を行っている可能性はあるでしょう。
まぁ、どちらの勢力も“悪く”はないので、両派が熾烈に戦っているというよりも、精々小競り合いや冷戦のような微妙な関係性を維持している気がしますが。
ただ、内戦の有無はともかく、少なくとも分裂によって総体としてのガミラスは弱体化しており、そこに暗黒星団帝国(デザリアム帝国)につけ込まれる隙も生まれてきます。
ですが同時に、暗黒星団帝国という共通の敵手が登場することで、両派の統合が一気に進むという展開もあり得る訳ですね。



そして、我らがヤマトですが、オリジナル版と同じくイスカンダル救援に向かう場合、一つ大きな問題があります。
地球からイスカンダルまでの距離と時間です。
2199では、ヤマトは166日を要してイスカンダルに辿り着きました。
ただ、2199でのヤマトの航海は全く未知の航路を開拓しながらのものであり、戦闘や修理、迂回等によるタイムロスが多々ありました。
そうしたタイムロスがなく、既に航路も開拓済み(しかもガミラスから航路支援を受けられる可能性が高い)、更に亜空間ゲートも修復済みであれば、166日の航海期間を大きく短縮することもできるでしょう。
ただ、それでも日数を半分――2~3ヵ月――にできれば御の字でしょうか。
そしてその期間では、イスカンダルなりガミラス本星の危機を知らされてから太陽系を出立するのでは間に合わない(着いた時には全てが終わっている)可能性が大いにありえます。
オリジナル版の『新たなる旅立ち』はこの点を思い切り無視して、ほぼ一瞬で(笑)イスカンダルに到着してしまうのですが、PSゲーム版ではあれこれと趣向を凝らしてこの問題を解決していました。
2205でも同様に、この問題を解決する“仕掛け”が必要になってくると思います。
とは言え、さすがにスーパーチャージャーによる連続ワープということはないでしょう。
それをやるのは更に後の『永遠に』でしょうからw

一つ思いつくのは、野球の盗塁のように予め『リード』しておくことですね。
何らか理由をつけて、至急報が届く前にヤマトが既にイスカンダルへ向かっている状況を構築してやればいいんじゃないかと。
その為の理由というか手段として、ヤマトを『練習艦』にしてしまうというのはどうでしょうか?
ヤマトを練習艦にしてしまえば、オリジナル版『新たなる』のストーリーをなぞる上でも幾つか有利な点があると思います。

1)練習航海や親善訪問という名目で、イスカンダルから至急報が届く前にヤマトを発進させられる。
2)練習艦という事であれば、大量の新人を受け入れるのも自然。
3)正規の戦闘艦から練習艦への『格落ち』を演出することで、古代を指揮官に就けやすくなる。

まず1)についてですが、現在の海上自衛隊にも複数の練習艦による練習艦隊という存在があり、訓練と親善を目的に世界各地に遠洋練習航海を行っています。
同様に『練習艦ヤマト』が親善と訓練を目的としてイスカンダルやガミラス本星への航海に出るのは、ごくごく自然な展開でしょう。
で、そしてその途上、イスカンダルなりガミラス本星なりから危機が伝えられ、ヤマトの航海は一変。
ガミラスが掌握しているイスカンダル(ガミラス本星)―地球間の航路上であれば、地球とのリアルタイム通信も可能(2199のガミラスは、本星と冥王星基地がリアルタイム通信していました)でしょうから、急な命令変更にも十分対応できるでしょう。
そしてその通信の中で、ヤマトを練習艦から正規の戦闘艦に復帰させると共に、イスカンダルへの急行命令が伝えられます。
更に「ガミラス軍との協同行動を考えれば、ヤマト艦長には少なくとも佐官級の階級が必要でしょう」などと芹沢さんが重々しく言って、一尉のまま留め置かれてた古代を三佐か二佐に臨時昇進させるなどの展開があれば、私は非常に燃えますw
そしてめでたく『宇宙戦艦』に復帰したヤマトは勇躍イスカンダルへと急行し、嘗ての仇敵デスラーとも共闘しながら、その危機に敢然と立ち向かっていくのです!!www



尚、ヤマトというか地球がマゼラン銀河まで出かけていって戦闘行動を行う法的正当性としては、2202でのガミラスとの同盟が効いてくると思います。
普通、軍事同盟は双務的であるのが一般的ですし、僅か数年前にガミラスは地球の為に自らの蒼い血を流していますから。
なので、ヤマトの軍事介入は公には『ガミラスとの同盟に基づき』となるのかもしれません。
一応、地球とイスカンダルにも『地球―イスカンダル和親条約』に依る外交関係がありましたが、あれは地球側の都合で一方的に反故というか、無かったことにしてしまっているので、さすがに軍事介入にあたっての根拠にする訳にはいかんでしょうw

さて、妄想が止まらなくなってすっかり長くなってしまいましたが、続いては2)です。
改めて考えてみると、2205年の地球において、ヤマトは非常に練習艦向きの艦だと思います。
2202の後半で大量産されたD級は無人化・自動化が徹底され過ぎていて、逆に兵員が実際に操作しなければならない機器なんて殆どないんじゃないかと(つまり、新人にとっては全く練習にならない)。
その点、熟練した乗員が扱うことで高い能力を発揮可能な(それだけ乗員の能力に依存した装備や機器が多い)ヤマトは、戦闘艦としては中途半端に旧式化していると言えなくもないですが、新人に基礎から宇宙艦艇乗員としてのイロハを教え込む練習艦としては丁度良いと思います。
更に、約1000名の乗員を長期間、無理なく乗艦可能というキャパシティーの大きさは、無人化・省力化の申し子とも言うべき新鋭艦たちにはない特徴と言えるでしょう。
それだけ沢山の訓練生を受け入れることができるということですから。
オリジナル版では113名の新人を受け入れていますが、2205では更にその数倍の新人を受け入れそうな気がします。

そして3)。
本来、軍隊の背骨とも言える人員を養成する練習艦は非常に重要で、その艦長が軽んじられることも普通はありえません。
しかしあえて露悪的に想像すると、2202での波動砲絶対至上主義みたいな偏った思想が蔓延った組織(しかも、経験豊富な物の見える上級者は少なく、薄っぺらいエリートが幅を利かせそうな組織)においては、練習艦のような支援艦は戦闘艦に比べて一段低く見る時代錯誤の風潮があるかもしれません。
で、2202において古代は波動砲艦隊構想に異を唱え、結果的に時間断層を失わせる原因にもなった訳ですから、そうした偏った思考を行う一部の者たちから目をつけられている可能性があります。
ただ、そうした視野の狭い連中にとっては、古代を艦長や艦長代理として指揮官職に就けるのであれば、正規の戦闘艦よりも支援艦である練習艦の方がまだ受け入れやすいかもしれません。
そうした処置を、藤堂さんなら温情で、芹沢さんなら人事的なカラクリとして行う気がします。
諸々の思惑や手法はともかく、防衛艦隊の(特に人員面での)強化にはヤマトが必要であり、その指揮は古代が執るのが最善という判断は、この二人に共通していそうですから。

おっ、久しぶりと言いながら、気がつけば随分と長々と書いてしまいました。
しかも書いてることは予想なのか願望なのか妄想なのかも分からないシロモノになってるし(^^;)
まぁ、リハビリ半分の駄文という事で、御容赦下さいませm(__)m

次は年内か新年になるか分かりませんけど、2205の地球防衛艦隊が何を目指すのかについて書いてみたいと思います。

コメント (1)
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