水曜日は午後休診でしたが、新潟市の口腔保健福祉センターへ
障がい者・障がい児の特別担当医(主に定期健診)の当番でした。
担当医になって何年か経ちますが、毎回、スタッフ、他の担当医の先生方の献身的な姿勢に頭が下がります。
勤務医時代(地獄)に、「佐久間、お前が担当だから、ちゃんとやれ!ダウン症の女の子だ、すごく優しい子だからな!!」と院長にきつく言われ、受け持った患者さん・・
技術も知識も経験もない、若造歯科医師に、毎回、はにかみながら、ユニットに座り、一生懸命に口を開けて、治療に協力してくれた彼女、今の10倍の治療時間と半分以下のクオリテイしかない自分に、毎回、あの特徴的な微笑みで私を信頼してくれた彼女、彼女を通して、人との接し方を学びました。
ダウン症の子は、平和主義で底抜けに優しく、ピュアで自分の事よりも相手を想います。
当院でもメンテナンスに来院している方もいますし、今まで出会って治療した方すべてに当てはまります。
で、昨日担当した患者さんで、「バキュームが怖くて前回シーラント処置が出来なかったダウン症の方が、今日はバキュームできるようにトレーニングの予定」というアポイントが入っていました・・・
私:「この方、トレーニングじゃなくて処置までいけますよ、やっていいですか?」と担当の衛生士さんに確認
お父さんに連れ添われてきた彼女はやはりあの特徴的な微笑を浮かべながら・・・
私:「今日さ、トレーニングの予定なんだけど、バキュームしながらシーラントしてくれると嬉しいんだけどな・・」
彼女:「じゃ、がんばろっかな・・」
私:「ホント!ありがとう、じゃあ先生、メガネ(ゴーグル)していいかな?」
彼女:「それはダメかな(笑)」 ←これは彼女特有のジョーク
で、舌の圧排が大変な下顎の6番のシーラント処置、とても協力的にしてくれ、途中、親指を立ててお父さんにアピールまでしてくれました。
私:「すごい上手にできたよ~、反対側もやっていい?」
彼女:「じゃ、がんばろっかな・・」
私;「やった~、じゃあ先生メガネしていい?」
彼女;「それはダメかな(笑)」← 一同爆笑
で、サラッと反対側も処置完了
私の治療や説明が良かったからではありません、初対面なので、信頼関係もありません・・
理由は、彼女が周りの人(私や衛生士や付添いのお父さん)を喜ばせたいと思ったから、それだけです。(痛みのある歯の治療ではない)
自分より相手のことを純粋に思う素晴らしさ、21トリソミーの方の治療をすると毎回そのことに気づかされます。ありがたいです。
あの時の彼女に少しは恩返しできるようになったかな・・・。
偏見や差別がない社会になればと思います。
【強い子】
これはある難病の女の子のお話です。
女の子は進行性の病気で入院していて
頭や体のあちこちに
器具が取り付けられていました。
大きな手術が必要でうまくいかなければ
命を落とすこともあるそうです。
お母さんはそんな彼女を見ると悲しくて
しかたありません。
「どうしてうちの娘がこんな姿に・・・」
女の子は大好きなお母さんを元気づけた
くて、お見舞いにくるお母さんをいつも
笑顔で迎えていました。
女の子は童話を読むのが大好きで、
自分でもよくお話をつくっていました。
そしてお母さんのために「強い子」とい
うお話をつくりました。
それは彼女が生まれる前のお話です。
ある日、神様に呼ばれて行くと、
たくさんの赤ちゃんたちが並んでいて、
一人ずつプレゼントをもらっています。
「あの町にうまれたい」
「お金持ちの家にうまれたい」
神様はどんなことでも叶えてくれるのです。
女の子の順番がやってきましたが、
何がほしいか決まっていませんでした。
ふと見ると神様のうしろに「重い病気」
というプレゼントがあります。
「これは誰がもらえるの?」
「いちばん強い子だよ。このプレゼント
をもらった子は生まれてからすごく苦し
いんだ」
「だからいちばん強い子にしかあげられ
ないんだよ」
女の子は思いました。
「他の子がこのプレゼントをもらったら、
その子にあったときつらいだろうな・・・」
そして神様に言いました。
「そのプレゼント、私にください。
私がいちばん強い子よ」
「他の子にはあげないで。
他の子が苦しむのはいやだから」
「私がいちばん強い子だから、
私にちょうだい」
「君が来るのをまっていたんだ。
君がいちばん強い子なんだね」
ねえ、ママ
そうやって神様にお願いして
私は生まれてきたんだよ。
お母さんは涙を流しながらも
笑顔で女の子を抱きしめていました。
参考元:『仕事が夢と感動であふれる5つ
の物語』(きこ書房)
障がい者・障がい児の特別担当医(主に定期健診)の当番でした。
担当医になって何年か経ちますが、毎回、スタッフ、他の担当医の先生方の献身的な姿勢に頭が下がります。
勤務医時代(地獄)に、「佐久間、お前が担当だから、ちゃんとやれ!ダウン症の女の子だ、すごく優しい子だからな!!」と院長にきつく言われ、受け持った患者さん・・
技術も知識も経験もない、若造歯科医師に、毎回、はにかみながら、ユニットに座り、一生懸命に口を開けて、治療に協力してくれた彼女、今の10倍の治療時間と半分以下のクオリテイしかない自分に、毎回、あの特徴的な微笑みで私を信頼してくれた彼女、彼女を通して、人との接し方を学びました。
ダウン症の子は、平和主義で底抜けに優しく、ピュアで自分の事よりも相手を想います。
当院でもメンテナンスに来院している方もいますし、今まで出会って治療した方すべてに当てはまります。
で、昨日担当した患者さんで、「バキュームが怖くて前回シーラント処置が出来なかったダウン症の方が、今日はバキュームできるようにトレーニングの予定」というアポイントが入っていました・・・
私:「この方、トレーニングじゃなくて処置までいけますよ、やっていいですか?」と担当の衛生士さんに確認
お父さんに連れ添われてきた彼女はやはりあの特徴的な微笑を浮かべながら・・・
私:「今日さ、トレーニングの予定なんだけど、バキュームしながらシーラントしてくれると嬉しいんだけどな・・」
彼女:「じゃ、がんばろっかな・・」
私:「ホント!ありがとう、じゃあ先生、メガネ(ゴーグル)していいかな?」
彼女:「それはダメかな(笑)」 ←これは彼女特有のジョーク
で、舌の圧排が大変な下顎の6番のシーラント処置、とても協力的にしてくれ、途中、親指を立ててお父さんにアピールまでしてくれました。
私:「すごい上手にできたよ~、反対側もやっていい?」
彼女:「じゃ、がんばろっかな・・」
私;「やった~、じゃあ先生メガネしていい?」
彼女;「それはダメかな(笑)」← 一同爆笑
で、サラッと反対側も処置完了
私の治療や説明が良かったからではありません、初対面なので、信頼関係もありません・・
理由は、彼女が周りの人(私や衛生士や付添いのお父さん)を喜ばせたいと思ったから、それだけです。(痛みのある歯の治療ではない)
自分より相手のことを純粋に思う素晴らしさ、21トリソミーの方の治療をすると毎回そのことに気づかされます。ありがたいです。
あの時の彼女に少しは恩返しできるようになったかな・・・。
偏見や差別がない社会になればと思います。
【強い子】
これはある難病の女の子のお話です。
女の子は進行性の病気で入院していて
頭や体のあちこちに
器具が取り付けられていました。
大きな手術が必要でうまくいかなければ
命を落とすこともあるそうです。
お母さんはそんな彼女を見ると悲しくて
しかたありません。
「どうしてうちの娘がこんな姿に・・・」
女の子は大好きなお母さんを元気づけた
くて、お見舞いにくるお母さんをいつも
笑顔で迎えていました。
女の子は童話を読むのが大好きで、
自分でもよくお話をつくっていました。
そしてお母さんのために「強い子」とい
うお話をつくりました。
それは彼女が生まれる前のお話です。
ある日、神様に呼ばれて行くと、
たくさんの赤ちゃんたちが並んでいて、
一人ずつプレゼントをもらっています。
「あの町にうまれたい」
「お金持ちの家にうまれたい」
神様はどんなことでも叶えてくれるのです。
女の子の順番がやってきましたが、
何がほしいか決まっていませんでした。
ふと見ると神様のうしろに「重い病気」
というプレゼントがあります。
「これは誰がもらえるの?」
「いちばん強い子だよ。このプレゼント
をもらった子は生まれてからすごく苦し
いんだ」
「だからいちばん強い子にしかあげられ
ないんだよ」
女の子は思いました。
「他の子がこのプレゼントをもらったら、
その子にあったときつらいだろうな・・・」
そして神様に言いました。
「そのプレゼント、私にください。
私がいちばん強い子よ」
「他の子にはあげないで。
他の子が苦しむのはいやだから」
「私がいちばん強い子だから、
私にちょうだい」
「君が来るのをまっていたんだ。
君がいちばん強い子なんだね」
ねえ、ママ
そうやって神様にお願いして
私は生まれてきたんだよ。
お母さんは涙を流しながらも
笑顔で女の子を抱きしめていました。
参考元:『仕事が夢と感動であふれる5つ
の物語』(きこ書房)