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伊勢正三「俺たちの詩」

2021-12-19 20:48:44 | 音楽批評


今回は、ひさびさに音楽記事です。

ちょっと前に、このブログの記事で伊勢正三さんの「レミングの街」という歌を紹介しました。
その際にYoutubeがサジェストしてくる伊勢さんの歌をいくつか聴いてみたんですが……なかなか新鮮な驚きがありました。

伊勢正三さんの書く歌詞は、短編小説のようなストーリーを背景にもつ失恋ソングというイメージがあったんですが、結構古き良き社会派フォークソングのような歌も歌っておられるようです。「レミングの街」は例外的な歌かと思ってたんですが、どうもそうともいえないようで……
たとえば、「メガロポリスの錯覚」。

メガロポリスの錯覚 (1994渋谷公会堂)

そして、記事タイトルにかかげた「俺たちの詩」……この歌なんか、ちょっと吉田拓郎さんっぽくないでしょうか。

【LIVE】2021.7.11 ISE SHOZO LIVE 2021 「ほんの短い夏」「俺たちの詩」

動画は、今年のライブから。
いまなお現役でこういう歌を歌っておられるというのは、すごいことです。
「メガロポリスの錯覚」では、聴衆にむかって「フォークシンガーの真髄をみせてやろうじゃないか」といってますが、これはまさに、およそ半世紀フォークシンガーをやってきたという矜持をもってはじめていえることでしょう。
伊勢正三さんは「フォーク→ニューミュージック」という流れに大きく貢献したミュージシャンの一人だと思いますが、やはりその音楽的地層のなかにフォークはしっかり底流として流れていて、ニューミュージックというものが時間の経過で相対化されていったときに、フォークというものがまた存在感を増してきたのかとも思えます。



最後にもう一つ。
先日作詞家の喜多條忠さんが亡くなりましたが、伊勢正三さんの公式Youtubeチャンネルが喜多條さんを偲ぶ動画を公開しています。
喜多條さんがライブにきて、ステージ上に姿をみせた際の動画です。

【LIVE映像】喜多條さんを偲んで「星空」伊勢正三 LIVE2007 尾白の森•名水公園

喜多條忠さんといえば、伊勢正三さんが在籍したかぐや姫のビッグヒット「神田川」の作詞者。
まさに、本邦ポピュラーミュージックの地層に刻まれた記念碑のような歌……またひとつ、時代がその車輪を回転させたということでしょうか。




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