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福祉について考えるUMEMOTOのブログ

増税・保険料増!あえぐ高齢者

2006-08-13 09:13:35 | ノーマリゼーション
将来介護が必要になったときに、安心して介護を受けることができるように国民の保険料で制度を運営する『介護保険制度』は、いくつかの課題はありながらも定着したと言っていいだろう。介護保険料の納付も一定の理解を得られている。

しかし、ここにきて保険料の増額が各地でみられている。それに加えて税制改正により、高齢者の住民税・所得税が増え、さらには国民健康保険料、介護保険料も大幅な増額になっている。なぜこのようなことが起きるのか。

まず、介護保険料は3年毎に見直すことになっており、平成12~14年度が第1期で全国平均が2,911円。平成15~17年度の第2期が平均3,293円。今期(第3期:平成18~20年度)が4,090円となっている。毎回、増額になるのは、介護を利用する人が増えていることもあるが、施設入所が多かったり、当初の見込み違いにより次期で増額せざるを得ないことなど理由はいくつかある。
第3期の最高額は沖縄県与那国町の6,100円で、離島や過疎地などが高額になる傾向がある。最低額は岐阜県七宗町の2,200円で、その差は3,900円(年間46,800円)になる。保険料が安い要因としては、介護サービスがあまり多くなく(施設がなかったり)、高齢化があまり進んでいないなどの要因が考えられる。

ただ、これらの介護保険料は基準額(非課税世帯が対象)で、収入に応じて増減がある。住民税課税世帯になると、課税額に合わせてさらに何千円かずつ増していくことになる。
そこで影響してくるのが、2004年の税制改正だ。2005年1月から
①公的年金等控除の上乗せ廃止
②老年者控除全廃
などが決まり、今年度の住民税から課税額が変わってきている。

例えば、高齢者夫婦二人暮しで年金収入が年間277万円の場合。
・公的年金控除が144万円から120万円に縮小されるため、所得額の計算が133万円から157万円にアップ。
・老年者控除が廃止になり、48万円が控除になっていたのが控除なしになる。
その他の控除などの結果、前年度の課税対象額が0円に対し、今年度が59万円となり、
*住民税は4,000円から31,100円に増額
*所得税は0円から42,000円
*国民健康保険料は21万円から24万5千円
*介護保険料は5万円から7万円
年金額は変わらないのに、納める税金が多くなるため、生活に大きな影響を受けることになる。

小泉内閣が高い支持率のもと、痛みを伴う構造改革を断行した結果、今になって高齢者など社会的立場の弱い人たちに大きな負担が重くのしかかってきている。
今回の税制改正で多くの増税を余儀なくされた人たちも、その当時の内閣を支持していたのかもしれない。大した国民的な議論もないまま、勢いに乗って改革をしてきたつけは国民が払わなければならない結果となっている。
もうすぐ、自民党総裁選があり、首相も変わることになる。その時にはぜひ社会保障や年金・税のことも議論の場に上げてもらいたい。私たちはその意見を吟味して、今後の行く末をしっかりと見守りたい。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (k)
2006-08-30 11:40:39
公的年金控除・老年者控除が全てに影響していたんですねー。こんなに保険料も税金も上がっていたなんて

来年は絶対確定申告しなくては!!

今年のもまとめてします!

それにしてもコイズミを支持した自分に腹が立ちます。
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こちらこそ (UMEMOTO)
2006-09-04 21:44:20
こちらこそ、はじめまして。



今回の増税に加えて、医療制度改革により高齢者で現役並みの所得がある人は、窓口負担が1割から3割に増える人もいます。



同じくらいの年収の現役世代も3割負担をしているから、高齢者も3割負担をしてもらわないと・・・という議論をよく聞きますが、どうなんでしょうか。

年を重ねると、それだけ病気にかかりやすくなり、それだけ病院に行く機会が増えます。薬も多くなるし、入院患者の多くは高齢者である現状を考えると、年収が同じだから負担も同じに・・・という議論はかなり無理があります。



政治家や役人は、自分たちが健康だからそれが当たり前のように思っているかもしれませんが、世の中はそうではないことをもっと知ってほしいと思います。
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