千葉県浦安市の無届け有料老人ホーム「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」で入所者への虐待の疑いが持たれている問題で、毎日新聞が、全国47都道府県に調査を実施した。
その結果、34都道府県が実態調査をして計625件の無届け施設を把握していたことが判明した。その後の指導で届け出ていたのは、3分の1強の243件にとどまっているという。
今回の問題では、虐待行為そのものも問題にすべきことで、虐待(拘束)をした職員やその職場環境をきちんと調査し、原因を検証する必要がある。そうすることで、今後同じような被害に合う人を少なくすることができるだろう。
別の側面では、どのように虐待行為を発見するのかという大きな問題もある。平成18年4月に施行された高齢者虐待防止法では、虐待を受けている高齢者を発見した者には、高齢者の状態に応じて通報の義務もしくは努力義務が課せられている。しかし、施設内の虐待は外部には見えにくく、雇用されている職員や家族を預かってもらっている家族にとっては訴えにくい力関係が存在している。
さらに、届出を行い行政が把握できている施設かそうでないかによって、さらに虐待行為の発見や事実確認が遅れる可能性が指摘されている。届出がされていれば、行政は指導という形で内部に入ることも可能になる。
そもそも何をもって『有料老人ホーム』というのだろうか。有料老人ホームの定義は、老人福祉法の第29条に「老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な介護の供与を行う施設(後略)」とされている。つまり、高齢者が生活するように便宜をはかり、そのための職員もいれば有料老人ホームであるということだ。
そして、「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について(厚労省老健局通知)」では、上記の定義に当てはまるものは届出義務がある、とされている。
届出をした施設は、正式に『有料老人ホーム』と名乗ることができる。その反面、行政の監査・指導を受けなければならなくなる。
今回のように無届け施設が出てくる背景には、需要が多く『有料老人ホーム』という看板を掲げなくても利用者が集まってくる状況がある。
また、何を持って『有料老人ホーム』とするのかという定義の解釈が、各都道府県によって異なる現状もある。そのため、一度届出をしても、都道府県から「それは有料老人ホームにあたらないから届ける必要がない」と返される例もある。
一時、厚労省の指針でも「高齢者以外が入居できる施設は有料老人ホームにあたらない」などと都道府県に対して説明をしている経緯もあるという。
今回の毎日新聞の調査でも、調査していない13都県においても、「定義が難しく調査の手法も検討がつかいない」、「無届け施設があるかどうかも分からない」という理由が挙げられている。
現実問題として、市町村単位で把握し、都道府県に情報を提供していくしか方法はないだろう。市町村には各種情報が入ってくるはずである。いかにアンテナを張り情報を掴んでいくかが今後の鍵になるだろう。
その結果、34都道府県が実態調査をして計625件の無届け施設を把握していたことが判明した。その後の指導で届け出ていたのは、3分の1強の243件にとどまっているという。
今回の問題では、虐待行為そのものも問題にすべきことで、虐待(拘束)をした職員やその職場環境をきちんと調査し、原因を検証する必要がある。そうすることで、今後同じような被害に合う人を少なくすることができるだろう。
別の側面では、どのように虐待行為を発見するのかという大きな問題もある。平成18年4月に施行された高齢者虐待防止法では、虐待を受けている高齢者を発見した者には、高齢者の状態に応じて通報の義務もしくは努力義務が課せられている。しかし、施設内の虐待は外部には見えにくく、雇用されている職員や家族を預かってもらっている家族にとっては訴えにくい力関係が存在している。
さらに、届出を行い行政が把握できている施設かそうでないかによって、さらに虐待行為の発見や事実確認が遅れる可能性が指摘されている。届出がされていれば、行政は指導という形で内部に入ることも可能になる。
そもそも何をもって『有料老人ホーム』というのだろうか。有料老人ホームの定義は、老人福祉法の第29条に「老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な介護の供与を行う施設(後略)」とされている。つまり、高齢者が生活するように便宜をはかり、そのための職員もいれば有料老人ホームであるということだ。
そして、「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について(厚労省老健局通知)」では、上記の定義に当てはまるものは届出義務がある、とされている。
届出をした施設は、正式に『有料老人ホーム』と名乗ることができる。その反面、行政の監査・指導を受けなければならなくなる。
今回のように無届け施設が出てくる背景には、需要が多く『有料老人ホーム』という看板を掲げなくても利用者が集まってくる状況がある。
また、何を持って『有料老人ホーム』とするのかという定義の解釈が、各都道府県によって異なる現状もある。そのため、一度届出をしても、都道府県から「それは有料老人ホームにあたらないから届ける必要がない」と返される例もある。
一時、厚労省の指針でも「高齢者以外が入居できる施設は有料老人ホームにあたらない」などと都道府県に対して説明をしている経緯もあるという。
今回の毎日新聞の調査でも、調査していない13都県においても、「定義が難しく調査の手法も検討がつかいない」、「無届け施設があるかどうかも分からない」という理由が挙げられている。
現実問題として、市町村単位で把握し、都道府県に情報を提供していくしか方法はないだろう。市町村には各種情報が入ってくるはずである。いかにアンテナを張り情報を掴んでいくかが今後の鍵になるだろう。